芦屋のイタリア料理とイタリアワインのお店

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COLUMNコラム

定番は強い

 すみません、ちょっとご無沙汰してました。
今年の五月位から、ちょっとスランプですね。なんか書けない。
 
コックやのに、ホームページのコラムを書くのにすらスランプを感じるのが僕らしいですね。
 
でも、あまり深刻なスランプではありません。
何で書けなかったかと言うと、今年の5月位からかなり色んな事を考えていて、妄想はいつもしていますが、今回は頭の中にある考えを整理して現時点での答えを出していこうと、長年悶々と考えていた事を具体化しようと思っています。
 
そういった自問自答している時は、あまり皆様にこれってこうです!みたいなメッセージを発信しにくく、コラムの更新が滞ったしだいです。
 
どんな事考えてるかと言いますと、具体的に書き出したらキリがありませんがジラソーレも10周年を迎えました。
この10年潰れないよう、必死に世の中に受け入れられる努力と、料理人としての自己表現の狭間で戦って来ました。
 
この努力は一生続くと思います。
でも、10年続けた世の中に受け入れられる努力の何割かを、もう少し自己表現に回したい。
どう落とし込んでいくか?
 
まだまだ答えは出切っていませんが、少しずつ形にしていきます。
 
こんなに悩んでいる時でも僕には力強い味方がいます。
スタッフとウチの定番料理。
恥ずかしがらず、スぺシャリテと呼びましょう。
偉そうな事をいいますが、僕は沢山の定番料理(スぺシャリテ)を季節ごとに持っています。
メニューをほぼ毎月変えますが、去年の今頃と8割は、同じ料理です。
常に、新作を考え、試作もしてますがメニュー数の枠は決まっています。
定番を超えるものでないと、新作は載せません。
 
一方、定番料理は10年、15年作っているものも多い。更に進化しつずけます。
定番と言えど、常に色んな事を試して更に美味しくなるはずと、工夫を重ねます。
 
例えば、ナポリ料理の定番中の定番、ナスのパルミジャーナ。
揚げたナスと、モッツァレラ、トマトソースを重ねてオーヴンで焼くだけですが、色んな工程を見直して作るとここまで美味しくなるのか!と幸せになります。
 
どんな料理も掘り下げて作り続けると、ホントに素晴らしくなります。
世の中、モダンな料理が最盛期を迎えてます。
見た事もないプレゼンテーション、食べた事もない組み合わせ、それに挑み続ける料理人人生もかっこいいですが、僕はそっち派では無かったようです。
 
好きな歌手のコンサート行っても、盛りあがるの代表曲でしょ?
新曲が続くと疲れます。
 
そういえば、僕は料理と音楽って似てると思います。
演奏と調理。
楽譜とレシピ。
ある程度、それに従って進めて行きますが、ピアニッシモ、フォルティッシモが数値化できないように、料理も数値化できない部分が多いです。
そこに個性がでます。
 
演奏技術があるかないかと、その曲を理解して演奏するか。もっと言うとその曲が弾ける様になったかと演奏できるかのちがいと言いますか。
 
アサリのスパゲッティって、無茶苦茶難しいですよ。100点の作るの。僕も10回に4回位。
毎回、アサリの味の出方が全然ちがいますからね。ソースができたら即パスタと和える。
待ち時間でアサリが縮みますから。
修正できない一発勝負。
 
でも、何品かはこの料理って僕の為に考え出されたなって思う位、完成度が上がってきました。
 
これからも演奏家で行こうと思います。
 
 
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今の所、完成形と思っているナスのパルミジャーナ。
残念ながら写真ではあまり何も伝わりませんが、美味しいです。
 
ずーと食べていたい衝動にかられます。
 
ナポリでも、人によって結構微妙に作り方が違うこの料理、色々試しました。
ナスの揚げ方一つ、ソースの煮詰め具合一つでかなり変わります。
 
色んな段階を試したお陰で、色んな事が分かりました。
 
実はどれが正しいという事ではありません。
ナスは、品種によって油の吸い方が違います。
当然、トマトソースを作る時の脂の量を調節する事になります。
 
真夏の暑い時と、ちょっと涼しくなった今では、トマトソースの煮詰め方も変えます。
 
そうです。
定番料理を作りつずけると言う事は、同じことの繰り返しではなく微調節の繰り返しなんです。
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すごくわかりやすい例え。
 
ナスとトマトソースとモッツァレッラを重ねてオーヴンで焼くこの料理。
 
なんか、日本人的には最後にモッツァレッラ載せて焼きたくなります。
 
それがこの写真。
 
こちらの方が美味しそうに見えるかも知れません。
でも、間違いです。
してはいけないアレンジの一つ。
 
ナスのパルミジャーナは、常温か、少し温かいくらいの温度で食べます。
間違ってもオーヴンから出たての熱々は食べません。
ラザニアもそうです。
 
日本人は、あっつい物と冷たーい物を好みますが、イタリア人は熱すぎる物、冷たすぎる物は食べません。
大体体温のプラスマイナス30度の範囲。
これが、食べ物を美味しく食べる温度帯だそうです。
 
ちなみにレストランで出てくるパンも、イタリアで焼き立ての熱いのが出てくる事はありません。
もし出てきたら古いパンです。焼き立てでなく、焼き直しですからね。温かいパンと言うのは。
 
