COLUMNコラム
オステリア オ ジラソーレ 移転のお知らせ
トップページでご報告致しましたが、またしても懲りずに移転する事になりました。
先ずは、どんなお店になるか、簡単にご紹介します。
まず、皆様。店の形態が変わるのか?等のご心配もあるでしょうが、変わりません。
オステリア オ ジラソーレのコンセプトは永遠に不滅です。
今後更に進化、深化したいとは切に思いますが。。
席数も同程度です。
なら、何で移転すんねん!
となりますね。
よくぞ聞いてくれました。
次のお店は、今のお店の約倍の敷地があります。
その中に、今と同じ規模のオステリア オ ジラソーレがあります。
その横に、(厳密には前に)イタリア菓子専門店(パスティッチェリア)、イタリアの惣菜専門店(ロスティッチェリア)を併設し、イートイン出来るようにバールがあります。
4軒の楽しさを一軒に無理やり突っ込みます。
何故か?
僕が多店舗展開できる器じゃないからです。
ムッチャでっかい厨房作って、全部睨みを利かせ、全部納得いくものに囲まれたい。
僕は、12席の店からスタートしました。
12席だから出来ていた事、12席じゃ出来なかった事。
その後移転し、20席の今の店に移りました。
結局、何かを諦め、何かを手に入れた訳です。
この20席の店は、僕に沢山の事を与えてくれ、僕は人生を捧げました。
俗に言う悪魔との契約です。
飲食業の数あるカテゴリーの中で、いわゆるちゃんとしたレストランは、総合格闘技です。
だからエキサイティングかつセクシーな仕事ですが、ダメージ、摩耗も酷い。
僕は現役を永く続けたい。
出来立ての料理を出したい。
常にその瞬間のベストを尽くしたい。
出来るだけ全部自分で作りたい。
そうなると、20席は限界の限界です。
それにプラス、パスティッチェリアとロスティッチェリアを併設するのは無謀に見えるかも知れません。
しかし、したくて堪らんのです。
全身の全細胞がしたがっています。
こんな店がしたくて、修行して、嫌な事にも耐えて、今がそのチャンスかも?と思った以上、男として挑戦しない訳にはいきません。
一部の方には結構反対もされました。
でもそれ以上に沢山の方に応援して頂いています。
思えばもう12,3年以上前です。
4年半を過ごしたナポリ。
全くお金なく、貧乏で、大家さんに頼み込んで物置にすましてもらったり、友達の家のこれまた物置に転がり込んだり。
最初の物置はドアがありましたが、トイレと窓で繋がっており、人体とはこんな不思議な音を発するのだと色んな発見をし、
二軒目の物置はドアすらなく、プライバシーゼロ。拾ってきたベットで寝てました。
このベット、丁度ど真ん中のあたり気を付けないとスプリングが飛び出しており、誤って寝返りを打つとケツに刺さり朝起きたら血だらけというアトラクション付でした。
三軒目の家は最高でした。
カトリックの教会のゲストルーム。
テラス、バスタブ付。
知人のご厚意で紹介頂き、格安で住めました。
20代の僕は神の家に、料理の本と間違って買ってしまった数冊のエロ本を持ち込んでいました。
頼んでも無いのに信者のおばさんが、僕の部屋を掃除してくれたんですね。
中学、高校とエロ本を隠していた場所は、20代になろうが、外国だろうが変わりません。
三つ子の魂百まで
エロ本を自分のお袋に見つかろうが、外国で熱心なカトリック信者に見つかろうが、そのダメージも良く似ていました。
そして見つけた方の行動も似ていますね。綺麗に重ねてベットの下。
きっと見つけた方のショックも同じなんでしょう。
ほどなくして、その教会に住めなくなりました。
何故だったのでしょう。
その後、片道1時間歩く教会に引っ越しました。
全てのコレクションとサヨナラして。。。
しかし、1日24時間。最低16時間働かされる店で、往復2時間の徒歩通勤はめげました。
最終の棲家は店の近くに乗り捨てられていたキャンピングカー。
最初は電気もなく、ロウソクで暮らしていました。
しかし、腐ってもキャンピングカー。
