COLUMNコラム
スタッフ募集のお知らせ
少し前、就活のススメというブログを書きました。
それから、何人かお電話くれたり、メールくれたり、アルバイト始めたりと、結構リアクションありました。
ただ、ゆるい内容だったからか、夢見がちな若者が多いですね。
夢をみるのは、大いに結構。
だけど上向いて口を開けていても、エサは貰えません。
夢は叶うものでなくて、自らの手で実現するものです。
掴みとるものです。
そんな僕も、自分の野望達成の為に、そしてもしかしたら自分は料理の才能があるのじゃないか?という大いなる勘違いを証明するため、
借金をし、責任をもち、そしてその野望達成の為の仲間を募集しています。
もちろん、スタッフそれぞれの将来の野望達成の為のお手伝い、技術指導も惜しみませんが、
オステリア オ ジラソーレは、
イタリアって恰好ええやんとか
ナポリ料理ってすげー!とか
レストランって凄く素敵とか
こんな旨いもん食った事ない、なんじゃこりゃー!とか
何でも良いので、お客さんの魂揺さぶる為の場所です。
お客様に感動してもらうところです。
お客様からいろんなリーターンを頂戴も出来ますが、まぎれもなく僕たちが提供する側です。
スタッフとのジェネレーションギャップをどう埋めるか、ずっと悩んできましたが、その労力は料理に費やそうと決めました。
前回の就活のススメは、そのまま残します。
知らないアナタの相談ものります。
働き出す時期も相談にのります。
ただし、いくつかの条件をプラスします。
燃え盛るやる気がすでにある人。
社会人としての覚悟と、準備が出来てる人。(礼儀とコミュニケーションの事です)
特に自分の都合を優先させる方、
他者をリスペクトしない方は、知り合いにもなりたくないので、ご遠慮ください。
時間はかかっていますが、もっといい店にしたい。
全員がフルに活躍してほしい。
何度も心が折れそうになりますが、まだ折れていません。
僕、相当しつこいようです。
この店始める時も、借入が難航して何度も心が折れそうになりました。
でも諦めなかったら、必ず道は開けると信じてます。
この店はもう、僕一人じゃ操縦するのもったいない。
出来ないと思っていましたが、できます。
しないといけなくなったら、勿論します。
でも、もったいない。
キラキラした目をしてる仲間と、全力で漕いだらどこまでもいけるポテンシャルです。
僕の野望はそんな船の船長です。
(こんな感じ)
行先もみんなで決めたらいい。
僕は、人生を捧げた大好きなイタリア料理を、より美味しく、より喜んで頂けるよう、そしてより快適に作り続ける為にこの店を作りました。
ここで働く資格があるのは、本気で漕げる人だけです。
1人で漕ぐより、絶対本気な仲間と漕ぐ方が、速く、遠くまでいけるはずなんです。
行先は皆で決めたらいい。
むしろ全員の行きたいところ、全部行ったらいい。
そう思って、大きな借金しました。
ホント、実は僕、具体的にどこに向かいたいってないようです。
店舗展開したいわけじゃないし。
かなり本気で自問自答しましたが、自分やこの店の、ジラソーレの可能性はいくらでもある、と確信はしました。
でも、その可能性とやらがはたして本当に自分がしたいことか?
となるとまた別ですね。
僕の人生のボスキャラ(最終到達点)を探しまくってますが、まだ見つかりません。
それより、この店がレストランとして、バールとして、パスティッチェリアとして最大限稼働し、店中がビリビリ揺れるくらいみんなでオール漕いでる中に、身を置いていたい。それがオーナーシェフとしての現時点での僕の野望です。
想像するだけでエキサイティングで、鳥肌が立ちます。
若い料理人に一つ、目から鱗情報をあげましょう。
この仕事の、料理の一番素敵な事は、モノ作りの割に結果がすぐ出やすいことです。
例えばあさりのスパゲッティが上手になりたいと思えば、その気になれば仕事終わってからでも一晩で、10回作れます。
それにかかるお金も1万円しません。
例えばワイン造り。
一年に一回しか収穫出来ません。
つまり、何か試そうと思っても一年に一回しか試せません。
試したくても。
ワイン造り40年と聞くと、スゲーと思いますが、収穫、醸造など40回しかチャンスがないんですよ。
料理は大変な仕事です。
失敗も許されません。(何か少しの粗相でもネットですぐにデスられます)
でも世に出す前の失敗作をいくらでも積み重ねれます。
そして物凄く素晴らしいものを作っても、消えてなくなってくれます。
だからまた買って(食べて)下さるのです。
そして記憶や印象に残ります。
だから価値が下がらないのです。
もし絵画のモナリザのほほ笑みが、世界に一枚でなく10枚あったら、その価値は今の一枚しかない価値の10分の1ではないでしょう。
間違いなく10分の1以下です。
でも料理なら、誰もがうっとりするようなスペシャリテが出来たら、
