芦屋のイタリア料理とイタリアワインのお店

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COLUMNコラム

今年は更に魚介と向き合います。

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マテ貝。イタリア人はやたら好きな人が多いです。
イタリアでは結構高級品です。
 
貝類が充実しだすと、何となく体が春の準備を始めます。
 
お昼に前菜でグリルしたり、ディナーはムニエルにしてその他5種類くらいの魚介とサラダ仕立てにします。

 

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この時期のパスタ料理の一押し、根魚と甲殻類とパスタの煮込み ジェンナーロエスポージト風。
ジェンナーロ エスポージトとはコラムにもよく登場する僕の師匠です。
2009年位に、イタリアのレストランガイドで1位になり、この料理でpiatto dell'anno(今年の皿賞)、カーオブザイヤーの料理版みたいな賞を受賞しました。
まあ、受賞されたのもすごいですが、激ウマです。
何回か前の地方料理と創作料理みたいな題名の長いコラムで出てくる彼のスぺシャリテがこれ。
 
見た目モダンでもなければ奇もてらってないでしょう?でも正真正銘新しい料理です。
ありそうでなかった。
超保守的なナポリの爺さんも、世界レベルの超モダン料理を作るシェフも必ず美味しいと言うはずな料理。
 
2010年にイタリアに遊びに行った時、これを食べさせて頂いたのですが、この日から僕の料理の価値観が変わりました。
突き抜けた味になるために、新しい何かが生まれるのであって、新しい、珍しい物を作るのが目的ではないと。
 
この料理が生まれた時は、僕はもうここで働いていなかったのでこれの作り方は知りません。
 
でも、一回食べて大方同じものが作れました。全く同じではないと思います。シェフに作り方も聞いていないし、何が入っているかも聞いていません。
 
でも、ほぼ同じ美味しさになっていると思います。

 

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こちらがそのパスタに入れる材料パート1.
シラサエビ、ワタリガニ、メバル。
それぞれオーダー通ってから生で使うし、それぞれの出しも別で取ります。
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パート2.伊勢海老 鬼アサリ、穴子、牡蠣。後写真に載っていませんがイカ。
そら旨いでしょ。
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毎日ある訳でもないですが、結構な確率で入れるヒメジ。
ナポリではよーく食べます。

 

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テ個人的に好きな料理です。マグロのグリル。ホホ肉が入るとサイコーです。マグロのホホ肉食べた事あります?

焼いても全然パサパサしません。でもトロみたいに脂の味じゃなくてこんな感じでさっとグリルするとサイコーです。
 
ポテトフライが又良い仕事します。マグロと一緒に召し上がって見て下さい。

 

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当店の名物料理の一つ、蛸の煮込み。松の実とレーズンと一緒に煮込むんですが、これがまた非常に合います。
ものすごく外国の味ですが、なんか懐かしい味でとにかく鉄板ネタです。

 

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今年は今まで以上に魚料理に力を入れます。
天然魚はジビエです。
僕はそう思います。
年々肉の脂身がしんどくなり、和牛のさしは見るのもおぞましくなってきましたが、魚の脂は別です。
それでもマグロやサーモンのトロは食べなくなりましたが、白身の上品な脂や青背の力強い味に燃えています。
 
そんなこんなで、あまり使った事の無い魚も色々買ってみます。
 
これはヤガラ。体長の3割が顔です。
もし泳いでいて海で見かけたら結構恐いですよ。
 
なかなかの高級魚です。更に食べれる所が少ないので結局はかなりの高級魚です。
色々試しましたが和食でのほうが本領発揮しますね。
油脂分とあまり合わない気がします。
上品な白身ですから何しても美味しいですけど、究極的には椀だねじゃないでしょうか?
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瀬戸内海フェチです。しかし最近少し浮気するようになりました。
日本海の魚もボチボチ使うようになってきました。
でも、兵庫県の日本海側の物を買うようにしてます。
兵庫マニアはもう少し続けます。
 
的鯛。
イタリアでは大人気。
日本ではそうでもないですね。
美味しい魚ですよ。
日本って刺身で美味しいかどうかで、先ず魚の値打って決まりますね。
的鯛は生食はしません。でも火を入れると美味しいですよ。
 
