COLUMNコラム
シュエシュエでちょっと大人な時間、、、♪
朝晩すっかり涼しくなって、もう秋だなあ〜と感じる今日この頃。
どうもこんにちは!パティシエ藤本です!
今迄はジラソーレ、レストランはしっかりした皿盛りのデザート、
バールではショーケースの中のナポリの郷土菓子
をオススメしていたのですが、この度、バールでもレストランのデザートをお召し上がりいただけるようになりました〜!!!
始めてから数日経ちますが、なかなか好評です♪
チョコラティッシモ(大人なチョコレートパフェ)
もちろんカフェタイムにコーヒーと、でもいいけど私のオススメは
ちょっと遅めの時間、家に帰る前に甘口ワイン。
これ、かーなーり!オススメデス!
イケないことしてる気分になります!ムフフ
イートイン限定ですので、ご家族のお土産にはショーケースのケーキ、自分へのご褒美はこのデザートとワインなんかどうですか?
お待ちしておりまーす!!!
2016年 11月6日(日) FESTA DI VENDEMMIA!!! ジラソーレのワイン祭り
今年はイベントイヤーにするとほのめかしながら、スタッフの入れ替えが続きあまり実現出来ていませんでした。
色々悔しい思いもしましたが、何事も勉強。
やっと全部きっちり乗り越えれたと思います。
吹っ切れた僕は手がつけれませんよ笑!
しかも強烈なパートナーも参入しました。↑
これからのジラソーレは目が離せませんよ。
謙虚にそう思います。
そんな訳で最近仕事が楽しくて仕方ありません。
ずーっと冗談言いながら、歌いながら、怒鳴りながら、本気で料理できてます。
集中力が切れることもありません。
色んな目標や夢もたくさんありますが、僕が最も手に入れたかったものは今のジラソーレの空気感です。
あまりに絶好調なので、イベント開催です。
来る11月6日(日)
ジラソーレのワイン祭り! 子豚の丸焼きとビステッカとマグナムワインで乱痴気騒ぎ!
イタリアの祭りと言えばこれでしょ。
ブドウの収穫祭、ワインのお祭りはイタリア各地で盛大に行われます。
その中でも僕にとって思い出深いのが、ローマ近郊のマリーノの収穫祭。
小さな町ですが、世界中から観光客が集まります。
祭りの目玉は、町の真ん中にある噴水からワインが出てきて、皆に振舞われます。
そのタイミングで大きな豚の丸焼きが大人4,5人で担いで運ばれてきます。
この豚の丸焼きはパニーノとして売られます。
噴水からあふれ出す白ワイン(地域的にフラスカーティなどの白ワインの産地)は、ぬるくてお世辞にも美味しいワインではありませんでしたが、なかなか味わえない高揚感です。
今回のイベントは、きっちりこのお祭り特有の高揚感を皆様にお伝えしたいと思います。
高揚感って
こんな感じとか、
はたまたこんな感じとか、
こんなんも良いですね~効用ありそうです。
綺麗に紅葉してます。
タウラージのアリアニコです。
だんだん高揚違いになりましたが、いずれもテンションあがりますね。。。
はい、ではイベントの詳細です。
当日は、皆様には料理とワインでテンション上げて頂きます!
まず、10種類以上のアンティパストのブッフェ、ビステッカ、子豚の丸焼きをだーんと思いっきり召し上がって頂いて、〆にポモドーロのスパゲッティをお好きな量召し上がって頂きます。
(ひと口、少な目、普通、大盛、特盛、ギガ盛までOK。お代わり不可)
ドルチェはゴッドファーザーのテーマソーングを聞きながらカンノーロ!
一個だけ毒入り!(ご存知ですか?ゴッドファーザーパート3)
シャレにならない量のワサビ入れときます。
当たった方は会費5000円OFF!!!
こちらにウェルカムドリンク1杯(プロセッコ3リットル瓶でのサーヴィス)
今年のイタリアのワインのノヴェッロの振舞い酒1杯(イタリアのヌーボ)
カンノーロと一緒に楽しんで頂く甘口ワイン1杯
伝統的なナポリ式カフェ、クックマで入れるカフェ ナポレターノがセットで、
バールのスタンディング形式 ¥7000税込(キャッシュでのお支払いになります)
レストランの着席形式 ¥7500税込 +5%サーヴィス料でございます。
お飲み物の追加はバールはチケット制、レストランは通常のお会計形式です。
プロセッコは3リットル瓶でのサーヴィス。お代わりは300円!