この上に乗ったモッツァレラ、この料理の中でダントツ、オーヴンの中で高温に長時間さらされます。
 
完全に油脂分も抜けてしまって、パサパサのカピカピです。
オーヴンから出したてならまだしも、休ませると只のゴムです。
 
なら、もっと熱いうちに食べたら良いと思われるかも知れませんが、ナスのあのニュートラルな美味しさは熱すぎると只の凶器です。
口の中がずるむけになるだけで味は分かりません。
 
最上段はトマトで終わる。
鉄の掟です。
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長年作ってるワタリガニのパッケリ。
これはこれで、完成形を見てるとは思います。
 
大体パッケリというパスタ自体、目的意識の非常に強いパスタです。
むっちゃ大きいマカロニ、遊びで作った訳では無さそう。
 
パッケリは基本、一個を一口で食べるものだと思っています。
大きいですよ。女性には難しいかもしれません。
でも、一口で食べた時にこの大きさ、フォルムの理由が発揮されます。
 
小さく切って食べたら全く別物になってしまうんです。
 
でもお客さんに一口で食べて下さいとは、強要できません。
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それなら自分で、日本のお客さんでも一口で一個食べれるパッケリを作ろうと、手打ちを始めました。。
 
うん、美味しい。基本的に100点です。
 
でも一つだけ納得できない点が。。。
 
これも、セモリナで作ってますのですごくモチモチです。
 
でもパッケリの、あのちょっとおせっかいな感じが無い。
日本人用にカスタマイズしたので成功なんですが、パッケリとはおせっかいな物であるという定義から外れました。
 
品数の多いコースに組み込む場合は完璧だと思います。
少量で色んな表現ができますので。
 
手打ちでなんかおせっかい感を出したいなー。。。
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ツルン、モチッ、ニュルン、モチモチ。
 
パッケリの完成系を追い続けて、意外にも違うパスタにたどり着きました。
 
ストラッシナーティ。
 
この不規則な形が、パッケリを一個一口で食べて口の中で暴れながらほどけて行くのに似ています。
 
かなり気に入ったので、今季はストラッシナーティで行きます。
 
ストラッシナーティですけど、パッケリです。パッケリの美味しさを掘り下げると、パッケリという事にすら執着しなくなります。
 
誰の言葉か忘れましたが、
花の美しさというものは無い、只美しい花があるだけ。
 
これは、何かに執着し続けた人がたどり着く言葉かも知れません。
 
これの英語版は
イッツ オンリー ロックンロール 
ローリング ストーンズ
 
執着の先の悟りですね。
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これも、ジラソーレオープン時から作っています。
トリッパのポルペッタ(ミートボール)。
 
トリッパの煮込みにナスとサラミを加え、煮凝らし、パン粉を付けてローストします。
 
茹で卵とグリーンソースで召し上がって頂きます。
 
ワインのお共に本当に美味しいですよ。
中の煮込みのトロッとしたのと、周りのカリッとした所のコントラストがポイントです。
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中はこんな感じ。。

夏の食材

 いきなりですが皆様、恋をしてますか?

節電もしないといけないし、セレブなバカンスをするお金も時間もない。
あっついなーとボヤキながら、ビール飲んでオリンピックをみる。
人生でおそらく100回味わえない夏の内の1回、今年の夏をそんな風に終わらせるのは、もったいない!

さあ、外にでて恋をしましょう!もう恋してる人は、今日がアタック日和。振られたら僕がスプマンテ1杯おごります。
既婚の方は、甲斐性の範囲で!もちろんご夫婦で、ちょっとおしゃれして出掛けましょう!
朝起きたらチューブを聴きましょう!サザンでもいいです。
テンション上げて行きましょー!!

そして愛する人と、ジラソーレでイタリア料理を食べましょう!
ちょっとイタリア旅行した気分に、必ずなれます。

mangiare cantare amore.
食べて、歌って、恋をして。

さあ、夏です!貪欲に人生を楽しみましょう!

 

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 会いたかったー会いたかった―イエイ!
オープン以来探してた、赤身で美味しい牛肉。
黒毛和牛のサシは飽きました。たまには良いけど、一口でいい。
こいつは旨いですよ!
400g以上のカットからですが、今の所全て完食して頂いています。
 
一番の仕事は熟成の見極め。
屠さつ日や、実際の農家の情報を肉屋さんから聞きながら、熟成をコントロールします。
是非一度お試しください。

 

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当店で、一番個人的に力を入れて行きたいのが子羊。
ヨーロッパ産の乳飲み子羊がコンスタントに入るようになり、この2,3年固定していましたがこの子羊はどうしても試してみたて取りました。
 
ソルトブッシュラムと言います。
その名の通り、海辺の塩気を含んだ草を食べて育つ羊で、フランスの有名なプレサレという子羊の名産地と、環境が非常に似ています。
塩気を含んだ草が何故いいかというと、普通の草を食べる羊より水を飲む量が多いらしいです。
それにより新新代謝が活発になり、子羊特有の香りがしないそうです。
 
あと、この時期は南半球の方がいいですね。イタリアでは7月から子羊を食べる事は無いです。
夏の間はこの子羊も活躍しそうです!