そしてこちら、笹カレイ。
高級干物の原料ですが、生鮮品もあります。
これのムニエルがものすごく美味しいです。
見かけたら買いです。
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魚も肉と同じで、丸1匹調理すると美味しいですね。
こちら1.8キロのスズキ丸1匹ロースト。
プルんプルンかつホロホロ。
 
僕、ホンマに一人で1匹食べる自信があります。
まあ食べる必要無いんでしょうが。
もし、それで誰かの命が助かるとか、どっかの戦争が終わるなら喜んで1人で1匹食べます。

 

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瀬戸内は海老がどんどん減っています。
シラサエビ、川津海老、手が届かない天然車エビどれもとれる数が年々減ってるみたいです。
 
三重県や日本海側には美味しい海老類が豊富です。
 
これ、手が取れた赤座海老ではありません。
味も良く似ていますが、出しはやっぱり、スカンピの方が上品です。
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アワビ。
高いけど、高いだけの事はありますね。
 
生も良いけど、鮑のステーキもたまらん!
憧れの食材です。
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オコゼ。これも旨いでっせ―。
得意料理の一つ、オコゼの蒸し煮レモン風味。
 
もしメニューに載ってたら是非食べてみて下さい。

 

名残のジビエ

男は背伸びをしがちです。
特に若いころ、技術や経験が浅ければ浅いほど背伸びしていました。

自分の事を思い出すと、恥ずかしくもなりますが
背伸びした分、本当に成長してやろうとギラギラもしておりました。

日本で西洋料理に関わっている者にとって、ジビエは背伸びの対象でしょう。トリュフもそうです。
10代後半に車や女性の話で、少しでも周りの一歩先を行きたかったように
憧れの対象でもあり、絶対物にしてやるという越えなければならないハードルでもあります。

背伸びをしている間は、自分だけのジビエやトリュフに対するアプローチや、未だ誰もしていない組み合わせ等を必死に考えたものです。
今振り返ると、稚拙なアイデアばっかりです。
でも試作もかなりしました。
そして色々気付きます。
定番は、やっぱり旨いなーと。

定番だから旨いのではありません。旨いから定番になれるのです。
サッポロ●番や
焼そばU●O
この恐ろしく流行り廃りのあるこのご時世に、究極のスタンダードとして君臨しています。
昔は、このスタンダードのカッコよさが分からなかった。

しかし今は、料理人ですが同時に経営者のはしくれ。
職人としても、経営者としても憧れてやまない存在になりました。

そして、ジビエに対するコンプレックスもいつの間にか消えていました。
入荷した食材を良く見る、匂いを嗅ぐ、少し食べてみる。
そこから、どうするか考えます。 むしろ食材が教えてくれます。

他のお肉みたいに、焼いたものになんか付け合わせ添えて、なんかのソースかけるという曖昧さがありません。
このジビエだけの出汁、このジビエだけの付け合わせ、このジビエだけのソースというのをジビエごとに作ります。

ジビエは手間がかかると言われる所以です。

去年は、例年に増してジビエに取り組みました。
雷鳥から始まり
山ウズラ
山鳩
キジ
本州鹿
エゾ鹿
イノシシ
青首鴨
と楽しみました。

やはり、大変だけど楽しいですね。
全て個性的で、その個性を余す事無く表現したい。

来年、又こんな事試してみよう等思いつつ、ジビエのメニューも減ってまいりました。
名残のジビエメニューをご紹介します。2月中には無くなると思います。

 

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九州のシルヴィオの畑の裏で獲れたイノシシ。
首肉です。

 

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モモ一本。
見ての通り、骨付き皮付です。
なかなか貴重なものです。
 
イノシシは年内の方が基本的にいいです。
オスは発情期に入り、臭く硬くなるそうです。
 
しかも雪の日が増えて、山に入り難いそうです。
ラスト入荷でしょう。

 

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肉から骨が飛び出ている絵が好きです。
塊で煮込んで、あとで食べやすく切ります。
ちっちゃく切って煮込むと、特に小型のイノシシは煮汁の美味しさに負けて肉の香りが薄まる気がするからです。
 