同僚のお父さんだったかな?修理して、レストランの駐車場から電気引いてくれて、僕の小さな城に明かりが付きました。
嬉しかったなー。。。
こんな、おバカな貧乏修行でしたが、イタリアという国はホントに素晴らしい。
こんなにお金がなくても、ちゃんと美味しいものが食べれるのです。
そのちゃんとというのは、決してレストランで食べるような物ではありませんが、添加物や化学調味料の入ってない、手作り感満載の食べ物です。
例えば、切り売りのピッツァだったり、揚げピッツァだったり、コロッケだったり、スップリ(ライルコロッケ)だったり。。
そうです。つまりはジャンクフードなんですけど、全部手作り。
職人やコックが朝からその日の分を作ってるんです。
日本でいう、タコ焼きとか、昔ながらのパン屋さんの総菜パンとか、おにぎりとかなんですかね。
でも、美味しくて、おしゃれで、温かくて、思わず笑顔になります。
そんな店がしたい。
後、お菓子もそうです。
イタリア菓子は素朴です。
そして詰まってるものが多い。
レストランでコースを食べた後に、日本人がさー、ドルチェ、ドルチェとなるような代物じゃありません。
今のジラソーレでは、小ぶりにしたり、レストランらしい口どけを狙ったりしてますが、思いっきりイタリア菓子をバーンとお出ししてみたい。
僕は酒飲みなので、基本的にあまり甘い物を食べませんでした。イタリアに行くまでは。
イタリアに住みだして3か月程したある日、急にクラクラして立てなくなりました。
そんな僕を見た当時の大家さんが、エスプレッソに砂糖を5,6杯ぶち込んで飲ませてくれました。
あら不思議。
点滴したみたいに元気になりました。
低血糖だったようです。
エスプレッソに砂糖も入れないし、果物も食べない、ドルチェも食べないとイタリアでは糖分が足らなくなります。
和食では、無意識に砂糖を摂取しますが、イタリア料理には砂糖は入りません。
だからイタリア人は果物を良く食べ、エスプレッソには砂糖をこれでもかと入れ、ドルチェはキーンと甘いのです。
そっから甘い物にはまりました。
朝、バールで揚げドーナツや甘いクロワッサン(コルネットと言います)を食べる幸せ。
夕方、ランチとディナーの間の休憩中に貪り食ったカンノーロ。
どちらも将来、絶対自分の店で出そうと誓いました。
それもレストランでなく、イタリアのバールやパスティッチェリアの様に、パッと食べれてパッとデートの続きが出来るようなのがいいな~と思いました。
これらの、揚げたてのドーナツや揚げピッツァ、ドルチェなんかは、小さな子供から大人まで幸せにできます。
レストランには来れない、小さな子供も夢中になる。
口の周りに砂糖をいっぱい着けながらドーナツ食べてる子供もいれば、昼からオープンスペースでスプマンテ飲んで葉巻吸っているオッサンがいる。
これが僕が思うカッコいい店。
そんな店が、色々言われながらも10年も続けば必ず町の風景の一部になると思います。
それがイタリアに憧れ、恋い焦がれた僕が、日本でイタリア料理をする理由になるのだと信じています。
イタリア料理のピンからキリまで。
イタリアの街角を切り取ったような店。
デカい借金して、箱と商品は僕が用意します。
新しいジラソーレ。
今まで以上に皆様の人生にグイグイ侵入致します。
使い倒してくださいませ。
新店舗住所
兵庫県芦屋市宮塚町15-6 キューブ芦屋1F
電話番号は同じです。
6月上旬オープン予定です。
まだ、このお店の最終日も決まっておりません。5月20日位までは必ずやっております。
パニーニ(複)。一個ならパニーノ。
中途半端に日本で市民権を得てますが、実際イタリアでは物凄く日常的に食べられます。
まさに日本のおにぎりと同じ存在。
パニーノと呼ばれるのは基本的に丸いパンです。
仮に中に何にも入ってなくてもパニーノ。
そして、中になんか詰め込むように存在する、パニーノ用パニーノ。その名もロゼッタ。
小さいバラという意味です。
ロゼッタの特徴はしっかりしてるけど、クリスピーで分厚すぎない皮と特殊な成形で生み出される中の空洞。
詰め込む具材はなんでもOK!
