COLUMNコラム
春です。
若いころは、暑がりでした。
いつの間にか、寒いほうがツライ年齢になったようです。
この寒さが緩む感じ、ホッとしますね。
そして不思議と体に力が漲ります。
考えもポジティブに、そしてクリエイティブになります。
毎年恒例、イカナゴのブルスケッタ
まさか、こんなにも人気商品になるとは思っていませんでした!
イカナゴを見ると春だなと思います。
ここ数年はイカナゴが出る前に、お客さんからイカナゴ始まってる?という問い合わせを必ず頂きます。
このお問い合わせが、僕にとっての一足早い春の訪れになってきました。
ある意味凄く贅沢で、幸せな事だとつくづく思います。
ある意味凄く贅沢で、幸せな事がもう一つ。
誰かに僕のことをご紹介頂く時、(ナポリ料理の)という形容詞が必ず付いてくる様になりました。
ジラソーレを始めたころは、僕にとって当たり前の事をするのが、なぜそうするのかを理解して頂くのが、あんなに大変だったのに。
でもね、えっ!と思われるかも知れませんが、ナポリ料理のジラソーレ、ナポリ料理の杉原と年月をかけて折角認知して頂いたのに、今はナポリ料理をしていると思っていません。
してないとも思ってないんですけどね。
どういう事かというと、以前はナポリ料理を作る事が、目的、ゴールでした。
今は、その先にあるもっと大きなテーマや目標を達成するための、手段、方法としてのナポリ料理です。
メバルとアーティチョークとモズクの煮込み リコッタサラータ風味
自由に食材からのイメージや春の香りを表現しようとするとこうなります。
昔はアーティチョーク入りメバルのアクアパッツァを作ってたかな。
僕はこっちを食べたい。
イイダコ
マダコの様にしっかりした出汁が出ません。
このままナポリのレシピで料理しても、イイダコらしさが全くでない料理になります。
新玉ねぎのリゾットとイイダコの煮込み malafemmena風
秘密の媚薬を加えたら、フェロモン全開な香りになりました。
悪女風と名付けました笑。
ビックリするくらい美味しいシイタケとサゴシの鉄板焼き 艶めかしいアサリとバタ―のソース
毎年この時期取り寄せる原木シイタケ。
僕の中で菌類最強。
この時期のサワラは秋ほど脂乗ってません。
なら子供のサゴシの方が仔牛っぽくて良いかなと思ったらドンピシャ。ふわっふわに焼きますよ。
そして、牡蛎を剥くがごとく生のまま剥いたアサリとアサリの海水とバタ―を火にかけます。
艶めかしい..って言葉がぴったりです。
トゥルンってしてます。
ミル貝のカルパッチョ
この時期の定番になってきました。
生の貝と油脂は合わないというテーマ
フリアリエッリ、水牛のモッツァレッラ、ナポリの魚醤
ミル貝
うちの店に当たり前にある食材(ナポリ固有のもの)と、この時期本当に美味しいと思う(ナポリには無い)食材で、自然に、自由に料理する。
これが今後僕がしていくべき事だと思います。
アナゴの肝とヤギのチーズ
この組み合わせすら自然だと思っている今の僕。
イワシのビステッカ プローヴォラ入りジャガイモのスープ仕立て
カリッと焼いたイワシのソテーで生のイワシのタルタルを挟んでいます。
一緒に食べるとステーキのような食感に。
燻製したモッツァレラチーズ入りの優しいジャガイモのスープ仕立てで
アワビ入り レモンのタリオリーニ アマルフィー風
春の地中海の香り
久しぶりに鴨使いました。
大阪の河内鴨。
これからちょいちょい使います。
なんか国産ブーム。
北海道の羊。
もうね、脂いらんから、、。
ちょーど良い。焼くの難しいけど美味しいです。
まずは炭火焼でしょう。
肋骨の所だけ何とか焼き切る方法(めちゃ忙しくても)編み出したら、理想の羊かな。
何がうれぴーってピカピカ内臓つき。
何するかこの写真から分かる人は、南イタリア通
はい、仔羊のミックスホルモンでソッフリット。
豚のミックスホルモンのソッフリットは今年は作らなかったな。
豚のソッフリットよりトマト少なく仕上げるのがポイントです。
と、こんな感じにのびのび料理してます。
就活のススメ
Buona Sera!