それを100皿作れば価値は100倍、1000皿作れば1000倍です。
たまたま美味しいじゃダメなんです。
そしてどれほど沢山の美味しい料理を作っても、その痕跡すら残らない位、綺麗に片づけて帰る。
その蓄積は目には見えませんが、長くやればやるほど驚異的な力になり、その【能力】は世界中に手ぶらで運べます。
筋トレと同じです。
しんどい、きついを乗り越えて結果がでますので、しんどい時、きつい時が成長のチャンスです。
最後にジラソーレの今後の中期ビジョンをお知らせします。
再来年から1年間、当店のパティシエ藤本をイタリアに1年間送り込みます。
2018年の1年間はパスティッチェリア部門は縮小します。(最低限、ババとカンノーロとグラッファは意地で続けます。)
その分、2018年からイタリアワインのワインバーとして力を入れていきます。
2017年は藤本がいない1年間を乗り越える準備と
2018年からのワインバー構想の準備です。
今まで南イタリアワインが中心でしたが、南イタリアワインの品ぞろえはそのまま、さらにイタリア全土のワインを網羅していこうと思っています。
そして2019年、お菓子コーナーはパワーアップして帰ってくる藤本が勝手に暴れるでしょう。
そしてもちろんワインバーとしての機能もより充実してるという作戦です。
その翌年あたり、今のキッチンスタッフが続いてたら、イタリアに送り込もう。
で、帰ってきたらバールの料理を運営込みでさせてみる。
当然ワインの勉強も必要でしょう。
その結果がきちんとでたら、相応の昇給、または自信をもって独立すればいい。
僕が思うに、本気で飲食店やるなら、これより良いシステムはないと思います。
でもこのシステムを構築し、何代も続けるにはスタッフを選ばなければなりません。本当に。
自分の事しか考えれない人、他者をリスペクト出来ない人がいると実現しない。
それと、いくら真面目でも1年とかの短期で働きたい方も、僕が目指す店(職場)の構築に貢献出来ないので結構です。
正直、この業界の人手不足は深刻です。
でも目先の人員不足解消の補充をし続けてもいい店になれないと気付きました。
もう少し時間がかかりそうですが、ジラソーレで働いている事を羨ましがられる店にします。
この企画に参加したい方、ご連絡お待ちしてます。
杉原
<a href="http://job.inshokuten.com/kansai/work/detail/17969?ref=link" target="_blank">オステリア オ ジラソーレの求人情報の詳細は、こちらをご覧ください。(求人@飲食店.COM)</a>
7月お休みのご案内
いつもありがとうございます。
7月は毎週月曜日の定休日以外に
26日火曜日にもお休みをいただきます。
よろしくお願いいたします。
梅雨にも負けず...新作多数でてます♡
今年は例年より暑くないですか?
この店の厨房は実は快適です。
エアコンがあります。
工場なんかによくある、スポットクーラーみたいに冷気が出てるとこだけ涼しいとかちゃいます。
マジで快適です。
設置した初年度は、電気代が怖くてほとんど付けず。。。
でも冷静に考えたら、厨房の空調吸排気システムだけで結構いい車買える値段したのに、使わんかったら外車買ってガソリン代ケチってんのと一緒やなと。
で、去年恐る恐る使ったら、まあ快適。
気になる電気代はと言うと、勿論上がったけどこの快適さを買うには安すぎるもんでした。
厨房に、AKB(汗かきボーイ)が一人居ますが、彼はこの厨房のNOエアコンの夏を知りません。
良かったね。
という訳で、本来この時期が、料理すんの一番過酷なんですが、快適厨房のお陰で新作炸裂してます!!!
カワハギとアスパラガスのタルタル オレンジ風味の肝和え 玉ねぎとコリアンダーのソース
久しぶりにえげつないワイン会のご予約を頂きまして、そのワインに合わそうと考案したら気に入ってメニュー化したもんです。
コリアンダー苦手な方もいるけど僕は大好き♡
アマルフィーの近くにチェターラという小さな街がありまして、アンチョビとか魚醤作りで有名なんですが、そこの名物料理、スペルト小麦のズッパ チェターラ風のジラソーレバージョン。
本来は魚醤を効かせたスペルト小麦のスープですが、僕は魚醤をザバイオーネという卵黄のソースに加え、生のシラスのマリネをトッピング。
食べ進むうちにほんのりシラスに火が入り、海の香りがパーッと広がります。
千葉のでっかいハマグリ
僕、貝類滅茶苦茶好きです。
でも、意外と赤貝、トリ貝、特大ハマグリなんかは使いたかったけどあまり使ってこなかった。
なぜかというとアラカルトで値段つけにくいからです。
でもどうしても使ってみたくて買っちゃいました~
劇ウマ。
引き返せない世界です。
ということで、お任せコースオンリーで始めました。
特大ハマグリのビステッカ 二見の海苔のソース
なぜビステッカと呼ぶか?
