芦屋のイタリア料理とイタリアワインのお店

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COLUMNコラム

秋の食材 パート3

ちょっと地味に見えるかもしれませんが、僕にとって秋冬の一番の香りはフリアリエッリ。
ナポリの青菜です。
 
有名な話ですが、北イタリアと南イタリアは仲が悪いです。(今はちょっとマシみたいですけど)
お互いをののしる言葉で、南の人は北部の人をポレントー二(ポレンタばっかり食ってる人、ポレンタ野郎ってとこですかね。
 
北部の人は南部の人をマカロニ野郎と呼びますが、実は一昔前はマカロニ野郎でなく、マンジャフォッリエ≪葉っぱ食い≫)と呼ばれていました。
 
 まーしかし、イタリア人は野菜をよく食べます。イタリアで働くまで想像もしていませんでした。
日本に長い事住んでいるイタリア人に、イタリア帰ったら何が食べたい?て聞くと、意外に野菜の事言う人が多いです。
それは、野菜が特別好きと言う訳でなく、肉、魚は日本にもそれなりの物がありますが、イタリアにしかない野菜ってけっこうありますからね。
 
今から、野菜が盛り上がる時期です。入荷次第ご紹介しますね。
 
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今年も始まりました。シルヴィオからフリアリエッリの第一弾。
胸がキュンとします。
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火を入れるとこんな感じです。
クタクタに見えますが、ちゃんと歯ごたえがあるのが特徴です。
美味しい苦みと鮮烈な香りが素晴らしい!
 
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フリアリエッリと言えばサルシッチャ。ナポリではソーセージとフリアリエッリは切っても切れない仲です。
サルシッチャだけでなく、色んな肉類とよく合いますが、やはり豚肉は特に相性が良いです。
 
久しぶりに仕入れました。イタリア産の皮つき乳飲み子豚。
僕のイタリア料理に対するあこがれの原点。
子豚は丸焼きに限ります。しかし通常営業では、なかなか丸焼きは難しいので、ポーションカットしながらも丸焼きに近い仕上がりを常に目指しています。
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こちらは山ウズラのロースト カセルタ風。
普通のウズラでも良くこの料理をしますが、やはり香りが違います。
ポーっとする香りですね。
 
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友情出演のマウリ。以前貸切パーティーで子豚の丸焼きをした時の写真を、お客様が下さいました。
中に肩ロースを詰めて焼くので、20人前位取れます。
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月に1回くらい、子豚の丸焼きデーでもしましょうか。

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プリティーな子豚のお尻。モモ肉にも詰め物をして、ハズレの部位なしの1品。

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イタリア菓子の中でもお気に入りの一つ、カンノ―リ。
自家製のリコッタで作っています。
アレンジなしの100%イタリアテイスト。震えます。

秋の食材 パート2 更にジビエ

 今年は無性にジビエに熱が入っております。またマニアックな方向に走りよってと、喜んでおられる方と、ちょっと不安な方と、だいぶ不安な懐具合。
まず、いっきに4種類もジビエを取りそろえかけて学んだ事。(本州鹿、山鳩、山ウズラ、雷鳥)
ジビエ料理は儲からない。一皿の値段はけっこうしますが、なんせ手間暇かかります。
それやったらイワシとかムール貝とかジャンジャン料理してる方が、儲かるかも知れません。

これでとどまらず、この後、エゾ鹿、イノシシ、キジをしようと思っています。
では、何故こんなに今年はジビエの風が吹いているのか?

実は、意外な事に魚料理に今後より力を入れようと思っているからです。
魚料理に力を入れることは、意外じゃないかもしれませんが、それがジビエ熱の原因とは意外でしょ?

