お約束通りランチ速報~!
お約束通りランチ速報~!
お気づきだと思いますが、少し前から3900円のプリフィックスランチの選択肢を絞りました。
気付くと42歳。
仕事のスピードは今が人生最速ですが、決して速く沢山のオーダーをこなすのが僕の目標ではありません。
最近、また一段と料理が好きになっています。
今までの好きとは少し違う好きです。
言うなれば愛おしい。
まだまだ現役でいけますが、逆に言えばいつか現役で料理「出来なくなる日」がくるのは想像できます。
高校球児やプロ1年目、2年目の野球選手は考えないでしょうし、40代の現役選手ほどシビアな問題ではないでしょうが、時間は過ぎて行きます。
やっと分かってきたことが沢山あります。
料理の事も
店を営むことも
人と接する事も
この「やっと多くの経験から感覚的に分かってきた事」は、膨大な情報があまりにも詰まっていて、人に全てを上手に伝えるのは非常に難しい。
ひとつひとつの情報を、小学生の日記の様に箇条書きにできれば良いのでしょうが、そもそも日々の嬉しかったこと、悲しかったこと、上手くいった事、失敗した事は、色んなコンディション、感情、タイミングで、また同じ現象も見る人によって変わります。
経験が経験値として機能するには、数だけでなく、その経験の質(エネルギーと言っても良いかも知れません)が大事でしょう。
嬉しい思いをした。
1、道端で1000円拾った。
2、無茶苦茶頑張ってオーディション受かった。
悔しい思いをした。
3、勉強しないでパチンコばっかりしてたら、連れの中で自分だけ留年した。
4、無茶苦茶頑張ってオーディション受けて、評価も高かったのに、コネだけで審査員の息子が受かった。
人生の経験ておっきく分けたら、大方このどれかじゃないでしょうか。
ラッキー
努力した報酬
当然の報い
理不尽
でも見方を変えれば、
1、うわ、1000円落ちてるやん、急いでんのに!交番持ってって間に合うかなー?ダッシュ~!で、交番で必要以上に待たされる。 ➡理不尽
2、無茶苦茶頑張ってオーディション受かった。でもホントは、1の人が100年に一人の天才だけど、1000円を交番に持って行ってオーディションに遅れた。➡ラッキー
3、あいつらもパチンコ一緒に行ってたのに何で俺だけ留年やねん!➡理不尽に思ってるけど当然の報い
4、オーディションは落ちたけど、頑張った分評価は高かった。➡努力した報酬
これを書きだすと何パターンでも入れ替えれます。
もしかしたら留年したおかげで修学旅行いけず、でも飛行機事故に遭わなかったとか。
僕の人生ももれなく、ラッキーと思ったり、理不尽やと涙を流したり、頑張って良かったと思ったり、頑張っても結果出なかったり。
でもそこそこずーっと料理だけは、がむしゃらにやってきました。
定点観測っていうんですか?
何となく、(しなければならない事と、してはいけない事)が分かってきました。
常に頑張らなきゃいけない!みたいな単純なところは超えてます。
頑張ってるつもりでも、結果がでない経験も沢山してますから。
丁度筋トレと似ています。
昭和な感じでやみくもに腹筋しまくっても、そんなに効果なかったり腰痛めたり。
決して最大効率とか、最短での目標達成に目覚めたのではないです。
42歳。
何も人のせいにしません。
愚痴も言いません。
でも小さくてもコンスタントに結果を出し続ける義務が生じて来ています。
同時に料理人としてのエゴも年齢と共に、男性ホルモンと共に減少するかと思いきや、増幅はしませんが、それは色鮮やかできらびやかなエゴへと研ぎ澄まされてきました。
オーナーシェフ。
経営者であり料理人。
50対50はありません。
優劣も時折入れ替わります。
移転前後は経営者としての僕が優勢だったかな?
もちろん料理に対しては全力投球でしたが。
最近は料理人の僕の方が強いようで、でもその方が思考は健全かつ夢があります。
そして何より色んな恐怖から解消されてきました。
特に一番の恐怖だった人手不足。
なんであんなにビビってたのだろう?
急に吹っ切れました。
心置きなく料理に没頭しよう。
ランチ速報です!
ある日の3900円の前菜の盛り合わせ
自家製スモークサーモン(白鷺サーモン 姫路)
カツオとトマトとリコッタのブルスケッタ
大羽いわしのアマルフィー風(プローボラチーズを挟んでパン粉焼きにしてます。)
ある日の季節の温前菜
明石浦手長タコのグリルとイタリア品種のソラマメのサラダ ミント風味
またある日は季節の温前菜として
ベビーホタテのムニエル きのことスモークサーモンのソース
もうそろそろ終わりです。
ホタルイカとからすみのスパゲッティ 潮の香りのカルボナーラ仕立て
新作ですが、評判よかった!
ソレント風ニョッキ
ナポリに修行に行くまで、ニョッキが嫌いでした。
作るの面倒くさい割に、こんなもんかって。
食べ味も重いし。。
イタリアで何に開眼したかって、ニョッキと豆ですよ。
日本で食べてたのはどっちも何だったんだ!と思いました。
ナポリで初めに住んだ家の近くに、小さなレストランがありました。
リストランテと看板にありましたが、まあトラットリアです。
生活始める前にナポリに2度下見にきてまして、2回とも有名な、結構高級なレストランで食事しました。
まあまあ美味しかった。。事は覚えてますが、何食べたかは覚えてない。
この店はガイドブックとかも見ずにフラッと入りました。
ここで食べた何品かは、今でも鮮明に覚えてます。
ぞわっとしました。
料理自体は無茶苦茶シンプル。
特にここで食べた
カプレーセ(トマトとモッツアレラのサラダ)
キノコのソテー
ソレント風ニョッキ
今でもこの店の味を思い出しながら作ります。
え、ニョッキって旨いやん。。。
その後5年近くナポリに住みましたが、ニョッキはここが1番でした。
途中でこのお店無くなりましたけど。。
ニョッキもそろそろ終わりで、次はこれ。
ネラーノ風ズッキーニのスパゲッティ
まだ未体験ですか?
地味ですが、ジラソーレパスタ10傑に入ります。
舌平目のジャガイモ包み焼き
合言葉は、カリっ、トロッ、フワッです。
キノコオムレツを詰めた極み豚のカツレツ エストラゴン風味
カツレツ割ると、中から柔らかいオムレツがとろっと現れます。
ここからバールのパスタランチ
いわしのソテーとロシア風ポテトサラダ
一口ピッツァ
白身魚、キノコ、ほうれん草の白いラグーのスパゲッティ
24年作ってるカルボナーラ
今の思いは、すべてに対して最大限、丁寧に接したい、ということ。
食材にも、お客様にも、スタッフにも。
道具にも、時間にも、そして自分にも。
やみくもに皿数や、多品目を作るわけでなく、
そしてそれをただ、消費、消化されるだけでもなく、
一皿一皿が誰かの記憶に残ることを願いながら、一皿一皿丁寧に。