なぜ海苔のソースか?
ハマグリの指示にしたがったまでです。
詰め物をしたアナゴのフリット アニス風味のキャベツ添え 7種の香りのソース
10年以上作ってる料理。
この時期にソービニオン ブランとかと合わせるイメージ。
相変わらずパッケリ今日は無いの?と聞かれ続けるので潮の香りのパッケリ夏バージョンを。
牡蠣がないと味が決まらないという結論に達し、牡蠣のシーズン以外は封印してましたが、この明石のムールええやん!
ウニ、針イカ、サザエ、ムール、カラスミのソース。
手羽先を詰めたウズラと蓮根のポルペットーネ仕立て
プルンプルンに蒸しあげた鳥の手羽先の骨を抜いて、ウズラのフィレとすりおろした蓮根で挟んで焼いてます。
カリ、トロっと触感フェチにはたまりません!
茸のソースと有機ニンジンのサラダ、ウズラの味玉添えて笑
乳のみ子羊
やっぱり塊は違いますわ!
ただいまお任せコースはこんな感じです。
メインはウズラ、子羊(乳のみだったり、ラムだったり)、淡路牛から選んで頂いてます。
久しぶりにブルターニュ産オマールエビ
これはホントに美味しい。
もう普通のオマール食べれなくなります。
これもこの時期鉄板!
ルチャーナ風明石タコの煮込みのリングイネ
ザ ジラソーレって感じですよー
随時メニュー変わりますが、こんな感じです!
6月のお休みと貸し切り営業のご案内
6月は毎週月曜日の定休日以外に、
6月7日火曜日もお休みをいただきます。
また6月25日(土)のランチタイム(11:30~16:00)は
バル・レストランとも貸し切りでの営業とさせていただきます。
ディナータイムは通常営業いたします。
よろしくお願いいたします。
お約束通りランチ速報~!
お気づきだと思いますが、少し前から3900円のプリフィックスランチの選択肢を絞りました。
気付くと42歳。
仕事のスピードは今が人生最速ですが、決して速く沢山のオーダーをこなすのが僕の目標ではありません。
最近、また一段と料理が好きになっています。
今までの好きとは少し違う好きです。
言うなれば愛おしい。
まだまだ現役でいけますが、逆に言えばいつか現役で料理「出来なくなる日」がくるのは想像できます。
高校球児やプロ1年目、2年目の野球選手は考えないでしょうし、40代の現役選手ほどシビアな問題ではないでしょうが、時間は過ぎて行きます。
やっと分かってきたことが沢山あります。
料理の事も
店を営むことも
人と接する事も
この「やっと多くの経験から感覚的に分かってきた事」は、膨大な情報があまりにも詰まっていて、人に全てを上手に伝えるのは非常に難しい。
ひとつひとつの情報を、小学生の日記の様に箇条書きにできれば良いのでしょうが、そもそも日々の嬉しかったこと、悲しかったこと、上手くいった事、失敗した事は、色んなコンディション、感情、タイミングで、また同じ現象も見る人によって変わります。
経験が経験値として機能するには、数だけでなく、その経験の質(エネルギーと言っても良いかも知れません)が大事でしょう。
嬉しい思いをした。
1、道端で1000円拾った。
2、無茶苦茶頑張ってオーディション受かった。
悔しい思いをした。
3、勉強しないでパチンコばっかりしてたら、連れの中で自分だけ留年した。
4、無茶苦茶頑張ってオーディション受けて、評価も高かったのに、コネだけで審査員の息子が受かった。
人生の経験ておっきく分けたら、大方このどれかじゃないでしょうか。
ラッキー
努力した報酬
当然の報い
理不尽
でも見方を変えれば、
1、うわ、1000円落ちてるやん、急いでんのに!交番持ってって間に合うかなー?ダッシュ~!で、交番で必要以上に待たされる。 ➡理不尽
2、無茶苦茶頑張ってオーディション受かった。でもホントは、1の人が100年に一人の天才だけど、1000円を交番に持って行ってオーディションに遅れた。➡ラッキー
3、あいつらもパチンコ一緒に行ってたのに何で俺だけ留年やねん!➡理不尽に思ってるけど当然の報い
4、オーディションは落ちたけど、頑張った分評価は高かった。➡努力した報酬
これを書きだすと何パターンでも入れ替えれます。
もしかしたら留年したおかげで修学旅行いけず、でも飛行機事故に遭わなかったとか。
僕の人生ももれなく、ラッキーと思ったり、理不尽やと涙を流したり、頑張って良かったと思ったり、頑張っても結果出なかったり。
でもそこそこずーっと料理だけは、がむしゃらにやってきました。
定点観測っていうんですか?