なんか写真の調子が悪いな。
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手打ちのパッケリ。

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完成品です。
これ食べながら赤ワインを飲むのが大好きです。

 

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フジッリ チレンターニという手打ちパスタ。
これも良く合います。
チレンターニとはサレルノの事なんですが、イノシシ良く食べます。

 

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桃太郎の家来のキジ。
本当に勇敢な鳥で命がけで家族を守るそうな。

 

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ブロッコリーディナターレ。
こんな野菜が日本にあるのは、本当に感謝。

 

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写真が調子悪い!
 
キジのブロードとブロッコリー ディ ナターレのミネストラ。
 
モモ肉はオーダー毎にジャストに火を入れて、パサリやすい胸肉はポルペッタ(ミートボール)にして煮込んでいます。
個人的にすごい好きな料理です。
 
ジビエだけど攻撃的でなくて、寒い日の一品目におもてなしの心でお出ししたいなーと思います。
実際は時間かかるから、一品目にはあまり出せませんが。

 

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鹿肉の焼いたら硬いとこばかりで煮込みを作り、それをジャガイモのピュレと一緒にパイ生地で包んで焼きました。
赤ワインソースで。
 
これは、正直ナポリ色はありません。でも美味しいです。
そして材料を全く無駄にしない、むしろ更に美味しく食べるナポリのスピリッツは満載です。

 

O'RRAU ナポリ風ラグー

 O' RRAU

O'rrau ca me piace a me
m''o ffaceva suolo mamma'.

A che m'aggio spusato a te,
ne perlammo pe' ne parla'.

Io nun songo difficultuso;
ma luva'mmel' 'a miezo st'uso.

si, va bbuono:cumme vuo'tu.
Mo ce avessem' appicceca'?

Tu che dice?Chest'e' rrau?
E io m''o mmagno pe m''o mangia'...

M''a faie dicere na parola?
Chesta e' carne c''a pummarola.

Eduardo de Filippo

皆様、明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

月に3回更新目標で、コラムを書いていこうと思っていますが、
毎度、前書きに頭を悩ませる今日この頃です。

最近定番化してきた、我が家の恐妻ネタは新年早々は控えさせて頂き、ナポリのポエムでスタートです。
このポエム、その名も(オ ラウ―)ナポリ方言でラグーの事です。

僕はナポリに偏愛を抱いておりますが、その大きな理由にユーモアセンスと、文化レベルの高さが揚げれます。
このユーモアセンスが曲者で、日本人にはブラック過ぎます。

皆様の想像を凌駕するほど、口が悪い人が多いです。
慣れるまで、これが人種差別か!とへこむくらい色々言われます。

今でも家族付き合いしているジェンナーロの所でも、働き出して3日目位に(ジャッロ、イエローの意)と呼ばれました。
結構効きましたね。
イタリア生活もかなり慣れて、イタリア語もほぼ苦労しなくなった頃ですので、カウンターパンチを受けた気分でした。

その頃、料理と同じくらいかそれ以上に頑張っていた事があります。筋トレです。
いい加減、腹をくくりました。

今度、ひどい事言ってきたら、倍にして言い返してやろう。
口の悪さなら、僕も自信はありました。
僕の親父の口癖は、何さらしてけつかんどんねん。
これ、何してんの?と同じ意味ですよ。
吉本新喜劇以外で生で聞いたのは、親父から位です。
言い返した後、乱闘になってもええ勝負してやる!と意気込んでいました。

しかし、外人は軒並み必要以上に筋肉質ですからね、真剣に互角の肉体を手に入れなければ厨房のトップには立てないと悟りました。

良い精神は、良い肉体に宿ります。
一回り体が大きくなると、心に余裕ができました。

その頃には、店でシェフの次の次くらいに、口の悪い奴に成長していました。(シェフの暴言は芸術でした。料理のメモを取る事は殆どありませんでしたが、彼の暴言は良くメモリました。知能の高さと、気品すら感じました。
今思えば、俳句や和歌に通じるような通じないような。。)
当然殴り合いになんかなりません。
悪口は、彼らなりのコミニュケ―ションの方法なんです。