 

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イカ、タコ大好き!得意です。
毎回楽しみにして下さってる方も多いですね。有難うございます。
 
この時期ならではの小タコ。
土鍋で煮込んでお出し致します。
 
大好評頂いております。

 

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夏の魚と言えばハモ。
和食では300-400gくらいのを使うと思いますが、当店では1.5Kg以上の特大を使います。
そのハモは骨切りをせず、骨抜きをします。
 
身の厚い、切れ込みの入っていないハモ、すごい弾力ですよ。
 
それにしてもハモの一番素晴らしいのは出汁ですね。全く魚の匂いがしない。
上品で鮮烈で、でも旨味の濃い素晴らしいスープが取れます。
 
後数年掛るかも知れませんが、僕らしいハモ料理をずっと考えています。
もう少し時間を下さい。
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川津海老。生きてます!

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シャコ。生きてます!!!

 

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淡路島が世界に誇る、いや宇宙に誇る食材、赤ウニ。
 
そらプリン体くらいのデメリットはあるでしょ。値段と。じゃないと絶滅しますよ、取り過ぎて。
まあ、自然の偉大さですね。素晴らしいの一言。
 
これを容赦なくパスタにします。一船で大体2人前です。
食べた方、大体悶絶してます。

 

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岡山県にルーラルカプリ農場という、ヤギ牧場があります。食肉用ではありません。
ヤギのミルクとヤギのフレッシュチーズ、ヨーグルトを作ってらっしゃいます。
 
ヤギのミルクは牛乳より軽いです。特にこの暑い時期、牛乳のチーズより、ヤギのチーズの方が料理に使いやすいです。
今は、フレッシュトマトと手打ちパスタを和える時、この山羊のフレッシュチーズを加えた物をご用意してます。
 
トマトの酸味と、チーズの自然な酸味が溶け合い、夏向きの非常にフレッシュな料理が出来ました。

 

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尼崎の島中さんが持ってきてくれる、ズッキーニの花。
これ、大変なんですよ。朝早くに収穫しないといけないし、一個一個中にテッシュ詰めて。。
頭が上がりません。
がんばって美味しく料理します!

 

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そしてサンマルツァーノ。イタリアのプチトマト系とサンマルツァーノと使い分けます。
缶製品でなく、フレッシュを使い分ける日が来るなんて!!!
 
今、イタリア全土の地方料理をリアルに再現できるのは、中部以南の料理かもしれません。
少し前まで、北イタリアのマニアックな商品が沢山入って来て、北イタリアの方が環境整ったかな?と思っていましたが、今は南イタリアの方がリアルを追求できる気がします。

 

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最近凝ってて、良くランチでお出しするピッツァフリッタ。
揚げピザです。
本当に美味しいです。1日一個食べたい。
 
お昼でも大人気です!
 

 

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割ったらこんな感じ。揚げてるけど超軽いです。

 

春から初夏へ

気持ちの良い春は、あっという間に終わり梅雨入りしましたね。
しばらくコラムを書く時間がありませんで、ほったらかしになりました。
 
春の料理をご紹介せず終わってしまったので事後報告アップです。 
 
今から、長い魚(穴子、ウナギ、太刀魚、ハモ等)、ナス、ズッキーニ、イタリア種の加熱用トマトが、旬を迎えます!
 
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 アスパラガス。スーパーで買うと無茶苦茶高いですね。2-3年前まであまり使いませんでした。
写真では伝わりにくいですが、これは島中さんの極太アスパラ。1回の注文2キロとかです。思いっきりアスパラに取り組める値段。良心的を超えています。
 
しかも、高くても買いたい程のクオリティー。
恵まれています。
 
アスパラもブイヨン的な旨味を足さない方が良い野菜だと思っています。
個性的だけど繊細。
アスパラの皮とオリーヴオイルでブイヨンを取っています。
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贅沢な使い方の例え。
アスパラのパルミジャ-ナ。
ナスやズッキーニが代表的ですが、アーティチョークやアスパラ、最近ではジャガイモで作った物も見かけます。
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去年からしてる料理で、今年は又レベルアップできたと思います。
アスパラと新玉ねぎの食べるオニオングラタンスープ。
柔らかい香りのスモークチーズを使っています。
 
レモンでマリネした海老のポルペッタ載せて高温で焼きます。
仕上げに海老の頭でとったソースをチョロッとかけてます。
 
評判良かった!
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今年は沢山取れました。シルヴィオのピゼッリ。
いわゆるグリーンピースですが、嫌いな方結構いらっしゃいますよね。

外食でお金払ってわざわざ嫌いな物食べなくていいと思いますが、逆にプロの技術で調理されたもので好きになる事もあるのではないでしょうか。

アレルギーやお体に触るものはダメですが、あまり好きじゃない位なら試してみて頂きたい。(死ぬほど嫌いな方は結構です)

肉、魚、野菜オールジャンルの中でも、最も得意な食材の一つです。

しかもこのイタリア種、日本のエンドウ豆の様に粉質感がありません。
チュルンとした食感で、甘さもくどくありません。

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そして極め付け。
イタリア種のそら豆!!!!!!