生ハムやサラミ、チーズは勿論、カツレツ、サラダ、野菜のマリネ。。
僕の一番はモルタデッラハム。
これを超薄切りにして、これでもかと言う位詰め込む。
これとビール。
なんで戦争とかするんやろ?と思いますよ。
新しい店のファザード。
恐怖とやる気と緊張で錯乱しかけてます。
でもね、絶対良い店になりますよ。
ちょっとハイカウンターな立ち飲みスペースとか、オープンスペースとか、こういうのは凄く好きな方と嫌いな方に分かれます。
例えば、こんなに小さな子供を魅了してやろうと息巻きながらハイカウンター。
子供は届きません。
ワザとです。
必ず、子供もファンになってくれるはず。
ちょい悪オヤジも女子高生も、色んな思惑で来て下されば良い。
でも、誰にも合わせません。
元々、色んな世代に愛されるはずのものだから。
だから子供にも合わせません。
むしろ、早く大人になりたいと思わせたい。
レストランと違い、細かいルールも出来るだけ無し。
その瞬間にそこに居合わせる皆様で、その時ベストな使い勝手を作り上げたい。
大人社会のヨーロッパで学んだ事です。
春支度
2月は大雪が降りましたね。
各地で大きな被害が出ましたが、皆様大丈夫でしたか?
さて、急に春めきました。
僕の頭は年中春めいていますが、水道の水も延髄に衝撃が走るほど冷たくないし、いよいよ春ですね。
春は、1年で一番得意な季節。
食材のヴァリエーションも増えますし、楽しいですね。
まだ、肌寒い日も続きますので冬っぽい物もありますし、春先取りな料理もあります。
ちょっくらご案内しましょう。
最近、突出しの後の冷前菜で良くお出しする、ミル貝の料理。
生のミル貝、フリアリエッリ(ナポリの葉ブロッコリ)、カリフラワーのピュレ、ミル貝のジュレ、水牛のモッツァレラ。
これらの食材を色々一緒に召し上がって頂くとあら不思議。
ミル貝だけ食べるより、ミル貝の味が鮮烈に感じます。
ポイントは油脂分。
カリフラワーのピュレの中に入っているだけで、後はオリーブオイルも一切無し。
以前から、生の貝に生のオリーブオイルって合わないなーと思っていました。
なんか、無意識にかけがちですが、最近そういうことを細かく見直しております。
すると、塩、コショーってセットみたいになってますが、コショーもあまり使わなくなりました。
使うときはしっかり効かせますが、魚、肉ともにほぼコショーはしなくなりましたね。
逆に、貝なんかはコショウ合うと思います。
パンって生き物やなーと最近思っています。
先ず、一般的に天然酵母と呼ばれる、自然発酵種。
簡単にいったらレーズンやヨーグルトなんかの糖質と粉と水を混ぜて放置。
ちょっとづつ水と粉を足しながら更に放置。
放置。
と、放置プレーを続けると酸味が出て、ブクブクしてきます。
只の粉と水だったものに、生命が宿るのですね。
ちょっと神になった気分になれます。
この天然酵母やパン生地ってほっとくと、ドンドン乾燥します。
で、表面カピカピになるんですが、そのカピカピの下は全然大丈夫なんですね。
なんか、怪我してカサブタ出来るみたい。
表面をさっとカピカピにして中を守るというか、全滅を防ごうとしている感じで凄いです。
更に、この急に春らしくなったりすると、発酵が急に活発になります。
オーブンに入れる前から100点の顔してます。
可愛くて仕方ない。。。

ナポリのバールでの朝ご飯と言えば、コルネット(クロワッサン)かグラッファ(この揚げドーナツ)
朝一から糖質、脂質共にマックスです。
でも、ほんとに目がシャキーンって覚めます。
超ハイカロリーですが、必ず笑顔になります。

ナポリでお菓子屋で働いてた時、毎日の朝一の仕事はグラッファからでした。