スプマンテもマグナムで!
サンクトヴァレンティンのソーヴィニョンもマグナムで!
バンフィのブルネッロもマグナムで!
あと2種類くらいマグナム探して開けます!
それとマグナムではありませんが、気の利いた感じのシチリアのビオワインを赤白1種づつ。
ぜーんぶ鼻血出るくらいプリティな値付けをお約束いたします。
さらに今回は、生ハムを手動スライサーで切りたてでお出ししたり、子豚も客席でぶった切り、がさーっとお配りしようと思います。ビステッカも同様に。
あと、スプマンテのサーベラージュ係募集します。
上手くいったら会費2000円OFF!
失敗したらしっぺ5回が条件です。
エレガントでスマートで、皆が幸せになれる乱痴気騒ぎを目指します。
レストランのお席は要予約
バールはギュウギュウに詰め込ませて頂きますが、何となくのスペースの確保をしますので、同じくご予約下さいませ。
お客様も、スタッフも楽しめるイベントにしたいと思います。
是非是非ご参加くださいませー!
ランチ速報!
事後報告になってしまいましたが、ランチの3900円のコースのプリフィックススタイルをやめて、お任せコースにさせて頂きました。
理由は100個くらいありますが、クオリティ重視するとこの方法で頑張ろうと思った訳です。
といっても大きくは変わっていません。
・前菜3種の盛り合わせ
・本日のお魚料理
・本日のパスタ
・本日のお肉料理
・デザート
・パン。カフェ
の構成です。
ナポリ色の強いお任せコースで、パスポートなしでナポリにお連れします!をテーマに掘り下げていきます。
ジラソーレ色が強いのは6000円のお任せをご用意してます。
使い分けてくださいね!
ちなみに
ある日の3900円のコース
前菜盛り合わせ
サワラのタリアータ(炙りカルパッチョ)
ホタテ貝のソテーとろメインレタスのサラダ コリアンダー風味
リコッタチーズとルーコラを巻き込んだパルマの生ハム
本日のお魚料理
太刀魚のムニエル ニンニクとケイパーバターソース
パスタは画像なしです。。。が、明石前の魚介類の煮込みソースのスパゲッティペスカトーラ!!!
メインは極み豚骨付きロースの炭火焼き ナポリ品種のパプリカとヘーゼルナッツのソース
これにデザートに
栗のミルフィーユ(画像無しです。。。)
食後のお茶が付きます。
メニューは頻繁に変わります。
お苦手な食材はお連れ様にもお声がけしてお知らせくださいませ!
ムラトーリ社メーカーズディナーのご案内です
9月29日にイタリアのワインメーカー、ムラトーリ社が来日します。
それに伴い、当店でメーカーズディナーを開催いたします。
ムラトーリ社はイタリア国内に4つのワイナリーを所有してまして、今回はその中から3ワイナリー5種類のワインをご紹介いたします。
フランチャコルタのスプマンテ1種
カンパーニア州の白ワイン2種
トスカーナ州の赤2種です。
19:30よりレストランでお料理5品とデザートのコース料理とこちらのワイン5種のマリアージュを楽しんでいただきます。
それと、今年はあまりイベントをしていないので、バールで有料試飲会を同時開催します。
有料ですが、通常より大分お安くなっております。
この機会にぜひお試しくださいませ。
なお、ディナーのお申込みをしてくださったお客様は、バールで無料で試飲頂けます。(飲み放題ではありません。その後レストランでたっぷりお飲み頂きます。)
生産者からのワインの説明を受けながら、ガヤガヤ楽しんでください!
なお、レストランのディナーは要予約、バールの試飲もスペースに限りがありますのでご一報頂ければ助かります。
秋の気配を感じながら
珍しく写真からスタートです。
ジラリストの皆さまなら直ぐに分かりますね。
カヴァルカンティ風ウナギの煮込みソースのスパゲッティです。
僕が最も大切にしてる料理のひとつ。
運命的な出会いでした...