そら豆の旬は短いです。収穫期間1カ月位ですかね。
ずーと使いたいけど、また来年の楽しみ。
イタリア人のそら豆好きは、多分こんな愛で方をしてると思います。

イタリアでは、そら豆を生で食べる習慣があります。
特にローマは有名ですね。ペコリーノと一緒に食べます。

こんな情報はインターネットの普及でもうずいぶん前からありました。
しかし、信じられない位間違ったとらえ方をされています。

まず、日本のそら豆を同じように生で食べても、全く美味しくありません。
むしろ、食べれないと断言しても良いと思います。

しかも、それを日本で流通しているペコリーノ ロマーノと合わせる。
ちょっとした罰ゲームです。

硬く、青臭く、粉っぽいそら豆と、ちょー塩辛い羊のチーズを一緒に食べる。
そして、この経験で、生のそら豆を食べるイタリアの習慣を否定する、もしくはあまりのイタリア愛ゆえに、旨いという。

悲しくなります。

イタリアのそら豆は、全く粉っ気がありません。粒も小さく日本の半分以下。
イタリアでは、さやはもちろん食べませんが、中の皮は家庭では、むかない事が多いです。
めんどくさい3割、美味しいから7割位の理由です。

結構違うんです。そら豆自体が。。。

そしてペコリーノ。ローマのペコリーノと一般的なペコリーノロマーノは別物です。
一般的なペコリーノロマーノはローマ近郊とサルデーニア産が多いです。そしてこのロマーノはローマのではなく古代ローマの方です。
イタリアでは、ペコリーノよりロマーノという名称で呼ばれる事が多い気がします。
これは白い皮の物です。

ローマのペコリーノは皮がクロです。
生のそら豆と合わすのは、5月1日。若く柔らかいそら豆と、まだちょっと熟成の若い、ちょっとすりおろしにくい位のペコリーノの新物、これを一緒に食べるのが元々らしいです。


じゃあ、白いロマーノは、質が低いのかというとそうではありません。使い道が違うのです。
白い方は塩気も風味も強いので、パスタや肉料理の詰め物等にも使われます。
長時間加熱しても風味が残りますし。

もう一方は、日本での入手が難しいという値打はありますが、そのまま食べても美味しいし、もちろん調理にも使います。

ちょっと、関西の薄口醤油、濃い口醤油に似てますかね。
薄口と言いながら、塩分は薄口の方が濃いですね。
主に煮たき物に使います。
間違っても、刺身には使いませんし、焼魚等にもかけません。からいです。

外国人が、生のアマダイを刺身にして薄口醤油付けて食べて、SASHIMIは不味いと言われたら、気が悪いというより滑稽ですよね。

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かといって、生の方が美味しいという訳ではありません。
美味しさを数値化したら、加熱した方が美味しいでしょう。
 
それは刺身も同じです。
アマダイは特別水分が多いので、完全な生は食べませんが、刺身好きは日本人の嗜好です。
 
イタリアでも基本的には加熱して食べるものです。
写真でも分かりますね、このツルン、プリンとした感じ。
 
女性が何を見てもカワイーというのに時々、?と思いますが、このそら豆は僕的にチョー可愛いです。
携帯の待ち受け画面にしようかな。。。
 
話が長くなって申し訳ありませんが、最近生で食べれるアスパラとか、皮まで食べれるモモだとか、サシの入っている豚肉だとかそういう謳い文句を良く聞きますが、
どうなんでしょ?
生で食べたほうが美味しいアスパラ、皮が一番美味しいモモ、(豚のサシはどっちにしてもそんなに要りませんが)ならまだしも、
この、そら豆を生で食べる話と又ちょっと違う思うんですけど。
あ、思い出した。
あと、生でも食べれるトウモロコシ。
生でも食べられるのと、生の方が美味しいは、やはり違います。
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ヨーロッパ産の乳飲み子羊とピゼッリの煮込みカチョエウオ―ヴォ。
the春な料理です。
仕上げにチーズと卵を加えて卵とじみたいにします。
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パスタ エ ピゼッリ(パスタとエンドウ豆の煮込み)
完全無農薬のシルビオのピゼッリはさやも裏ごして加えます。
素晴らしい香り!
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写真映えしませんが、子羊のカチョエウオーヴァをパスタにしました。
フジッリチレンターニという手打ちパスタと合わせました。
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今年の新作
エンドウ豆のズッパにそら豆のピュレとアスパラのグリル、目玉焼き、温めた海老を添えてます。
春のもわっとした香りと優しい甘みが広がります。

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イタリア野菜で一番好きなのはアーティチョークです。
店の名前カルチョ―フィにしてもいい位。
 
期間は短いけど国産も素晴らしい出来栄えです。
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アーティチョークのスパゲッティ。
イタリア産だと高すぎて作れませんでした。
めっちゃ沢山カルチョ―フィ入れます。
 
しかし、見た目地味ですね。
でも食べたらのけぞります。
 
お客さん反応率100%でした。
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シルヴィオ自慢のズッキーニ
 
僕の自慢にもなりました。
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ズッキーニのスカペーチェ(南蛮漬)
 
また、こんな簡単な料理こそ本物を使わなダメです。
普通のズッキーニではこの味にならないんだなー。
 
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上のアーティチョークのスパゲティに勝るとも劣らない地味な写真。
ナポリ風ズッキーニのスパゲッティ。
 
ショートパスタをズッキーニと煮込むバージョンと、ズッキーニをフリットにしてから和えるこちらのバージョン。
どちらも美味しいですが、フリットの方はシルビオのズッキーニでしか作れません。
 
これも見た目に反して口の中ではすごいですよ。オーケストラみたいです。
 
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つまるところ、イタリア料理の魚料理はイワシに始まりイワシに終わると思っています。
 