いやー、牡蛎祭り終わりました。
鼻血出そうでしたが、何とかやり遂げました。
しかしあれですね、イベントは会を重ねると逃げ場が無くなりますね。
頑張りすぎる。
来年はちょっと参加型にしようかな。
レストランは同じノリとして、バールはもっとアトラクションにしても良いのかな?
例えば、牡蛎の大食い大会とか、自称牡蛎剥き名人集めて誰が一番早いか競うとか、更にそれにオッズつけて皆様に一番を予想してもらったりとか。
あと、私の牡蛎レシピ自慢募集して、採用させて頂いた料理を当日皆様に振る舞って貰うとか。
ちょっとこんな緩急をつけたイベントにしていきたいなーと、企んでいます。
就活のススメ、と題しました。
少し前ご報告したように、新しいスタッフが入ったので今は6人体制です。
この体制が長く続くかも知れないし、続かないかも知れません。
でも、誰か抜けてから募集かけてたら遅いです。
かといって、常に余剰にスタッフを雇う余裕なんかありませんし、そんな事は誰の幸せにも繋がりません。
去年は続けて急に辞められたので大変でしたが、募集を出せば有難い事に少ないながら応募はありました。
そのうちの2人が今も頑張ってくれています。
最近は莫大な求人広告費を掛けても、電話すら鳴らない事もあると聞きますから、ありがたい話です。
何より、面接に来て下さる方は殆ど当店に食べに来たことが有る方ですね。これは本当に嬉しい。
という事で考え方を変えてみました。
求人募集をかけると、既に求職中か、もしくは現職の退社が決まっている人が、なんらかの媒体(このHPも含む)を見て、「あ、ジラソーレ求人出してる。興味あってん!」
というパターンが多そうですが、さすが恋愛下手世代です。
つまりは僕も恋愛下手だったなと気づきました。
恋愛と仕事は多分似ています。
特に、飲食みたいな好き!っていう情熱が根本の仕事は顕著です。
結局好きな店で働きたい。
嫌いな店では働けない。
真実だと思います。
好き、嫌いは只の感情ですが、何らかのアクションで恋愛に発展したり、仕事の仲間になるかも知れません。
つまり求人広告の作られたフレーズより、好き、嫌いの方がよっぽどリアルなスイッチなはず。
という事で、今後求人募集出してなくても、ジラソーレで働いてみたい、厨房見せて欲しい、僕に色々聞きたい方、どのタイミングでもご連絡下さい。
例えば、今働いている店に後2年居たいけど、その後ジラソーレ来たいとか、ずーっと後の話でも良いです。それが3か月でも半年でも同じ。現職の円満退職が勿論前提です。
うちで今頑張ってる人たちも、何れはそれぞれの道を見つけて巣立っていくかも知れません。願わくばこちらでも円満退職ですが。
何人か将来的にこんな時期で働きたいという方がいると、店の運営は必ず大きく変わります。勿論皆にとっても、お客様にとっても良い方向に。
誰かの人生が、この店で素敵になれば、結果この店も素敵になるはずです。
ご興味ある方、ご連絡お待ちしております。
杉原
第二回牡蛎祭り!!! 2016年2月14日(日)
合言葉は、~貝塚をつくる~
開高健の短編小説のタイトルでもありますが、なんとフロンティアスピリットに溢れているんでしょう。
少年の好奇心と大人の財力。
僕が失ってしまったものと、まだ手にしていないもの。
ご存知の通り、貝塚は遺跡です。
昔の人々のごみ捨て場だったそうです。
貝殻には炭酸カルシウムが多く含まれていて、酸性な土壌が中和され、貝殻だけでなくその他の動物の骨や土器なども、沢山一緒に発掘されるそうです。
つまり、結果として貝塚は出来るものであって、作るものではありません。
ピラミッドの様に意図があった訳ではないのです。
・・結果として出来た。
ニキビが出来るメカニズムと多分同じです。
もし小説のタイトルが~ニキビをつくる~なら?
ニキビをなくそうならクレアラシル。
ニキビケアのエキスパートなんでしょう。
~ニキビをつくる~
なんて無駄で、非効率で無意味な行為でしょう。
でもその先にはとてつもない愛を感じます。
チョコレート偏愛でしょうか。
チョコレートという言葉を使わず、チョコレートへの愛と忠誠を表現できます。
同時に内向的であり、自己確認であり、単独プレーであることが読み取れます。
~貝塚をつくる~
このフレーズは一種の覚悟とコミュニティーを感じさせ、そしてlet's的な誘いでもあります。
2016年2月14日(日)
貝塚をつくりましょう!