例えば、朝一番の厨房のあの殺伐とした空気。
まだ、昨日の疲れが全く取れていない中、リーダークラスが若手になんかきっつい悪口をかまします。
そこで、トンチの効いた返答ができれば、こいつはもう目が覚めてるとみなされますし、やたらとブスッとすれば、未だ疲れているからほっとこうとなります。
全く悪気がないんですね。ゼロです。
信じられない位ゼロです。
ちょっとした悪口は、相手との距離を測る物差しですね。

むしろ、イタリア人は嫌いな奴は軒並み無視です。全く相手にしない。
もしくは、仲間、友達なら気に食わない所はすぐに言ってきます。

今年のクリスマスの営業中も、死ぬほど忙しい合間にイタリアから無数の電話がありました。
僕以外のスタッフがでて、イタリア語が分ろうが、分からなかろうがお構いなし。

皆、テンションが上がっているから(イタリア人にとってクリスマスは、1年で1番大切な日です)
凄まじい暴言です。
今年、頂いたボン ナターレ(メリークリスマス)の数例
ボン ナターレ おかま
ボン ナターレ 田舎っぺ
ボン ナターレ 肥だめ野郎
ボン ナターレ 足ふきマット

涙でそうですね。これを言うためにわざわざイタリアから国際電話をかけてくるんですよ!
クリスマスは、家族で祝います。その家族とのボンナターレのあいさつが終わると、毎年カトリックでもない僕に国際電話をかけてくれる。
(まあ、時間に問題はありますが。。。決まってディナーの営業中の一番忙しい時に2-3軒あります)

なんかもう、竹馬の友って感じですね。

この様に、彼らの暴言には愛が詰まっている事を念頭に置き、先ほどのポエムをナポリ弁から関西弁に意訳します。

  ラグー
ワシが好なラグーは、オカンが作ってくれたやつだけやなー。

お前と結婚してからは、話題にのぼるだけや。

別にワシ、特別口うるさい訳やないで。
せやけど、もーええやろ。

よっしゃ、分かった。お好きなように。
夫婦喧嘩になるまで言い合うか?

ほな何かい、お前はこれがラグーや言うんか?
ワシこれでも食べるよ。食べるんは食べる。

せやけど一言だけ言わせてくれ。
これは肉のトマト風味煮込みや。


んー、すごいでしょ?
ナポリのコメディアンでエドゥワルド デ フィリッポという大阪の藤山寛美みたいな方がいました。
その方の作品です。

ラグーへの偏愛、
母への愛
嫁さんへのジレンマ
最後の気の効いた一言
凄まじいキレですね。

はい、写真コーナー!!!
 

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木杓子が立つ。
黒ずんだ赤。
台所がドロドロになる。
 
本物のラグーの条件です。

 

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ポエムになるこのラグーナポレターノ。
別名、日曜日のラグー。
日曜日は家族そろっての、大昼食会です。
そして、ナポリ人にとってのご馳走とはラグーです。
 
ツィーテという大きなマカロニと合わすほか、カーニバル時期に必ず食べるナポリ風ラザニア。
このラザニアは食の世界遺産に登録されるべき逸品です。
ベシャメルでなく、リコッタチーズとモッツァレッラ、そしてこのラグーで作ります。
 
僕が死ぬ時は、このラザニアを周りに敷き詰めて火葬場に送ってくれと、嫁さんに頼んでいます。
ラザニアが焼ける香りを楽しみながら、天に召されましょう。
 
あと、ニョッキ、カネロニ、ラビオリなんかもこのラグーで食べます。
 
そして、料理の本には絶対のらない絶品が、ラグーパン。
パンにモッツァレッラ載せて、あっついラグーをかけます。
悶絶します。
 
ラグーナポレターノの1番の特徴は、いわゆるミートソースタイプのボローニャ風がミンチを使うのに対し、肉の塊をトマトで煮込み、トマトに肉の風味を移します。
そして、煮込む事7-8時間、ラグーは赤黒くなり、濃度のあるラグーが、ポコ、ポコっと沸くたび台所中が真っ赤っかに汚れます。