僕の中で、ハモもフグもイワシも横並び。
永遠のテーマ食材の一つです。
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イワシのマリナーラ。
さっと火を入れたイワシのトマト煮。
 
シンプルでしみじみ美味しい。
オレガノの香りが暑気払いになります。
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イワシ料理の一つの答え、いわしのアマルフィターナ。
中にスモークチーズを詰めたフリットですが、チーズはとろっと、イワシはミディアムレアに仕上げると、へ?何???という位美味しいです。
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往年のスぺシャリテ、詰め物をしたアナゴのフリット アニス風味のキャベツ添え
下にひいてるアニス風味のキャベツを、皆さん創作料理的とおっしゃられますが、5世代続くナポリのトラットリアで学びました。
 
あまりに美味しいけど、このままでは日本では千切りキャベツと一緒にされると思い、色々試してアナゴのフリットにたどり着きました。
実はキャベツのサラダが主役なのです。だから春キャベツの時期にします。
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大人気タコぶつこと、茹で上げタコの温かいサラダ。
ルーコラが付いてるからサラダなのではありません。タコ単体でサラダです。
 
もうすぐ国産レモンが終わります。10月位までこの料理も無くなります。
タコ、レモン、オイル。
これだけだからこそ、なにか欠けるとダメなんです。
輸入のレモンなんかでは作れません。
 
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こちらも大人気、アワビと原木シイタケのリングイネ。
 
これは、見た目でもお金頂ける顔してますが、アーティチョークもズッキーニも引けを取りません。
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明石の昼網のゴマサバ。
 
死んでるけど生きてます。
全く魚の匂いがしません。
 
海の香りです。
兵庫県サイコー!!!
 
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活けサバのタリアータ スモークしたサバのブロードのジュレとコラトゥーラマヨネーズ
このゴマサバを塩で〆て、皮目だけ焼いています。
 
サバのアラをスモークして煮出したコンソメジュレを添えて、コラトゥーラで作ったマヨネーズソースで召し上がって頂きます。
 
モダンな仕立てですが、アマルフィーを表現してみました。
 
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柔らかい子牛とブッラ―タ、どんこしいたけのソテー サンマルツァーノとブッラ―タのソース
難しい食材の一つに子牛があります。
 
美味しすぎない美味しさというか、あっさりしてますよね。ウサギもそうですけど。
 
そのままあっさりした仕立ては、僕は好きですがレストラン的なインパクトも多少ないとどうも受けません。
 
今年始めたこの料理、子牛料理でダントツ評判良かった。
贅沢にもプーリアのブッラ―タを使っています。
 
ブッラ―タで閃きました。あっさりしてるっちゃあっさりしてる、何とも言えないコクと旨味と甘みも個性的。
まさに思い描いてる子牛像。
ってことで一緒に使ったらすごく良かった。うねるような相性の良さでした。
 
上に乗ってるだけでなく、ソースの中にも大量に入っています。
 

んー!たまらん!!

人間、好きな物に携わっている時は時間を忘れます。
そして我を忘れ、周りの事も気にならなくなります。
 
休息も大事ですが、好きな事に夢中になる。素敵な事です。
 
ただ、本人にとって素敵でも、周りにしてみればそうでも無いかもしれないので注意が必要です。
 
例えば、
・女性のショッピング。 ≪最初から最後まで、何の疑問、不満、不安を抱かない男性は悟りを開いてらっしゃる!≫
・僕のほぼ全ての飲み友達にとっての酒。 ≪そろそろ帰ろうか?という所からやたら長い≫
(特に、ルーポの森さん、イタショクの直さん、チーロの小谷さん。この3人には、帰巣本能が無い。あ、カサレッチョのファブリッツィオも負けてないなー)
・釣り ≪家族に白い目で見られています≫
・料理 ≪気が付くと18時間位働いている事が多い。≫
 
全て当事者以外、周りは大変ですね。
僕の場合、料理は職業ですので本人は良いんでしょうが、スタッフは堪らないかもしれません。
実際、続く人少ないですし。。。
 
でも逆に、仕事やと思うからしんどいんですね。遊びやと思えば、今日も18時間も料理して遊んだ、今日も18時間釣りして遊んだ、18時間ショッピングしたというと悲壮感はありません。
 
まあ、こうなるのが理想ですが、それでも12時間もすれば十分なのかも知れません。
 
前回は、僕のナポリ馬鹿っぷりを少し書きましたが(連載ものになります。食材や料理のネタに困れば続きを書きます。) 
それ以前に料理馬鹿です。
深夜2時頃帰宅して、リゾットが食べたくなったら、そっから家で出汁取るとこからリゾットだって作ります。
休みの日も外食か、僕が家で料理作ります。
趣味は釣りとBBQ.
トイレの中まで料理の本だらけ。
 
でも、自分でそんなに料理馬鹿という自覚があった訳ではありません。周りに言われて、あーそうなんやと思った次第なんですが、
それでも、自分で気付く時もあります。あー、なんて料理って楽しいんやろう!!!って。
 
よく、料理人の幸せはお客様に喜んで頂く事、といいます。
もちろん凄まじく大きな喜びかつ、やりがいです。
 
僕には、同じくらい大きな喜びがあります。
それは、これっ!!!という食材を触っている時です。
今は、パセリ一つ、セロリ一つまで、これっ!っていうのを使えるようになりました。
ホンマに幸せな事です。
逆に、これっ!ていうトマト、これっ!ていうセロリが無かったら無理に使わなくなりました。
 
常に良い食材で囲まれている毎日ですが、そこからさらにテンションを上げてくれる食材。
決して、フォアグラやトリュフみたいな高級食材ではありません。
一見身近な食材でも、触っててぞわっとするのがあります。
 
このぞわってするのがたまりません。
まだ、お客さんが来ていない仕込みの段階でこんなに充実しているんですから。
 
では、最近僕を興奮させたエキサイティングな食材をご紹介しましょう!
 