超貝好きな有名人から牡蛎祭りへの応援メッセージが届いています。
~貝塚をつくる~
牡蛎への偏愛と大人の悪戯
亜鉛、鉄分、タウリンが豊富です。
牡蛎好き代表
・・若いですね。
きっと牡蛎を沢山召し上がってるのでしょう。
さて、やっと本題に入ります。
数年前、出来るだけ兵庫県の食材で料理しようと息巻いていました。
世界に誇れる素晴らしい食材の産地であるのは間違いありません。
ただ僕の悪い癖で、すぐ凝りすぎる。
一時期、ほんとに瀬戸内の魚しか使わない時期がありました。
今は日本中の凄いものを、気にせず使ってます。
でもね、やっぱり兵庫や関西の素晴らしい食材を使う方がテンションあがります。
サワラ、真鯛、アナゴ、タコ、赤ウニ、牡蛎、ハモ。
サバの凄いのもあがるし、根付の鯵もいるし。
野菜もなんだってある。
あと淡路牛。やっぱり美味しい。
瀬戸内の数ある宝の中で、最も僕が溺愛してる食材のひとつが牡蛎。
ほんと美味しい。
でもそれだけじゃない。
とんでもない可能性が無限に広がる食材です。
毎シーズン色んなアプローチを試します。
この牡蛎祭りは、牡蛎好きの方に、牡蛎好きな僕の、今年の挑戦や答えを見に来てほしい。
レストランは兵庫県の恵みを愛でるコースで、タコと穴子の料理も加えた牡蛎まみれな夜をお約束します。
レストランの牡蛎祭りコース
・生牡蠣 生まれたままの姿とミルキーさを強調した感じと、2種の味わいで
・牡蛎のオ―ヴン焼き カリフラワーのクレーマで
・牡蛎のコトレッタ
・明石のタコのサラダ クラッシクなナポリ風
・牡蛎のサルシッチャ
・伝助穴子とプンタレッラ
・牡蛎とフォアグラと本州鹿のコンソメ
・ジラソーレ風カキオコ 淡路牛のビステッカ乗せ 潮の香りの黒いソース
・〆のパスタ ポモドーロかカルボナーラ
・かきのパンナコッタ アマレット風味
・赤穂のSAKURAGUMIの姉妹店、ナポリ菓子専門店坂利太名物てーてって(牡蛎型のスイーツで赤穂弁で連れてっての意)とジラソーレのジェラート、好みのグストで
な、な、なんと7500円(税込、サ5%別) 要予約
2月14日(日) 18:00~と19:00~スタート (混雑を避けるためご来店時間をずらさせて頂きます。2部制ではございません)
牡蛎小屋BAR シュエシュエ
・生牡蠣2個
・特大牡蛎フライ2個(コトレッタ)
・牡蛎のオーブン焼き カリフラワーのクレーマで
・プラス牡蛎2個 上記のお好きな食べ方で
・ジラソーレ風カキオコ 潮の香りの黒いソース
・スパゲティ ポモドーロ or カルボナーラ
・SAKURAGUMI姉妹店、坂利太のてーてってとジラソーレのジェラート
・カフェ
¥3800円(税込)のグッドプライス!
スタンディング形式ですので、お席のご予約はお受けいたしませんが、参加表明下さった方の牡蛎は死守します。
是非ご連絡くださいませ。
通常メニューも少しだけあると思います。
2月14日(日)17:00~
今回はコラボ企画です。
兵庫、赤穂ときて、あのお方なく事は進みません。
さくらぐみの西川シェフ!
去年、坂越にナポリ菓子専門店をオープンなさいました。
坂利太(サリータ)といいます。
日本で、ここでしか食べれないものが沢山あります!
これがてーてって。
極薄のパイ菓子です
激ウマサクサク。
ここに当店のジェラート乗っけて召し上がって頂きます!
ここです。
NASAから送ってもらった衛星写真です。
少しまじめな話ですが、なんで坂越の牡蛎が美味しいか。
牡蛎は海産物ですが、実は海、川、山が揃って初めて名産地になります。
坂越湾は揖保川、千種川と2つの一級河川の流れ込みに挟まれています。
つまり山の養分が川に運ばれるのです。
実際この辺りの海水は、例えば南淡路島なんかと比べて全然塩辛くありません。
横の相生も同じく牡蛎で有名です。
あとは牡蛎の写真集でお楽しみください。
お待ちしてまーす!
杉原