 

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こちらが煮込みに使った、お肉の塊。
ナポリでは、パスタを食べた後、メインとして食べます。
あまり、こちらをほぐしてパスタと一緒に食べる事はしません。
 
当店では、パスタ料理をお出しする時、別皿で少量お出ししております。
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詰め物をした豚の皮。
これを入れるか入れないかは大きく変わります。
 
ムッチリ、ねっとり。
沢山食べるものではありませんが、美味しいですよー!
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そして欠かせない脇役の骨。
骨付きのスペアリブを使う事もありますし、この様に骨だけ取っといたものを加える事もあります。
この骨に残っているお肉は、僕のです。
売り物ではありません。

 

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ボローニャ風のラグーが嫌いな人はいないでしょう。
でも、ナポリ風ラグーは、初めて食べて感動する方と、無反応な方と結構分かれます。

お客様の場合、1度無反応ならそこでおしまいで残念ですが、僕の経験上3-5回食べると必ず虜になります。

今までの従業員達がそうでした。
最初から夢中になる子もいたら、何回目かになんじゃこりゃーと急に叫ぶ子。
実は僕もナポリで初めて食べた時、意外と印象に残りませんでした。

しかし、最近のジラソーレのラグーは一線を越えました。
初食の方も、恋に落ちると思います。

 

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サルトゥディリーゾ。
宮廷料理です。ナポリ風ラグーで炊いた米と、色んな具が詰め物で入っています。
茹で卵、ポルチーニ、サラミ、レバー、グリンピース、ミートボール、モッツァレッラ。。。
 
これは、年末のクリスマスの25日と、29日のイベントでお出ししました。
まさにパーティー料理の代名詞な料理です。
評判も良かった。
 
この年末イベント、予想以上に大盛り上がりでした。今年から定番化を考えています。

 

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カットした図。新米カメラマン、ヒデの写真でちっちゃいですね。
ヒデ、これからもっと接写せなアカンで。
 
まあ、散々僕が早くせーと急かさせてましたので、こんなもんでしょう。
見た目案外地味ですけど、食べたらナポリの食の宝箱やーって感じです。

 

豆男

僕は、マメ男です。
信じないなら、嫁さんに聞いてみて下さい。
きっと、ハトが豆鉄砲食らったような顔をすると思います。

確かに、女性にも昔はもっとマメでした。
これは嫁さんには聞かないで下さい。
僕が、豆鉄砲以上の物を食らいます。

はい、食材の豆です。
毎度、しょーもない前書きにお付き合い頂きありがとうございます。
これからもがんばって、前書き中心のコラムを綴ってまいります。

豆嫌いな方多いですよね。もしくはすごい好きな方。普通に豆と社交的に大人な付き合いの方はあまり見受けられません。
憎悪か偏愛か。
豆って地味なようで実はこんなにキャラが立っているのですね。
オリーヴもそうですね。すっごい好きで、突き出しお代わりする方もいますし、全く召し上がらない方もいらっしゃいます。
たま―に、黒オリーヴのパスタご注文して、オリーヴを全部残す方もいらっしゃいます。
なんかのおまじないですかね?

そういえば、うちの店もちょっとこんな感じかもしれません。
合う人、合わない人いらっしゃいます。
多分、こんな好き嫌いの分かれるオリーヴや豆を多用するからかもしれません。

ですので、常連さんは豆好きの方が多い気がします。

何を隠そう、僕もイタリアに行くまでは豆に別にそれほど興味があった訳ではありません。
むしろ、黒豆とか、和食の甘い豆は苦手でした。
そもそも、和食が苦手でした。だから西洋料理の道に進んだんです。醤油が子供の時から嫌いで、なんでも塩味で食べたい子でした。


イタリアで、何が美味しいって豆です。種類もかなり豊富ですし、料理のヴァリエーションも豊富です。
旬の生の豆を楽しんだら乾燥させ、1年中使えるようにします。
ざっと挙げてみても
そら豆
エンドウ豆
さやいんげん
ウズラ豆
ヒヨコ豆
レンズ豆
白インゲン豆
干しソラ豆
等など
そら豆と干しソラマメを分けたのは、あまりに干すと香りが強くなり、同じ感覚では使えないからです。
最初の3つは、春から夏にかけてのフレッシュな豆です。
春のジラソーレのメニューは青い豆と、アスパラ、アーティチョークで一杯です。