何となく、(しなければならない事と、してはいけない事)が分かってきました。
常に頑張らなきゃいけない!みたいな単純なところは超えてます。
頑張ってるつもりでも、結果がでない経験も沢山してますから。
丁度筋トレと似ています。
昭和な感じでやみくもに腹筋しまくっても、そんなに効果なかったり腰痛めたり。
決して最大効率とか、最短での目標達成に目覚めたのではないです。
42歳。
何も人のせいにしません。
愚痴も言いません。
でも小さくてもコンスタントに結果を出し続ける義務が生じて来ています。
同時に料理人としてのエゴも年齢と共に、男性ホルモンと共に減少するかと思いきや、増幅はしませんが、それは色鮮やかできらびやかなエゴへと研ぎ澄まされてきました。
オーナーシェフ。
経営者であり料理人。
50対50はありません。
優劣も時折入れ替わります。
移転前後は経営者としての僕が優勢だったかな?
もちろん料理に対しては全力投球でしたが。
最近は料理人の僕の方が強いようで、でもその方が思考は健全かつ夢があります。
そして何より色んな恐怖から解消されてきました。
特に一番の恐怖だった人手不足。
なんであんなにビビってたのだろう?
急に吹っ切れました。
心置きなく料理に没頭しよう。
ランチ速報です!
ある日の3900円の前菜の盛り合わせ
自家製スモークサーモン(白鷺サーモン 姫路)
カツオとトマトとリコッタのブルスケッタ
大羽いわしのアマルフィー風(プローボラチーズを挟んでパン粉焼きにしてます。)
ある日の季節の温前菜
明石浦手長タコのグリルとイタリア品種のソラマメのサラダ ミント風味
またある日は季節の温前菜として
ベビーホタテのムニエル きのことスモークサーモンのソース
もうそろそろ終わりです。
ホタルイカとからすみのスパゲッティ 潮の香りのカルボナーラ仕立て
新作ですが、評判よかった!
ソレント風ニョッキ
ナポリに修行に行くまで、ニョッキが嫌いでした。
作るの面倒くさい割に、こんなもんかって。
食べ味も重いし。。
イタリアで何に開眼したかって、ニョッキと豆ですよ。
日本で食べてたのはどっちも何だったんだ!と思いました。
ナポリで初めに住んだ家の近くに、小さなレストランがありました。
リストランテと看板にありましたが、まあトラットリアです。
生活始める前にナポリに2度下見にきてまして、2回とも有名な、結構高級なレストランで食事しました。
まあまあ美味しかった。。事は覚えてますが、何食べたかは覚えてない。
この店はガイドブックとかも見ずにフラッと入りました。
ここで食べた何品かは、今でも鮮明に覚えてます。
ぞわっとしました。
料理自体は無茶苦茶シンプル。
特にここで食べた
カプレーセ(トマトとモッツアレラのサラダ)
キノコのソテー
ソレント風ニョッキ
今でもこの店の味を思い出しながら作ります。
え、ニョッキって旨いやん。。。
その後5年近くナポリに住みましたが、ニョッキはここが1番でした。
途中でこのお店無くなりましたけど。。
ニョッキもそろそろ終わりで、次はこれ。
ネラーノ風ズッキーニのスパゲッティ
まだ未体験ですか?
地味ですが、ジラソーレパスタ10傑に入ります。
舌平目のジャガイモ包み焼き
合言葉は、カリっ、トロッ、フワッです。
キノコオムレツを詰めた極み豚のカツレツ エストラゴン風味
カツレツ割ると、中から柔らかいオムレツがとろっと現れます。
ここからバールのパスタランチ
いわしのソテーとロシア風ポテトサラダ
一口ピッツァ
白身魚、キノコ、ほうれん草の白いラグーのスパゲッティ
24年作ってるカルボナーラ
今の思いは、すべてに対して最大限、丁寧に接したい、ということ。
食材にも、お客様にも、スタッフにも。
道具にも、時間にも、そして自分にも。
やみくもに皿数や、多品目を作るわけでなく、
そしてそれをただ、消費、消化されるだけでもなく、
一皿一皿が誰かの記憶に残ることを願いながら、一皿一皿丁寧に。