数か月だけの契約でしたが、毎日食べていました。
流石に見るのも嫌になりましたが、日本に帰ってからたまに無性に食べたくなります。
最近は賄用に仕込んでる事がありますので、ご希望の方はご予約時に有無をお尋ねください。

基本プレーンですが、クリーム入りも美味しい。
さみしがり屋の僕は、はち切れんばかりのクリームを詰め込みます。
昔から妄想癖が酷いのですが、妄想のテーマの一つにサバイバルというのがあります。
僕、サバイバルオタクです。
その、サバイバル妄想のステージの1つに無人島があります。
サバイバル妄想の中では比較的楽しくて、簡単です。
幼少のころから、無人島に持って行くリストというのが頭の中にありまして、持って行けるヴォリュームも決まっています。
何か、新しい持って行きたい物が見つかると、何かを諦めなければなりません。
それがルールです。
無人島に持って行くリストに加えました。
孤独が限界に達して気がふれそうな時でも、グラッファで笑顔が生まれます。
こんなスタートきってます!
寒いですね~!
こんだけ寒いと体がカロリーを欲するのか、お腹がすいて仕方ないです。
で、やっぱり温かい物食べたいですね。
最近は前菜の1品目から温かい物をお出ししています。
あと、デザート。
僕、温かいデザート大好きなんです。
レストランならではですし、なんかほっとします。
年末年始強烈に忙しくて、ご無沙汰しておりました。
何故かこの年末年始の短期間に3-4回来店下さった方が過去最高数いらっしゃいました。
嬉しいですねー。
店して12年ですから、ホント、飽きられない努力をし続けるだけなんですが、嬉しいです。はい。
最近の料理とデザートのダイジェストです。
あ、そうそう。
去年の12月からパティシエを雇いました。
初の試み。
僕、自称、デザート得意です。
だからこそ、誰かに任せてみよーかなと思いまして。
新しいアイデアはドンドンでますが、それを自ら試作、毎日製造、もしくは見習いの子レベルで作れるようにアレンジ、までするのは、僕の成長もないなーと思いまして。
日々楽しいです。
禅問答みたいに新しい僕のアイデアを形にするスタッフがいる。
今まで経験したことない感覚です。
サーヴィスもそうですね。
店長とやらを雇ってみました。
色んな化学反応がジラソーレで起きています。
僕自身にも。
永い間破れなかった殻が、破れかけてるのかも知れません。
その前からいるスタッフの立ち位置、モチベーションの変化、当の本人達は大変だと思います。
でも、全員が目の当たりにしていると思います。
自分たちの働いている店が急成長している事を。
それが年末からの短期間での超リピートにもつながっているのだと思います。
今日、ご紹介する料理は一見僕らしく無く見えるのもあるかもしれません。
でも是非食べにお越しください。
殻を破りかけている、ジラソーレ杉原の次のステージが始まったんです。
味わって頂ければ、変わったんじゃなく、進化しているんだと納得して頂けると思います。
今、一番心ときめく食材が坂越産の牡蛎です。
残念ながら体質が合わない方もいらっしゃるので、皆様全員にお出しできないのは残念ですが。。。
あまり好んで食べない。という方。騙されたと思って試してください。
人生変わります。
僕も以前はこんなに好きだった訳ではありません。
そのまま食べても究極に美味しい。
でも手を加えます。
ついに頭イカれたかと思われるかも知れませんが、最近食材の声が聞こえます。メッセージと言ったら良いかも知れません。
食材のメッセージを皆様に “通訳” する事が料理する事だと最近思っています。