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ミミイカ。
イワシにしろ、ミミイカにしても市場評価が低すぎる。
安いのはありがたいですけど。。
 
日本の魚介類は、刺身にして旨いかどうかで価値が決まっている様な気がします。
 
料理しない方にとって、なんて事の無いこの写真。むしろ美しくは無いかもしれません。
が、しかーし!
 
こんな旨いもんありません。
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ミミイカクローズアップ!
頭の先から足の先まで精々3-5cm。
目とくちばし取って、あとは切らずに丸ごと使います。
 
茹でても良いけど、やっぱりフリット。
 
どうせならこれ食って太りたい食材リストの常に上位です。
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ミミイカのお父さん。
嘘です。
 
針イカです。
頭の先っちょに確かにそんなに鋭くありませんが、針状の突起物があります。
 
甲イカ系で一番高級なのは、アオリイカです。まさに刺身視点。
 
イタリア料理でいうと、甲イカ系は針イカがいい。
火を入れても硬くならない、出汁が良く出る、墨がたっぷり取れる等など。
 
アオリは火を入れると、硬くなる、出汁があまり出ない、生はねっとりして美味しい。
しかし、イタリア料理はオリーヴオイルでなんでもねっとりさせますので、そんなにねっとりしてくれなくていい。
ちょっと炙る事が多いですかね、アオリは。
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これこれ!!!
 
スルメイカの小さいの。
アホほど仰山来ましたが、喜々として自ら一箱掃除しました。
 
シェフになると、下ごしらえの下ごしらえは、したくなかったら誰かに押しつける事も出来ます。
でも、料理の精度を上げるには自ら下ごしらえするのが一番。
 
切りものなんかもそうです。
もちろん見習いの方たちに、先ずは教えて行く所ですが、切りもの、つまりはカッティングとは加熱の一工程だと思っています。
 
超低温から超高温まで、当店の厨房で実現可能な温度帯の中で、どんな食材をどう加熱するか。
 
このイカの柔らかさは尋常ではありません。これを狙いどうりのカッティングと加熱で美味しいイカのシコッとした食感の後、口の中で溶けるという食感が実現できます。
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結構小さいですよ。胴のとこで6-7cmくらい。

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イカをケースで買うと必ず小魚が混ざっています。
今回はキス。
 
こいつらは食べません。何故なら一度イカに食われているからです。
 
時々、イカの中に小魚が原型で入っています。
 
そのまま揚げたらどうなるんかなーと思いつつ、未だ試した事ありません。
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演歌のCDのジャケットではありません。
 
ホタルイカです。
生で食べる時は、必ず内臓を抜くようにとの注意書き。
 
しかし、生食文化ですね。
 
当店では生食ではお出ししてません。
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写真では見えませんが、一匹ずつ小部屋の様に分かれた容器に入っていて、しかもドリップが溜まらないように穴が開いています。
 
可愛いですが、何となく軍隊を思い起こさせる整然ぶりです。
 
只今、ホタルイカでスパゲッティをしています。
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全国的に有名になった瀬戸内の赤ウニ。旬は夏です。高いです。
でも本当に美味しいです。
 
こちらは黒ウニ。
同じくミョウバンを使っていないナチュラルでクリアな美味しさ。
こちらは潮の香りのパッケリにどさっと入れています。
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たかがアサリ、されどアサリ。

旬のアサリって何でこんなに旨いんでしょ。
身がぱっつんぱっつん。

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そしてこのムール貝。
この春最大のテンションアップアイテム。
 
普通、僕は国産のムール貝は殆ど使いません。臭いので。
 
ヨーロッパ産の活けのムール貝しか使わなかったんですが、これは凄い。
 
ポイントはというと、ムール貝って汚い海でも良く育ちます。
もっというと、ムール貝をバケツに入れ、濁った海水を入れとくと、一晩で水が綺麗になっています。
 
ムール貝は、海の水を綺麗にします。
 
で、その濁ってた濁りは?
ムール貝の中です。
 
国産の殻の大きいムール貝は、大体美味しくない事が多いような気がします。
 
このムール貝は牡蠣の養殖筏に着いたムール貝です。牡蠣の名産地の。
牡蠣の養殖業者さん的には、養殖筏に付くムール貝は、敵というか迷惑らしいのですが、
僕とすれば、牡蠣が終わったらムールが始まるって感じで、二毛作みたいなんは無理なんでしょうか?
 
まー、美味しい。
もう、ムールはこれ以外使いたくなくなりました。
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はー、これで白ワイン飲みたい。
この貝の汁とパン。絶句。
 
アサリも色んな可能性を秘めた食材です。
しかし、ナポリ風アサリのソテー。
これより純粋にアサリが美味しく食べれる料理は無いと断言しちゃいます。

何故イタリア料理?何故ナポリ?