ちょっと説明しますと、年々魚がより好きになってきています。以前はメインは肉を食べないと気が済みませんでしたが、今は半々くらいです。
僕は、イタリアで、それはそれは素晴らしい魚料理専門店で働きました。
そのお店は、今でこそ1品くらい肉料理がありますが、僕が働いていたころは子牛すらありませんでした。

ですので、賄いも魚ばっかり。若かったので本当に肉が恋しかった。
で、自分で店をしたら、魚料理にはもちろん力を入れますが、肉料理も頑張ろうと肉料理も色々やってきました。

特に、子豚、子羊、ウサギは南イタリアらしい肉なので色々作ってきました。
色々作ってきた上で、それぞれの肉に対し、2,3パターンのこれ!というものが見えてきて、逆にそれ以上の大きな発展が見えにくくなってきたような気がしています。

もっともっと焼の精度、塩加減の精度を高めるという目標は有りますが、結構好みの分かれる部分でもありまして、焼に関しては最近のフレンチを食べ慣れてる方からすると焼き過ぎに思えるかもしれませんし、塩もたまにきついと思う方もいるかもしれません。
 基本的に毎日イタリア料理を味見じゃなく食事として食べ、当り前のようにワインを飲んでいると自然に突き当たる焼き加減なり、塩加減です。

料理のバリエーションとして、食材の組み合わせとか、温度なんかの工夫も入れて、魚介類の方がやはり豊富です。
魚の方が優れているという事では無いですよ。
むしろ、肉の方がそれぞれ完成しています。ソースも付け合わせも装飾もないの前提でしたら
牛肉をダーンと焼いた物と、天然真鯛を上手に焼いた物、歓声が上がるのは牛肉でしょう。

むしろ魚料理は、シンプルに食べるのも良いですけど、突き抜けた料理に持っていくためには、なんらかの仕事が必要です。

僕の場合、ジビエを料理する時のアプローチと、魚介類を料理する時のアプローチは非常に似ています。
その魚ごとに出汁をとり、その魚だけの為の付け合わせを用意し、料理を組み立てます。

話が少し戻りますが、8月末に博多のアンティカ オステリア トトさんに行ってきました。
魚介だけでコース組んで下さい、でもってシチリア料理でとリクエストをしておまかせしました。

天才です。最初の1品めの伊勢海老の温かい前菜。目をつぶって食べるとホントに地中海が見えます。
この料理の見た目は、ある意味現代的と申しますか、レストラン料理です。しかし、食べると絶対にシチリア料理、もしくはシチリア人が作っていると確信出来ます。
そうです。本田シェフはシチリア料理を創るというステージに立ってらっしゃいます。

危うく働かせて下さいと言いかけましたが、本田シェフは恐いので止めときました。お客のままの方がベターです。
もちろん全品絶品でしたが、もう1品クスクスを出して下さいまして、これも場外ホームラン。
うん、肉無しでも俺は生きていける。そう確信しました。

前置きが長くなりましたが、ジビエって魚の対極の存在とも考えられるし、案外立ち位置にてるなーと。
だって、天然ですし。生息地や時期や食べてるもん、雄か雌化で料理法変えるの魚介か、ジビエですよ。

でもって、味や風味は鮮烈ですが、脂が無い分意外に料理が軽い。ある意味あっさりしてます。
ジビエが苦手な方、無理しなくて大丈夫です。
日本の天然魚は全部ジビエです。
ウロコまで食べるアマダイ、珍重される白子、カワハギの肝、当店はジビエの様に魚介類も1匹丸ごと余すところなく食べてもらえる工夫をしています。
今回は、ジビエのご案内ですが、魚も力入れてます!

 

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こちら山ウズラ。ジビエの中では比較的食べやすい白身のお肉です。
詰め物をしたカセルタ風ローストでご用意します。
 
ナポリ近郊にカセルタという町がありまして、モッツァレッラが有名なのと、後ベルサイユ宮殿よりでかい王宮があります。
 
昔、ナポリは王国で、シチリアまで含めた南イタリアが両シチリア王国と言う国でした。
ヨーロッパ有数の豊かさを誇っていまして、このカセルタの王宮も春と秋の狩猟用の別荘です。
 
南イタリアはあまりジビエ、特に鳥類のジビエのヴァリエーションが少ないのですが、カセルタにはいくつか鳥類のレシピがあります。

 

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脱毛後。
写真でも分かりますが、肉質は白いですね。でもって皮も厚くありません。つまり鳥脂も少ないです。
赤身よりむしろ、白身の方がほんの少し熟成した方が美味しい気がします。
でも、よく言われるようにお尻を匂って軽い腐敗臭。。。てのはよく分かりません。腐敗臭は腐敗臭でしょう。
ちょっとナッツぽい香りが出てきたら十分と思います。
ちなみに、熟成は羽がついたままします。
 
合わせるワインは、赤ならあまり重たい必要はないかもしれません。ガリオッポ種のブドウなんか良いかもしれません。
熟成したしっかり目の白ワインも面白いかもしれません。

 

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こちら山鳩です。
売り切れたら、戎神社に仕入れに行きます。

 

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山ウズラに比べ若干皮がしっかりしています。その下の肉質は赤いの分かりますか?
 