ですので姿、形が変われどその食材がもっとも “自然” な状態でお出ししてます。
こちらは坂越の牡蛎とお米のティンバッロ ラルドディコロンナータ風味のブロッコリーディナターレのミネストラ添え
ラルドディコロンナータという、神の祝福を受けたとしか思えない、豚の背脂の塩漬けで炒めたナポリの青菜とお米で牡蛎を挟み、スモークチーズを忍ばせて表面をカリカリに焼きます。
牡蛎は間接的に火が入り、プリプリに、お米は更に牡蛎の味を吸いながらカリカリに。。。
その炒めた青菜をベースにしたミネストラと一緒に召し上がって頂きます。
最初はカリカリ、プリプリ、後半はプリプリ、カリ、フニャなリゾットになります。
さいしょ

大好きな温かいデザート。
今月はフォンダンショコラに、これまたあっついヘーゼルナッツのスープを添えて。
お汁粉的に仕上げました。しみじみ美味しいく、食後にホッとしますし、優しい笑顔がこぼれます。
こんな商品を厨房で鬼の形相で怒鳴りながら作るのを、猛省しました。
で、パティシエ雇った次第です。
怒鳴るのすごく減りました。

横のカンノーロに使うリコッタは自家製です。
ちゃんとレンネット(凝乳酵素)で作ります。
1Lの牛乳から250g位しかチーズできません。700cc近くの乳清がもったいなくて考えたのが、乳清を使ったジェラート。
卵をあまり入れると卵味が出過ぎるので、どうしよーかなと乳清を飲みまくってたら、乳清のメッセージが聞こえました。
パンのジェラートです。
パンのジェラートに更にトーストしたブリオッシュ(もちろん熱々)にバターとメイプルシロップたっぷりかけて、ほのかにラム酒の香りを付けた、かなり甘さ控えめのこれまたアツアツのクリームとスープの中間みたいなのをかけて召し上がって頂きます。
この手のかけようで、2800円のランチにもこのデザートお出ししてます。
我ながら成長してると思うんですが。。。
冬のジラソーレ
ジラソーレ
イタリア語でひまわりです...
なんかこの時期Tシャツで歩き回ってる気がする位、季節感のない名前ですね。
チューブもサザンも夏ってイメージですが、サザンはそれだけで終わらなかった訳ですね。
僕も夏しかお客さん来なかったら困りますので、冬場も大いに頑張ります!
それはそうと、よくなんで店の名前をジラソーレ、ひまわりにしたのか聞かれます。
照れくさいから適当にお答えする事が多いのですが、真相を教えましょう。
僕は料理人でありたい前に、非常に独立心が旺盛でした。
自分で商売がしたい。
親父が商売をしていた事もきっと関係あるんでしょうね。
男は親父を抜きたがる。
そして親父には料理人になるの、結構反対というか、馬鹿にされてましたから。
...ですので、修行中も勝手に(頼まれてもないのに自らという意味で)原価計算して、働いてた店の家賃とか人件費も大体は分かっていたから、現状これくらい利益出てるんじゃないかなー位のシミレーションは20代前半でしてました。
その計算の精度がどうだったかは別として、オーナーシェフやマネージャーと話すときも、意識して数字を絡めた話をしていました。
だからか、年齢以上に責任のある仕事をさせて頂いてたと感謝しています。
と、同時に自分の店の名前何にしよーとか、どの地域に店だそーかとか、延々妄想していました。
そうする事が日々の激務に耐えるモチベーションだったと思います。
特に店名はイタリアに修行に行く前、ずーっと考えてました。
多分、一番多くの時間を費やした考え事だったかもしれません。
イタリアに行く前、日本でPEPE(ぺぺ)というイタリアンで働いていました。
日本語でコショウですね。
ある日シェフに、何でお店の名前ペペにしたんですか?