 皆様ご存知の通り、僕はナポリをこよなく愛しています。
一番近い感覚は、熱烈な阪神ファン。勝っても負けても(うおー、うおー、うおうおー、はーんしーんタイガースー!フレッ、フレ、フレ、フレー!!!)

一体、今まで何回聞かれた事でしょう?なんでナポリなん?
日本だけではありません。イタリアを色々旅してまわっている時も、行く先々で仲良くなった人たちに、ナポリでコックをしてると言っても何でナポリなん?

ローマより北のイタリア人は、ナポリを良く思っていない人が結構います。
先入観以外の何物でもありません。
もっと言えば、ミラノを中心とした大都会の若者で、ナポリや南イタリアを馬鹿にする人のお爺さんは、案外ナポリ人だったりカラブリア出身だったり。
アイデンティティーも誇りも、あったもんじゃありません。

確かに、ナポリには沢山の問題がありますし、ネガティブな面もあります。
しかしそれを上回る魅力があります。
この魅力は、ナポリに行く前から知っていた訳ではありません。

むしろ、泣きたい位嫌な思いをしたり、思いっきり腹が立ったり、裏切られたり、ドロボーに入られたり、ゲイに追いかけられたりしながら、気付けば僕もナポリの一員だったとある日実感しました。

ナポリは、ナポリを愛する人を倍返しで愛してくれる街です。
ナポリで快適に、楽しく過ごすにはナポリ人にならなくてはいけません。
肌の色や、国籍ではありません。
小さい声でも、心の中でも良いから、song' e' Napule 俺はナポリ生まれとつぶやいた瞬間、全てが輝いて見えます。

そして、ナポリの最大の魅力は人々です。ナポリ人。はまると抜けられません。

今でもはっきり覚えています。ナポリでの生活1日目。

ナポリ中央駅について、下宿までタクシーに乗りました。
いきなり洗礼を受けました。
普通、タクシーって後部座席に座りますよね?
当然後ろに乗ろうとしたら、一人だったら前に乗りな!と気さくなお兄ちゃん。
今日は暑いなーと、素晴らしい笑顔で話しかけられ、飲みかけの缶のコカコーラを差し出されました。ちょっと飲むかって!?
4秒位の間で死ぬほど色んな事を考えました。
・病気は持っていないか。
・その前に、これは社交辞令でホンマに飲んだら失礼なのでは?
・いやいや、こんな親切な人に俺はなんて失礼な事考えてんねん!
・でも、睡眠薬とか入ってて気が付いたら全部取られる可能性もゼロじゃない。
・そうなったら、ここは外国。全部自己責任や!
・でも初日からこんなに疑ってかかって、友達できるんやろか?
・大体こいつゲイちゃうか?(完全に妄想が暴走してます)
・アカン、なんて失礼な事を。やっぱり一口だけ飲んでみようか?運だめし!
・いやいや、どう考えても普通ちゃうで!飲みさしのコーラやで。しかもぬるそう。
・ここは男らしく断ろう。なんて断る?
・コーラ嫌いやねん。
・別に否定せんでもええがな。
・ありがとう、でも今のど乾いてないねん。
・これや!大人なノーサンキュウ!

ah,
no grazie, non ho se....
結構です、有難う。今のど乾いて。。。
位なとこで、タクシーのお兄ちゃん一気に飲み干しました。
少なくとも睡眠薬は入っていなかったようです。

あっという間に下宿先に着き、タクシーの支払いをし下宿先のピンポンを押しました。
なかなか出てきません。
・僕が東洋人なの見て、部屋貸すの嫌になったんちゃうか?(完全に被害妄想)
・もしくは怪しい物売りと思われてるとか?
・ひょっとして僕が今日到着すんの忘れてるんちゃうか?
・そもそも下宿の手続き上手い事出来てなかったとか?
・ここはホンマに僕がお願いした住所なのか?
・。。。。
尾崎豊の歌みたいに自問自答する事、小1時間。
小心者故、1時間でピンポン3回くらいかな、押したの。

当時23才の僕の人生経験すべてを振り返った上での結論として、不在。
何回か心が折れそうになって、日本帰ろうかなと思った第一回目。

仕方ない。今日はホテルに泊まろうと決意。幸い下宿先の真横がホテルでしたのでその日はそこに泊まりました。

実際、明日また下宿先行ってみて誰もおらんかったらどうしよう?家賃も数カ月前払してるのに。

外国の一人ぼっちの寂しさをいきなり感じまくった夜でした。

・翌日、午前10時。
・一晩じゅう考えて考え抜いた訪問時間。
・朝早すぎず、かといってこれ以上遅いと昼食の準備なんかで忙しくなるかもしれない。
・もし僕が大家だったら、何時に来て欲しいか。
・まずは、相手の立場になって良く考えました。
・しかし。。。
・もし僕が大家だったら、到着の日に不在なんてマネはしない。
・僕を悲しませるような事はしない。
・僕を一人にはしない。

・僕は、僕が大好きだ。
・こんな僕をきっと大家さんも気に入ってくれる。
・さあ、勇気をだしてピンポン!って。

家賃払って住むのに、いつの間にか自分で里親の所に来た養子みないな気分になっていました。
アカン、アカン!ホテル一泊分損してるのはこっちの方や。最初が肝心。ガツンとかましてやる!
家賃も1日分かえせよって言ってやる!!!