鳩類は、内臓も非常に美味しいです。食べにくい手羽先と、内臓でパテを作りパイ包み焼にします。
胸肉とモモ肉はそれぞれソテーして、ジャストの焼上がりを目指します。
 
ソースはカラブリアの唐辛子とサラミのペースト、ンドゥイアとチョコレートを使ったソースです。
 
こちらはしっかりした赤ワインと合わせて下さい。素晴らしいです。

 

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こちらは雷鳥。日本のは天然記念物ですので食べたらだめです。
 
標高の高い所に住んでいまして、非常に警戒心の強い鳥だそうです。
天敵がいない、雷の日に活動するから雷鳥の名がついたそう。
落雷にも気をつけてほしい所です。

 

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こちらも肉は真っ赤です。山鳩より皮が薄いのでより黒く見えます。
鳥類のジビエの中では最も個性が強烈です。
 
標高の高いとこに住んでいまして、食べモンが、針葉植物くらいしか有りません。ですので雷鳥は非常に針葉樹の香りがします。
 
合わせるワインは、華やかでエレガントなワインを是非。熟成したアリアニコ、バルバレスこ、あとサルでーニアにもお勧めがあります。

 

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雷鳥が最後に食べた食事。見えますかね、つぼみの下に見える葉っぱ。
かなり香りの強い植物でした。

 

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料理の出来上がり写真です。ナポリ風のキャベツと米の煮込みを添え、自家製のソーセージと雷鳥でとったフォンでソースを作ります。
仕上げに雷鳥の内臓のペーストを少し加えます。
 
確かに強烈な個性ですが、完全に癖になります。

 

秋の食材 パート1

秋です。食欲の秋です。これ以上食欲増える必要は、個人的には有りませんが。

実りの秋です。農作物もですが、キノコ、ジビエなどの山里の天然物を触る機会が増えます。

順番にご紹介して行きましょう。

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 ワタリガニ。瀬戸内で蟹と言えば、ワタリです。300-400gくらいのものが良く出回りますが、当店は700gアップの物を仕入れます。
このワタリ蟹で、パッケリ(パスタ)を作ります。
ワタリ蟹のパスタは、殻ごと蟹が入っていて食べにくい事が多いでしょう?
当店は、全部身をほぐします。
この大きさのワタリ蟹になると、身もかなりしっかりしています。ですので身がフレーク状になりません。
身をほぐした後、ソースに加えてもソースを吸いすぎず、身の味が楽しめます。  
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箱入り娘。このサイズだと、丁寧に酸素のボンベ付で生きたままきます。

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トロペア産赤玉ねぎ。カラブリア州の名産の赤玉ねぎ。火を入れて使う事もありますが、特筆すべきは生食。
香りは有りますが、玉ねぎ臭くありません。水にさらさず使えます。
 
たかが玉ねぎ、そこらへんの玉葱使うか、基本食材だからこそ最上の物を使うか。
地方料理をする場合結果は明確です。
 
奥のビンは、自家製の唐辛子のオイル漬け。カラブリアの生の唐辛子です。さわやかな香りと線の細い辛味が、魚介類と最高に合います。

 

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写真がしょぼいのでサーモンに見えますが、芭蕉カジキです。32キロの大物!
これで4キロ分です。
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カジキの、どアップ。見て下さい。もはや肉です。生でも焼いてもすごく美味しい!