と質問したら、1秒も考えることなく
日本語で、山椒は小粒でぴりりと辛いって言うやろ?
最初の店は、ホンマ小さな店やったけど山椒みたいに存在感のある店になるようにって付けたんや。
山椒は西洋料理やったらコショウかなーと思って。
とのお答え。
へー。日ごろずっと怒ってばっかりの師匠も、そんな事考えて店開けはったんやなーと、ちょっと感動し、ちょっと師匠との距離が縮まった気がしました。
あと、もう一軒非常に憧れてたお店、スペイン料理のドス シバリス。
大阪のエルポニエンテの小西シェフが昔シェフをしていた所。
ドス シバリス。
二人の快楽主義者。
もはや映画のタイトルですよ。
この二軒のお店の名前より、僕的にかっこいいのをずーっと考えていました。
当然、決まらないまま更に時間は経つのですが、イタリアに行ってあまり考えなくなりました。
イタリアのお店って、店名全然凝ってないとこばっかりなんです。
1番多いのオーナーの名前由来。
次が、立地由来。
川の近くとか、橋の近くとか、角にあるとか。住所の番地がそのまま店名なのも結構あります。
イタリアにはHANAKOやあまから手帳、東京カレンダーみたいな情報誌が日本ほどありませんでしたから、
お店が有名になるには、その店の得意な事、もしくはこれをするために店を始めたという商品を、流行廃れ関係なく淡々と、でも情熱をもって皆さんやってらっしゃいました。
なんか店の名前ありきみたいな考え方だった自分が少し恥ずかしくなり、自然と考えなくなりました。
イタリアで働きだし、四季の移り変わりを2回経験した頃から、料理における必然という事に心奪われていました。
必然性は大部分、科学的、物理的に説明できます。
でも、料理に至っては説明しきれない部分もある。
でも、多くの人はその必然性に美味しさを感じ、伝統料理という形で今も残っている。
例えば
ナスのあく抜きに何故あら塩を使うのかは科学的に説明できますが、カプレーゼ(モッツァレラチーズとトマトのサラダ)の組み合わせの美味しさの説明は、仮に科学的な説明をされてもあまり意味のない説明です。
日本でカプレーゼ食べて、美味しーと思った事あります?(組み合わせの妙として?)
これは料理における必然という事を本気で考え出したきっかけでもあります。
僕はナポリで働いていたので、モッツァレッラは常に身近でした。
最上級の物から手頃なものまで、色々使ってきました。
ある日、ナポリでモッツァレッラの試食会に参加する機会があり、ワインの試飲(試飲会のような楽しい感じでなく、テクニカルシートの制作の様にアカデミックな感じ)
の様に、モッツァレラを試食しました。
美味しいという言葉を使わず(勿論個人的好みも抜いて)、それぞれのモッツァレラを評価、表現していきます。
やってみると凄く難しいんですよ。
モッツァレラってみんな好きですよね。でもモッツァレラの美味しさってこんなに、ある意味単純で、個性的とは言いにくいのか!!!と思い知らされました。
ちょっと誤解を招く文章かもしれませんが、それくらいモッツァレラの美味しさって奇跡的なバランスと鮮度(乳の香り)の美味しさなんです。
参加者みんな困っていると、講師の方が一言、
ちょっと酸味、酸を探して食べてみて下さい。
すると、皆、おおーとざわめきました。
普通、傷んでも無い限り、モッツァレラを食べてそんなに酸味がどうこう言いません。
でも、そう言われて食べるとモッツァレラ構成している味で支配的なのは酸なんです。
決して酸っぱくないですよ。
でも、酸なんです。
そのあと、モッツァレラを何通りかの食べ方で試食しました。
なんかね、改宗した気分でした。
まず、ナポリでモッツァレラ前菜で食べるとしたら、