後半の5つは、乾燥させたものが一般的ですが、今年ウズラ豆のフレッシュが少しだけ入荷しました。
僕が約半分食べて、豆ラヴァ―の何組かのお客様であっという間になくなりました。
来年も入れば是非します。

今日はこんな感じで、豆好きを増やすプロモーションです。
後は写真付で、お楽しみくださいませ。

 

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これが噂のフレッシュのウズラ豆。
シルヴィオちゃん作。
ウズラ豆のフレッシュはイタリアでも使った事が無く、初めての試み。
 
マンマミーア!!!
豆料理って重たいイメージありますよね?
これは全くそんなことありません。
鮮烈な香り、軽やかさ、丁度いいコク。
 
自然の摂理からいうと、まずこの生の豆を体験しなければなりませんでした。
その後干した豆を使う経験をするのが自然ですね。
生のウズラ豆を使ってから、干したウズラ豆の料理も俄然上達しました。
着地点がより明確に見えた感じです。
 
ちなみに器は、スガワラさんのガラス食器。
豆みたいなベタな物をモダンな器に盛るのも楽しい。
でも、味は一切モダンにはしません。

 

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こちらはレンズ豆。
ウズラ豆も、このレンズ豆も全部パスタ入りの煮込みにしています。
ナポリでは、ミネストラ ディ なんじゃらと呼ばれ、そりゃもー、そっちゅう食べます。
まさにソウルフード中のソウルフード。
 
当店ではランチタイムに真夏を除く時期、なんらかのこういったパスタと豆や野菜の煮込みをお出ししています。
 
レンズ豆は、魚介より圧倒的に肉っ気の方が合います。
今なら、鹿のカルパッチョのソースにもなっています。

 

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こちらは干しソラマメとパスタの煮込み。
ミネストラと呼ばれますが、汁だくではありません。
常にパスタとスープが一緒に食べれる濃度です。
 
パスタで作ったリゾットと言えばイメージしやすいですかね。
ホントに疲れた体と心をいやしてくれる味です。

 

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写真で見えますかね?
豆でもないパスタでもないトロッとした所。
これがうまいんです。
そら豆のアップです。
 
ココに豆の原型を残すとか、見栄えとかの介入の余地はありません。
目をつぶって食べたら、イタリアの田舎の風景が目に浮かびます。

 

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最も得意な一つ。
ヒヨコ豆とパスタの煮込み。
 
先日、パレルモ出身のイタリア人がこれを食べて、過去10年さかのぼってもこんなパスタ食べた事無いと喜んでくれました。
 
今、ディナーでしている潮の香りのパッケリ。
ウニやカラスミや、今ならアワビも入っていて、贅沢なパスタです。
当店のダントツ1番人気。
 
でも、この豆のパスタは、それに匹敵すると信じています。

 

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ヒヨコ豆のアップ。
我ながら完璧な仕上がりです。

 

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あまりにも写真映えしない今回。
まー、これも似たようなもんですが干しソラマメのピュレ。
 
プーリア州のまさにソウルフード。
そら豆のピュレ、チコリア、黒オリーヴ、玉ねぎちょっと。
この組み合わせで、永遠に豆が食べれます。
 
バッカラのフリットにちょっと付けてみました。
 
どうでしょう?
ちょっと豆に興味が出ましたか?
 