1997年に23歳でイタリアに料理修行に行きました。
コネもカネもない、居なくなっても誰も気づかないくらい弱い存在だったと思います。
でも自分の人生、本気で生きていましたよ。
どこでもいいから雇って欲しいとは一回も思わなかった。
カネもコネも無いくせに、どこで働いてやろうかくらいの上から目線で、ガイドブック見ながら星付きレストランや有名店に片っ端から食べに行っていました。
半年近く、かなり食べ歩きましたが、生意気にもここで働きたい!って思うお店に出会いませんでした。
もともとナポリ料理がしたくてナポリを選んだのでは無かったんです。
ホントにお金もコネも無かったので、物価の安い地域を選んだ、というのが正直なところです。
海があるのは絶対条件でしたが。
必死に貯めたお金も底が見え始めかなり焦ってきた頃、高級店に行くお金もないし、レストランガイドに小さく載ってる、地元民で賑わう5世代続く小さな店っていうのに行ってみようと思いました。
正直、この手の店はちょっと避けてました。
京都の5世代続く豆腐屋が、外人を雇うとは思えない理論です。
...確かに雇ってくれないかも知れませんが、そもそもまだここで働きたい!!というお店にも出会ってませんでした。
まあ、行ってみるか。
たまたまそのレストランに向かうとき、下宿先の大家さんに会って
「カズ、今日はどこ行くん?」
と聞かれたので、行先を告げると
「そこは有名やわ、確かに。でもそこで働けるようになるのは難しいと思うで~」
といつもは諦めるな!って応援してくれるのに、珍しく釘をさされました。
多分、手ぶらで日本に帰る言い訳を探し始めてたかも知れません。
心のどこかで。
レストランに向かうという、本来ならこんなにワクワクすることないくらい大好きなことのはずなのに、なんだか緊張して足取りも重かったのをよく覚えています。
レストランに着いてドアを開けようとしたら鍵が掛かっていました。
20:30オープンで20:30に予約したのですが、まだオープンしてないようです。
仕方なく、店の前から少し離れたところで、オープンするの待っていました。
入り口がガラスなので、誰か鍵を開けたら見えるはずです。
10分近く経っても誰も鍵を開けに来ません。
スゲーな。
流石に少しイライラしてきた頃、上品そうな老夫婦が店に来ました。
まだ閉まってますよって声かけようかなと思ったら、ドアに触れずチャイムを鳴らしました。
すると中からプロレスラーのようなイカツイ方が鍵をあけ、老夫婦が入っていきました。
???あの人たちがオーナー夫妻なのかな?
するとまた金持ちそうな夫婦がチャイムを鳴らします。
またあのごっつい人が開けに来た。
?
入り口の近くまで行って中を覗き込むと、あらびっくり。
さっきの老夫婦も、今の金持ちそうな夫婦も座ってるやん。客やん?!
あれ?もうドア開いてるのかなと思えば、鍵は掛かっています。
まさか。。。チャイム鳴らすの?
ドアのところでモジモジしてたら、あのごっつい人と目が合いました。
男同志、目が合って、なんやねんお前っていうアイコンタクトは世界共通でした。
ビビった勢いでチャイムを押してしまいました。
押してる長さと音の長さは比例するタイプのチャイムです。
おそらく最短記録でしょう。
あのイカツイ男がドアを開けて、顔は何の用?の顔でbuona sera。こんばんわ。
。。。あの、予約してるSUGIHARAです、と伝えると、びっくりするくらいイカツ可愛い顔して、笑顔でどうぞ!と中に入れてくれました。
あ、俺、今外国にいる。
ナポリに住みだして数か月経ってましたが、強くそう思いました。
イカツ可愛い男はレッロと言います。
レッロが僕のテーブルに来て、メニューの説明です。
この店、メニューがありません。
口頭での説明です。
しかしそんなに大変じゃありません
パスタは2種から選ぶ、メインは魚か肉か。あとは付け合わせを選ぶだけです。
何より驚異的にびっくりしたのが、この店前菜がありません。
いや、ありますがハム、サラミ類とチーズ類の盛り合わせのみ。
料理らしい前菜はありません。前菜食べるか食べないか。
正直、この時点でテンションダダ下がりでした。
ワインリストもありません。
そんなにお金残ってないから、ボトルワインでなく量り売りのワインを飲むつもりでしたが、ワインリストすらなし。
えらい場末の食堂に来たもんや。
パスタの選択肢は、なんか良く分からんけど魚の煮込みのスパゲッティと、もう1つは黒オリーヴとクルミのパスタでした。
そら魚のソース行くでしょ。
メインが、肉なんやったかな?食べてないから忘れましたが、魚が聞いたこと無い魚のグラティン。
グラティナートが天火で焼いたり、グラタンぽいものだったりするので、珍しいなーと魚をチョイス。
若かったので、基本肉ばっかり食べてましたから魚を選ぶのは珍しい事です。
それに、いわゆるナポリらしい魚料理で美味しいと思うことが非常に稀でした。
海老、イカ、タコ、貝は美味しいけど白身魚食べて美味しいと思うこと少なかったなー。
とりあえず白ワイン1リットルお願いしたら、500ccもあるでと、初めて優しくされました。
が、そこは心配ご無用なところ。
前菜は無しでした。
僕がラーメン屋行って餃子頼まないみたいなもんです。
結構待ちました。
運ばれてきたパスタを見て。。?