そのまま、
もしくは生ハムと一緒に
もしくは、カプレーゼ
と言ったとこですか。生で食べるの前提です。
そのまま食べるさい、ナポリではホントそのまま食べます。
オリーブオイルとかかけない。
多分一番人気、生ハムとモッツァレラ。
組み合わせとしては究極だと思います。
それぞれがそれぞれを倍以上美味しくする。
そしてカプレーゼ。
カプレーゼって、別に美味しいとかどうとか、コメントするものじゃないと思っていました。
まあ、こんなもんでしょって。
その試食会でも、特にカプレーセで盛り上がることなく、あーええ勉強になった位で帰ったのですがその数日後、カプレーセに説教されました。
ナポリにクオーレディブエという品種のトマトがあります。
生食の最高峰です。
これもね、モッツァレラと一緒で美味しいという言葉使わずに表現すると、表現しきれないんです。
甘みも酸味もどちらかと言えば控えめ。
でも香りは夏のぱぁーっとした胸がすっとする香り。
このトマトに、塩とオイルをかけると変身するんです。
そうなんです。このトマトはトマトサラダの最高の材料であって、そのままかじって最高なトマトではないのです。
これとモッツァレラを合わせたカプレーセって?!鳥肌が立ちましたよ。
あ、カプレーセの着地点はこれだって。
カプレーセといえども、全ての条件が揃うと凄い事になるんですよ。
この経験で更に料理にのめり込みます。
寝ても覚めても料理の事ばっかり。
そんな頃、トスカーナに行く用事があり、電車に乗っていました。
トスカーナはひまわりも有名で立派なひまわり畑があります。
丁度電車でひまわり畑を通った時、そのあまりの美しさにしばし見とれてたら、更にビックリ。
ひまわりってホントに太陽の方向向いてるんですね。
広大なひまわり畑のひまわりがみんな太陽の方を見ている。
そのひまわりに僕は心奪われてるのに、ひまわりは僕のことなどお構いなしに太陽を見つめ続けている。
その憧れから自らの姿まで太陽に似せて。
料理以外で感動する事なんてほとんど無いなか、花の美しさに感動してる自分に気付き、そしてちょっと自分とひまわりがダブりました。
僕もイタリアとイタリア料理に憧れ、同化しようとしてる。
店の名前ジラソーレにしよう。
ずっと前から決めてた気分になりました。
でも、モッツァレラとクオーレディブエの出会いのような鳥肌もたってました。
真冬のひまわり、咲き誇っております。
クリスマスと年末年始の営業のご案内、 年末恒例イベントと、 お正月用オードブルとナポリ風ラザニア、カ
もう年末ですよ。
急に焦ってきました。
皆様の中にも焦ってらっしゃる方がいると思いますので、まずは
クリスマスのご案内
12月22日(日) クリスマスランチメニュー 5250円 (12:00スタート15:30閉店)
クリスマスディナーメニュー 10500円 (18:00~お好きな時間で L.O 20:30)
12月23日(月祝) クリスマスランチメニュー 5250円 (12:00スタート15:30閉店)
クリスマスディナーメニュー 10500円 (18:00~お好きな時間で L.O 20:30)
12月24日(火) ランチ通常営業
クリスマスディナーメニュー 10500円 (18:00~お好きな時間で L.O 20:30)
12月25日(水) ランチ通常営業
クリスマスディナーメニュー 10500円 (18:00~お好きな時間で L.O 20:30)
ランチ、ディナーともにクリスマスメニューは税込、サーヴィス料別途5%です。
要予約クリスマスディナー
前菜と魚介料理
・スッポンとポレンタ スッポンのコンソメと共に
・瀬戸内の天然ヒラメのタルタル すりおろしたアワビ添え