イタリアで働いていた時、師匠のジェンナーロがそら豆のパスタを作っている時に、おもむろに僕に言いました。
日本帰ったら、こんな料理をせなアカンでと。
 
当時、最先端のレストランで最先端の料理を、最前線で作っていました。
へ?何で?
と正直思いました。
 
今、料理の創作性、創造性を僕は、こんな見栄えの悪い豆料理に費やしています。
こんなベタな料理ですが、物凄く緻密な計算と、科学的な理論と自然の摂理にのっとって作っています。
 
イタリアに住んでいた頃より、断然今の方が料理が上手です。よりイタリアを醸し出せています。
最近は、イタリアのプロのコックに負けていない完成度だと自負しています。
 
イタリア、ナポリへの偏愛、地方料理への偏愛、豆への偏愛。
今、ナポリ料理をしているのは、スタイルでもなければコンセプトでもありません。
僕の個人的な偏愛です。
 
一度ご賞味下さいませ。

 

サルシッチャ(自家製ソーセージ)好き

 イタリア語でソーセージをサルシッチャと言います。
鮨、サンドイッチ、唐揚げ、卵焼き、ソーセージ。
この共通点はなんでしょう???

答えは、お腹が空いていなくてもあれば食べてしまう食べ物ベスト5です。(杉原調べ)
え?僕だけですか???

それにしてもソーセージってなんか憎めないですよね。
どんな商品でも極端に裏切られる事もないですし、小さいころから大好きです。
遠足でも運動会でも、弁当にはいつも入っていたし、
大人になってビール飲む時も、バーベキューする時も、
初恋の思い出も、失恋した夜も、
ずっと近くにいてくれた。
なんか幼馴染みたいな存在です。

しかーし、イタリアのサルシッチャはそんな自己主張の少ない寄り添ってくれるような代物ではありません。
では、この前置きはなんだったんだ!という位、別物です。
チワワとドーベルマン位違います。

まず、練り物感が、ほぼありません。腸の中に、肉が詰まっているって感じです。
で、まースパイシーです。コショウだったり、フェンネルシードだったりしますが、異国の香りがします。
まずこれで白いご飯は食べれません。パンです。
そして、ちょっとおせっかい気味に塩が効いています。

この塩加減がサルシッチャの1番難しいとこですね。
イタリアで作ってた通りの塩加減で行くと、80%位の確率で塩辛いと言われます。
今はちょっと控えて作っていますが、塩気が物足らないと一気にサルシッチャ感が失われます。

20年くらい前、本物の生ハムは殆どの方にとって塩辛かった。ロースハムと比べるからですね。
日本は世界に誇る塩辛い食品が豊富な国です。
漬物も梅干しも、塩気がきつくて当たり前です。
それに見合った食べ方をする訳ですから、それ自体の塩分は議論になりません。

今は、生ハムを食べて塩辛いという方はいません。
生ハムの塩辛さに慣れたんではありません。生ハムの食べ方が分かったのです。

サルシッチャもそうです。パンなしでそんなに食べれる物でもありません。
お漬物がサラダでない様に、サルシッチャも肉のグリルではありません。

なんかサルシッチャをかばう様な内容になりましたが、
イタリア人にとっては幼いころから、パスタにも入っているし、
ピッツァにも乗ってるし、
パニーノにも入ってるし、
そのままでもそっちゅう食べるし、と
かなりのソウルフードな訳なんです。

出来るだけアレンジせず、作っていきます。

 

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何故か101匹ワンちゃんを思い出します。
101匹ワンちゃんのソーセージと、はじめ人間ギャートルズのマンモスの肉。
小さい頃は、大人になったら絶対食べてやると思っていたもんです。

 

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見えますかね、白い塊。通常サルシッチャには脂身もぎょーさん入れます。
しかーし、皆さん嫌がるので入れてません。これはモッツァレッラチーズ。
このチーズの水分で肉がパサらずしっとり焼けます。

 

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何故かサルシッチャを作るとテンションが上がります。

 

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焼けた図。
サルシッチャにはフリアリエッリ。
ナポリの必殺の組み合わせ。

 

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只今ディナーでは、サルシッチャとフリアリエッリのポレンタを前菜でお出ししています。
これはお皿に盛っていますが、基本的には木の板に盛ってお出しします。

 

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こちらは変わり種。
タコで作ったサルシッチャ。
かなり好評。
 
イカ、タコにコック人生の半分を捧げています。

 

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タコのサルシッチャ、焼いてる図。
仕上げはチコリアのオムレツを添えてお出ししています。

 

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はい、出来上がりの図。

 

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