あれ、魚は?
見た目、ミートソースやん。
裏ごしてるんかな~。
え!魚のソースやのにチーズ掛かってる!!!
え、何この香り。。。(;゚д゚)ゴクリ…
下がり切ってたテンションが一気に揚がります。
一口食べて鳥肌立ちました。
激ウマ。
初めての味。いまだかつて食べたこと無い味。
でも懐かしい味。
当時、人生で一番天狗だった時期だと思います。
イタリア料理なら一度食べたら大体再現する自信がありました。
でもこの料理は完全にお手上げ。
何が入っているか、どう作ってるか想像もつかない。
なにより、本当に美味しい。
涙出そうになりました。
むしろ泣いてましたね。泣いてんのバレないように必死でした。
僕はこの皿に出会うために、こんな料理を作れるようになる為にナポリに来たんや。
興奮しすぎて思いっきり叫びたかった。
次の魚料理も秀逸でした。
うちのスペシャリテの一つ、オコゼのレモン蒸しの原型の料理です。
恋シチャッタ。。。
もうここで働きたいとか、そんなレベルじゃないです。
どうしたらここで働けるかを全方向から考えました。
働けない
という選択肢をなくす。
今まで欲しかったどんな物より諦めれなかった。
どんなに好きな娘に告白しても、一回振られたらそこでお終い。
今回はそんな訳にはいきません。
絶対に振られないように。(断られないように)
これは僕の人生において凄く良い経験になりました。
最終的に自分の欲求を通す。
凄く大変な事です。
でもどうすればいいか分かりました。
欲求をシンプルにする。
欲求に優先順位をつける。
最優先のシンプルな欲求以外、まず全部忘れる。
これはその後の僕の人生の指針です。
ここで働きたい。ここの料理を覚えたい。
これ以外、全部諦めたら叶わない事ではないはずです。
実際それ以外の事、全部忘れて、諦めてくらいつきました。
ぶっちゃけ無給からのスタートでしたが、その後勿論給料も頂け、2年半ほどお世話になりましたがオーナー夫妻が不在の時は、僕とレッロとオーナーの息子で店をまかされました。
料理はもちろん僕が担当です。
僕の目標は叶った訳です。
勿論大変でしたよ。
でもこれ作れるようになる代償と思えば安いもんでした。
23歳の8月30日。
僕がナポリに行った日。
もうすぐ19年経つのか。。。
とちょっとセンチな夏の終わりです。
杉原
ところでカヴァルカンティてなんなん?
とよく聞かれます。
1700年代後半から1800年代前半のナポリの貴族で物書きで料理人です。
料理人というより今の料理研究家に近いと思います。
cucina teoria pratica 料理 理論と実践て本を書いてます。
一番のトピックは、スペインから伝わったトマトが、南イタリアで本格的に料理に使われ始める時期です。
逆にいうとそれまでのナポリ料理ってトマトがないんですよ。
和食の醤油発明以前みたいなもんですかね?
この店はトマトがなかった頃のナポリ料理も多かった。
僕の料理が南イタリア料理の割に、茶色い料理が多いのはその影響でしょう。
この店で学んだ事を一言でいうと、狭く、深く。
狭いのが良しという訳ではないのでしょうが、深化できないくらいなら広げない。
ここのオーナーはその後若くに亡くなりました。
48歳でした。
20代前半で彼の教えを受けていた僕も、もうすぐ彼と僕が知り合った頃の年齢です。
僕は、当時の彼と同じような優しさ、厳しさを持てているのだろうか。
色々広げた2年です。
高さを出すための底辺、深く掘り下げるための間口になるよう丁寧に、丁寧に。
ウナギって魚類で一番かわいいと思いません?
長ったらしく書きましたが、このソースオリジナルはウナギではありません。
ナゼッロというタラの一種で作っていました。
日本に帰ってかなり色んな魚で試しましたが、落ち着いたのがウナギなんです。
ほぼ100%の再現できてると思います。
これが噂のナゼッロです。
美味しい白身です。
あー、ナポリ行きたくなってきた。