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キノコの王様ポルチーニ。
リゾットと、前菜でスープ仕立てにしたものに、穴子、じゃがいのもガットーを合わせています。

 

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トランペット茸。本当にラッパの形をしています。
火を入れると真っ黒になって、視覚的にもインパクト大!
大好きなキノコです。
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これもヨーロッパの天然キノコ。アンズ茸の仲間。
これも思いっきり強火てさっとソテーするとスンごい美味しい。シカに使っていきます。
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プーリア州の名産カルドンチェッリ。味は比較的あっさりしてますが、焼き色をしっかり付けて食べるとこれまた美味しい。
万能の付け合わせになります。

 

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鳥類のジビエを3種類注文したのに、入荷が少なくて来たのがライチョウ。しかも1羽。。。
これは、試作という名目で、僕が次の休みに食べます。来週からジビエも増えそう。お楽しみに!
あ、トリュフの写真忘れた。又今度載せます。

 

ESTATE 2011

 ちょっと暑さもましですね。秋はすぐそこで順番待ちしてます。
お決まりの台風も接近中で、週末の仕入れが大変ですがなんとかなりそうです。
 
 杉原家の一人娘の夏休みの宿題も無事に終わったようです。
僕は学生時代、夏休みの宿題が終わった事が一度もありません。娘の絵日記に触発されましたので、学生時代の罪滅ぼしに、この夏の思い出を絵日記風に大公開しましょう。
 
 まず、8月初旬、持病のLA GOTTA が再発。主食がプリン体で、おやつがカラスミ、お茶がビールな罪と罰。
約2週間びっこを引きながらの苦行でした。あまりお客様に挨拶できず、スミマセンでした。
 
 夏の間は、ほぼ毎週釣りに行くのですが残念ながらそれもお預け。
 
お盆をずらして頂いた当店の夏季休暇。10年来の親友のダ ルーポの森さん一家と二泊3日の滋賀県旅行に行きました。
 
1泊目は、キャンプです。実はキャンプはこの夏2度目。
一体森家と何回、キャンプ、バーべキューをしたでしょう?
 
キャンプ場に着いて、車を止めて2分後にはコロナビールを飲んでいました。
プリン体にも中毒性があるのでしょうか?まだ足痛いのに。。。
 
しかし、当店の常連さんになんと同じ持病をお持ちの方が多い事か!!!
そう言えば、この方たちは僕が少しずつ太って行くたびに、目を細めて(シェフ、また一段と美味しそうになってきたね)と褒めて下さっていました。
その笑顔は、昔お世話になった養豚場のご主人が、豚を愛でている表情と同じな気がしてきました。
そんなこんなで、ダイエットを決意する 2011夏です。
 
さて、1日目のキャンプ。昔はイタリア料理一辺倒でしたが、最近はプチキジ鍋したり、タイ料理したりと変化球もありであきません。
今回はイタリア料理半分、エスニック半分。ガットーディパターテ、アサリのソテー、ポルペッタ、生春巻、鳥のアーモンドソースなど。
翌日のお昼もバーベキュー。
サンマの塩焼きとご飯、ナスのパルミジャーナと子牛のタリアータという日伊異文化交流。
ロゼスプマンテが全ての仲を取り持つ。んーサンマとロゼスプマンテ!!!
 
2日目のディナーは、この旅行のメインイベント、徳山鮓さんです。
琵琶湖の北側にある、余呉湖の産物(鮎、マス、ウナギ等)や山の幸(熊肉、山菜等)を駆使した日本の郷土料理でもてなして下さいます。
そして、ここの真骨頂は鮒鮓などの馴鮓です。
 
イタリアでもこんな感じのお店ばっかり巡っています。日本もまだまだ新しい発見もあります。
ここ数年、国内旅行はちょっとテーマを決めて地方の郷土料理を食べに行きます。
そこの料理自体を参考にするのではなく、土地と店の繋がりを感じに行くんです。
 
 ここ、徳山鮓さんは、超有名店。初めて伺いましたが、今まで行った中で一番土地とのつながりを感じました。
共存共栄。
純和食ですが、ある意味ものすごくイタリア的でもありました。(思想、スタイルの面です。)
 
 
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名店は、入口からして違います。

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余呉湖が目前に広がります。海と違い、音を発せず、むしろ全ての雑音を吸い込んでいるような静寂。

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一度に受け付けるお客様の数も少なく、手厚いもてなしです。
冬も風情がありそう。
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1度しか行かなかった釣り。釣った魚は必ず食べます。
アクアパッツァにして、ソースはパスタに、魚はメインに。
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僕は小学校3年の時、コックになろうと決めました。
不思議な物で、小3の娘も最近コックになろうと思ったらしく、修行開始です。
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仕掛け代、交通費、エサ代を考えると買った方が安い!!!な釣果。
でも、釣った魚を料理して食べる。これが僕の生き甲斐で、調理師の原点です。
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8月最終の週に、九州のシルビオの畑に行ってきました。
畑は、秋冬の準備です。
これはフリアリエッリの苗。
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こちらはスカローラ。待ちきれません!