ふてぶてしく、右手の中指でピンポンを押してやりましたよ。
ワイルドでしょ?

するとインターフォンから≪si? chi e'??≫はい?どなた?と返事が!!!!

会いたかった~会いたかった~イエイ!って歌は未だ存在していませんでしたが、嬉しいような、ホッとしたような、でも何で昨日おらんかってんというのが入り混じり、普通に下宿をお願いしていた日本から来たkazuyoshi sugiharaです。
と答えると(まだ、インターフォン越しです)
・Dove sei stato ieri?!"!!(昨日どこ行ってたんや!)
・Ti ho aspettato fino a notte!!!(夜遅くまでずっと待ってたんやぞ!!!)

なんか。。。怒ってはる?
ダメな日本人。何故か謝ってしまいました。

まあ、取りあえず上がって来いとのこと。
6階なのでエレベーターに乗ろうとしたら動かない。
エレベーターの中でごそごそしていると、6階から大家がなんか叫んでます。
多分壊れているから、階段で来いって言ってるんや。
重たいスーツケース抱えて6階まで上がると、
mamma mia,
sei salito a piedi??
えー、階段で歩いて来たんかいなー??
と又怒っています。
エレベータ―が動かなかったと伝えたら、このエレベーターは有料やから乗るだけ乗ってじっとしてたらこっちから呼び出してタダで上がれるのに―!とちょっとご立腹の様子。
知らんがな。

なんか、1泊分の家賃返せよと言えない空気のまま、なんか飲むかと聞かれ、全く遠慮なくヴィーノ下さいと言ってやりました。
全くリアクションもないまま、赤ワインを一本明けてくました。
お、ラクリマクリスティ―ロッソ!流石ナポリ!
一口頂くと、ぬるっ!マズッ!
何がさすがなんだか。。。
後で近所のスーパーで同じもの見かけましたが、日本円で300円しない位でした。
コーラとほぼ同じ値段。。。

無理やり3杯くらい流し込んで、反撃開始です。

僕  > 昨日のうちにここに来て、100回位ピンポン押したけど誰も出なかった!!(昔から大げさ野郎と言われてましたが、役に立ちました)
大家 > え!何時くらい?
僕  > 夕方の3時過ぎくらいかな?
大家 > その時間は、毎日必ず昼寝やわ。
僕 > 。。。
大家 > ところで中央駅からここまで何で来たん?
僕 > 大荷物やからタクシーで来ました。
大家 > えーマジ?なんぼ払った?
僕> 日本円で3000円くらいかなー
大家 > マンマミーア。お前もぼったくられてる。普通なら800円までや。ほんまイタリアのタクシーはアカンわ。
僕>。。。あのお兄ちゃん。。。せめてコーラ飲んどいたら良かった。

大丈夫かな。僕。  

続く

最近、僕の周りがこぞってイタリアに行っています。ルーポの森さん、アンティカ オステリア トトの本田さん、シルビオ。。えーなー!

春のこの時期思いっきりアーティチョークが食べれます。

ナポリは夏も良いです。
とある夏の思い出のお裾分けでもどうぞ。

 

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ここで働いていました。TORRE DEL SARACINO
サラセン人の塔という意味です。
 
海まで15メートルくらいですかね。
僕が働いていた時は、完全に魚介専門店でした。
生ハムすらなかった。
 
毎朝出勤すつと、まず海水を海に汲みに行く事から始めます。
 
ちなみに今ではイタリア全土で5本の指に入る名店です。
僕にとっては1番ですが。

 

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町の高台から、海を見るとこんな感じ。
真っ青でしょ!
 
働いている時は、仕事がハードすぎて景色どころじゃなかったけど、改めて良いとこやなーと感動します。

 

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で、この真っ青な海で海水浴。一緒に写ってるのは、シェフのジェンナーロと元ジラソーレマネージャーのマウリッツィオ。
海の中で、熱く料理談義。

 

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イタリアの夏のバカンスは、昼間は延々海水浴と日光浴。ディナーを食べてディスコ。
老若男女みんなです。
 
こんな時間まで延々海。
しかし綺麗な夕日。
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ちょっと寂しくなる時間。
童心にすっかり帰ります。
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綺麗な夕日を見ながら、ピッツァの差し入れを食べてます。
ちなみにこのデッキから直接海に入れるので、砂で汚れず快適です。
 
何故か革靴を履いていますが、決して石田純一のマネではございません。
このまま、さっと着替えてジェンナーロのとこのディナーです。これ、レストランのすぐ前なんです。

 

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この世の楽園。
神に祝福された食卓。

 

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有名なべスヴィオ火山。
ソレント側からのヴュー。
 

 

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スパッカナポリ。
大好きな通り。
酸いも甘いも全部ここで覚えたかな。

 

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プレビシード広場。
無茶苦茶広いし、綺麗。特に夜。
ロマンチックにライトアップされます。
最初の下宿先はこのすぐ近くでした。
 
今でもナポリに行く時は泊めてもらっています。

 

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ここが噂の下宿先で、彼が親愛なる大家さんカルロ。はや、15年の付き合いになりますね。
ウチの娘を孫の様に可愛がってくれています。
 

 

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