・鱈の白子と卵の土鍋焼き 白トリュフクリーム風味
プリモ 2種
・トラフグとアーティチョークのアクアパッツァのリゾット
・イノシシの赤ワイン煮込みで和えた極太手打ちスパゲッティ 黒トリュフ風味
メイン
・エゾ鹿のソテー イタリア産の栗とレンズ豆のソース フォアグラ添え
デザート 2種
・エストラゴンのジェラート ホットココアのアッフォガート
・シチリア風カンノーロ
食後のお茶
10500円(税込)
クリスマスランチメニュー
前菜
・ノドグロのタリアータのコラトゥーラ風味 キャベツ添え
・ウナギのトマト煮 柔らかいポレンタ添え
パスタ
・当店名物!潮の香りのパッケリ
メイン
・エゾ鹿の赤ワイン煮込みのパイ包み焼き
デザート
・アツアツのリンゴのロールケーキのグラタン ヨーグルトのジェラート添え
5250円(税込 別途サービス料5%)
年末の年始のスケジュール
26日 ランチはお休み ディナーのみ営業
27日 ランチはお休み ディナーのみ営業
28日 ランチは通常営業 ディナーはイベント営業
29日 ランチ通常営業 ディナーはイベント営業
30日 ランチはお休み ディナーはイベント営業
31日 オードブル、ラザニアのお渡しのみの営業 14:00-18:00
2014年
1月1日 お休み(2014年から定休日が水曜日になります)
1月2日 ランチ 3150円 ディナー 6300円のコースをご用意して営業いたします。
1月3日 ランチ 3150円 ディナー 6300円のコースをご用意して営業いたします。 この2日間はアラカルトはご用意しておりません。
1月4日のランチより通常営業いたします。
お正月(年越し用)オードブルの盛り合わせとナポリ風ラザニアの販売のご案内
ナポリでは、大晦日に家族や友人が集まってどんちゃん騒ぎをします。
その騒ぎ方や、尋常ではありません。
毎年、死人が出ます。
ホントの話です。
そこまでしなくていいと思いますが、年末の開放感は格別です。
後片づけも忘れて楽しんで頂こうと、ジラソーレからのご提案です。
オードブル
料理8品前後(前菜的な物、お酒のアテ的な物、メインっぽい物等盛り沢山!!)
1人前4200円 2人前から承ります。
ナポリ風ラザニア
一人前1600円 2人前から承ります。
シチリア風カンノーロ (ドルチェ)
1つ 350円
11月09日からご予約受付開始致します。
31日の14時から18時の間に当店に取りに来て頂ける方のみの販売です。
よろしくお願いいたします!!!
告知
28日、29日、30日のディナーは毎年恒例、暴飲暴食イベントを予定しております。
すでに参戦希望者続出!!!
今年も又やりまっせ―!
28日、29日
魚祭り
前菜から魚介類盛り沢山!
魚好き集マーレ!
パスタも魚介、メインも魚介!
でも最後は太っ腹にビステッカ出しまーす。
そして〆にアリオオリオぺペロンチーノ!
挑戦者募集中!
8500円ウェルカムドリンク付き(税込、サーヴィス料5%別途)
お腹がはち切れんばかり料理出します。僕もストレス発散します。
救急車別料金です。
30日
肉祭り
前菜はちょっと魚介も出しますが、もちろん肉の前菜も!
ジビエも使います。
パスタはもちろんラグー系。
なんか丸焼き的な物もします。
こちらもまだ食べれる猛者にはアリオオリオぺペロンチーノ無料サーヴィス!
今年あった嫌な事、やけ食いで晴らして下さい。
消化した頃にはすっかり忘れましょう!!!
9500円 ウェルカムドリンク付き(税込サーヴィス料5%別途)
ジラソーレと皆様のフードファイト、年末デスマッチです。
救急車別料金です。
3日間とも6時30分会場
7時スタートです。
ご予約お待ちしております。