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見た目全く一緒ですが、左右どちらかがアーティチョーク、どっちかがカルド。
この時点では全く分かりません。
なんか、みょーに納得しました。
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色付かけてるナポリのパプリカ。
香りが鮮烈で、甘さがくどくありません。
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カラブリアの甘トウガラシ。種は甘くありません。悶絶しました。

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ナポリ料理には欠かせないパパッチェッリ。そのまま食べず、酢漬けにします。

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素晴らしい香りのバジリコナポレターノ。最近九州で大雨が続いたそうで、結構やられたとの事。
もったいない!
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エンダイブ。スカローラリッチヤは、寒くなる前にも取れるみたい。早速頂きます。

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へー、こんなんなんや。ラディッキオです。

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もうしばらくナスとの格闘が続きそう。しかし、シルビオが作ってくれたナスのパルミジャーナ旨かったなー。

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カラブリアの唐辛子。ぎょーさんきました。畑を見て回ったあと、シルビオの家の前の海で海水浴をしました。
その後、アンティカ オステリア トトさんの本田シェフもいらっしゃって③家族でバーベキュー。
 
本田シェフが即興で作って下さった、カツオのタルタル旨かった―!
帰ってパクリましょう。ちょっとこれも使って。。。
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あの写真のパプリカちゃんが真っ赤になって当店に到着。

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今シーズン最後と言われたトマト。あんなにトマトまみれな夏だったのに急に寂しくなります。

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もうあなたなしじゃ生きていけない。って気分になって、トマトをビン詰めにしました。こうすると1年中、夏の香りのトマトが使えます。
一粒ずつ心の中でバーチョしながら、ビン詰めしました。
 
僕の夏も終わり。ジラソーレもボチボチ秋の準備を始めます。
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シルビオ家からの夕日。アー良い連休になりました。シルビオ夫妻、本田シェフ夫妻、ガミちゃんお世話になりました。
関西にも遊びに来て下さい!
 
P.S この旅行中、トトさんで食事を頂きました。あまりにも素晴らしかったので、次回のコラムで詳しく書きます。

MELANZANE AL CIOCCOLATO

 毎年、お盆の頃にお出しするデザート、MELANZANE AL CIOCCOLATO(ナスのチョコレート風味)。
 
織田祐二の映画(アマルフィー)の近くのミノ―リという小さな町が、本家みたいです。
毎年8月には、SAGRA DI MELANZANE AL CIOCCOLATO(ナスのチョコレート風味祭り)があります。
 
ナスにチョコレート?と奇抜な組み合わせの様ですが、実際に食べるとものすごく王道な美味しさです。
 
粉や卵で作るスポンジの代わりに、茄子を使ってチョコレートケーキを作ってるようなもんです。
 
意外や意外、すごくエレガントで、茄子と言われなかったら分からないくらい。
では、茄子を使う意味が無いのでは?
そう考えるのも当然です。
でもこれは、奇抜なアイデアからナスで、デザート作ったろーとなったのではなく、夏のナスが旬の時期、恐ろしい量のナスが取れ、なんとか飽きずにナスを食べるための工夫なんです。
ですから、ナスは感じない方がいい。多分、前菜でも、プリモでも使っていたでしょから。
お客さんによく、あまりにも自然な感じで、茄子を殆ど感じないけど特殊なナス?と聞かれます。
いえ、茄子らしくなくて良いので、出来るだけ普通のナス、そこらのナスを使います。
 
以前の僕なら、灰汁の無い水ナスとか試してみる所ですが、前号の続きになりますが、必然性とはこんなもんです。
より美味しい、個性のあるナスは、その個性を楽しめばいい。
 
前回は、文章ばっかりだったので、後は写真をお楽しみください。
 
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真っ青なチェラミカの皿に、綺麗に映えます。
こちらが、茄子のチョコレート風味です。
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こんな感じでケーキみたいに大きく作ります。
作ってから3日目位からが美味しい。

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 地方料理には、クチーナ ポーヴェラ(貧しい料理)と呼ばれるジャンルがあります。
貧しいと呼ばれますが、実はこれこそイタリア料理の神髄が詰まった、心が豊かになる料理です。
これはクチーナポーヴェラの傑作、じゃがいもとミックスパスタの煮込み(pasta e patate)
しかし、美味しく作るのは結構難しいです。
 
以前、イタリアワインの巨匠、アンジェロ ガヤと食事をした事があります。(自慢です)
ものすごく気さくで、色んな話をして下さいましたし、色んな質問をされました。
その中で印象的だったのが、アンジェロ ガヤはこのナポリのパスタ エ パターテがえらくお気に入りの様で、パスタ エ パターテを連呼してました。
おそらく、世界中のトップレストランで豪華な食事をした事があるでしょうに、こんな庶民的なモン食べるやと意外でした。
そして、その時出てきていた料理のサマートリュフを全部よけて残していました。
多分、安い、高いでなくホンマモンが好きなんでしょう。
 
涼しくなったら、ランチでします。
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これは、上のカボチャヴァージョン。
こういう料理を、ナポリではミネストラといいます。スープのカテゴリーです。
でも、実際はスープっ気がそんなにある訳でなく、パスタで作ったリゾットみたいな感じです。
イモ、カボチャの他、白インゲン豆、レンズ豆、エンドウ豆、そら豆、ヒヨコ豆、カリフラワー等など。
非常によく食べます。
 
蛇足ですが、イタリアでは、パスタ、リゾットは、深みのあるスープ皿には盛りません。平たい皿です。
そして、平たい皿の時は、スプーンを使いません。
 
逆に、深い皿で出てきたら、あまり汁気が無く見えてもスプーンで食べます。
 
こちらは、汁気はそんなにありませんが、深皿に盛ります。
ですので、スプーンで食べます。
 
面白い事に、色んなパスタが混ざっています。
これは、ちょっと余ったスパゲッティ、ちょっと余ったマカロニ。。。というようになんでも良いんです。
少々のゆで時間の違いも気にしません。混ぜて使います。
でも、そうする事によって、ちょっと柔らかくなってスープをよく吸ったものや、しっかりアルデンテなものが入り混じり、食べ飽きません。
素晴らしい工夫です。
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こちらも、茄子料理の名品。パルミジャーナ ディ メランザーネ。南イタリアでは、パルミジャーナと言う料理名で、色んなヴァージョンがあります。
ナス、ズッキーニ、アーティチョーク。。。
 
ナスは、味がニュートラルかつ、旨味があるのでかなりの料理のヴァリエーションがあります。
しかも収穫量がえげつない。
ですから、意外にナス料理は、ナス単体の物が多い気がします。
 
 こちらは、オーヴン料理ですが、まず出来たての熱々を食べることはありません。常温です。
昔のイタリア料理の本は、食べる温度の指定が、細かく書かれていました。
 
イタリア人は、あまり熱々の物を食べません。
誤解を招く表現ですが、あったかい位で食べます。
味も一番よく分かる温度ですし、何よりイタリアで料理をすすって食べるのは、かなりのNG.
熱いと、食べれないんです。
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大人気のお惣菜、ピッツァ パリジーナ。パリ風ピッツァという名のピザパイです。
ナポリは、ピッツァも有名ですが、ピッツァだけでなくストリートフードがものすごく発達しています。
 
ビシッとスーツを着ているビジネスマン風のシニョーレでも、街角でこんなファストフードを買い食いしています。
あと、アランチーニ(ライスコロッケ)パニーノ、切り売りピッツァ、揚げもの各種。。。
修行中はお金もあまり無く、大変お世話になりました。
平たく言えばジャンクフードですが、かなり文化的で魅力的です。
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なんか分かりますか?料理の写真は難しい。。。
子羊の頭のオーヴン焼です。
 
ゲテモノ扱いされがちですが、まー美味しい。ホホ肉の所なんて、なんじゃこりゃーと松田勇作になりそうです。
 
90-100分オーヴンで焼ます。
カラッとした煮込みのイメージで。。。
 

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