2019年10月
10月28日(月)・10月29日(火)は、 お休みを頂戴致します。
皆様、いつもありがとうございます。
連休のご案内はいつもタイトル通りではございますが、
10月28日(月)・10月29日(火)は、
お休みを頂戴致します。
よろしくお願い致します。
パティシエ藤本が出会ったおかしなナポリ〜愛の都市ナポリ〜
皆さま、お待ちかね!ていましたか?連載第2弾!!
大変お待たせしました~一か月経つのって早いですね!もう10月!
こんにちは!パティシエ藤本です
今回のテーマはズバリ、愛でしょう
(ちなみにこの写真はナポリ・ソレントのアマルフィ海岸で撮ったもの。)
イタリアと聞いてこのテーマをイメージされる方が多いのでは?
基本的にイタリア人って日本人と比べて人と人との距離が近いです。
もちろん人によって違いますけどね。
特に南イタリア、私が一年過ごしたナポリでは人との繋がりが色々な意味でとても重要です。
大体のレストランではコネがあれば働かせてもらえるし、スーパーのレジのお姉さんと仲良くなれば、何かしら"優遇"してもらえたり?もします。
友達の友達やその家族は出会ったその日から友達のように接してくれます。
愛情表現も豊かですね!
ご存知の通り、挨拶はハグして頬と頬を合わせて〜
職場仲間と毎日そんな挨拶はしませんが、お祝いごと、誕生日なんかは必ずテンション高めにおめでとう〜とハグ&キスはセットでした。
日本にこんな習慣はない。イタリアに行く前での日本の友達との最後の挨拶もバイバイ!頑張って!と手を振って終わったよ。と話すと大体の人は、え!ほんまに!それだけで寂しくないの!?と興奮気味に質問されることが多かったですかね。
一方で一部の人には日本人のこの風習、物凄く羨ましがられました
ハグもキスもなくっていい!日本は楽でいいね!同じヨーロッパでもフランスやイギリスはそんな感じでみんなドライらしい。イタリアも変わればいいのにって言ってました。
イタリアで何に一番驚いたかというと、家族への愛がとても強いということです。
同じレストランで一緒に働いていた家族を持つサービススタッフは、休憩時間が例え少しの時間でも必ず自宅に帰り家族と一緒に過ごします。。
当時前菜担当だったアレッシオ君はお父さんと彼女に毎日必ず2回ずつ電話していました。ちなみにアレッシオ君の家から彼の実家までは車で30分程。仕事終わりも頻繁に実家に帰っているけど休憩中に電話しないと親に心配されるねんって言っていたのを覚えています。
別々に暮らしている兄弟ともみんな週一回はメッセージや電話などで連絡を取っているそう。
このコラムをご覧になっているあなた、最近、離れて暮らすご家族と連絡を取ったのっていつですか、、、?
正直、私がイタリアにいた1年間、兄弟とは2、3回。母親とは何かしらメッセージは送りあっていましたが、父親と連絡を取ったのはたったの2回、「イタリアに来て数か月、仕事がんばってるよー」と「あと一か月で帰るわ~」くらいですかね
ある日、トッレデルサラチーノで5年も働いてるグラツィアーノ君に質問されました。
グ「なんで日本人って家族に対してそんなに冷たいの?前ここで働いていた日本人の男の子もイタリアに来てもう長いけど兄弟と一回も連絡をとってないって言ってた。ここに働きに来た色んな日本人にも聞いたけどみんな揃ってそんな感じだったよ。兄弟が今日本で何してるかとか気にならないの?不思議でたまらない!」
私「・・・うーんと、まあ人にもよるけど、日本には"便りが無いのは良い便り"っていって、特に連絡がないってことはイタリアで元気に暮らしてるんだなって安心させることでもあるんだよ。」
グラツィアーノ君、納得したような、まだ不思議な顔をしていました。
でもやっぱり、家族から何気なく元気?って連絡が来ると嬉しいですよね
それからというもの、私もイタリア人を見習って週に一回は両親とメッセージや電話をするように心がけています
イタリア人って自分の気持ちを言葉にするのが得意ですね!
それ故に日本人の私からすると理解できない理由で始まるケンカや言い合いも沢山見てきましたけどねえ。
今回のテーマ、愛を言葉にするのもごく自然に口から出てきます。
イタリアのレストランでもお皿やカードに相手の方に向けたメッセージを書いてデザートを持って行くタイミングでお出ししていたのですが、流石イタリア人。メッセージプレートの依頼で"TI AMO, TUO MARIO"(愛してる、君のマリオより)というのがありました。 流石にこれにはスタッフ全員、こんなんリクエストするのどんなやつやねん!って突っ込んでましたけど。
でも誕生日や結婚記念日、って一年に一回のものですからね!相手の方の喜んだ顔がみたいですよね
ジラソーレも沢山のお客様に記念日でのご利用を頂いております。
こんな感じでデザートをお出しするタイミングでお祝いのプレートをご用意していますよ
お祝いの内容は誕生日から結婚記念日。お友達にいつもありがとうでもご希望でしたら出来る限りなんでも
お電話やネットでのご予約時に気軽にスタッフまでお問い合わせくださいませ。
なんか喜んで欲しいけどなんて書いてもらったらいいかわからへん。中々自分の口からお願いするのは恥ずかしくて、、、とお迷いのあなたもその旨をお伝えいただけましたら、スタッフがお相手の方に喜んでいただけるようなメッセージ一緒に考えます!
一年に一回の大切な記念日、愛する人とジラソーレで過ごしませんか?
宣誓
苦笑。
昨年一年間の超人手不足(4人体制)から脱出し、春から6人体制に戻りましたが又しても4人に逆戻り。
多分世の中的には、杉原がきっと狂っていてスタッフが続かないんだ、と疑われているかも知れません。
何故か僕はめっちゃ怖いシェフだという噂もありますし笑
でも実際のところ、僕は優しすぎる位優しいです。
特にこの10年、もちろん自分にもスタッフにも厳しい面はあるでしょうが、有り余って優しいと思います。
その証拠に、この10年でジラソーレから独立した(独立できた)スタッフは一人もいません。
逆に僕はこの10年間で、過去最高の伸び幅でスキルアップしたと思います。
料理人としても、指導者としても、経営者としても。(利益の出し方はまだ習得してませんが、潰れない工夫の引き出しは相当増えました)
そしてまだまだ成長過程にいると感じます。
正直、この10年で指導者としてどれだけの結果が出せるか?をかなり意識して取り組みました。
ほぼ結果ゼロですね。苦笑
たくさんのスタッフが来て辞めて行きましたが、僕が思うにジラソーレの仕事が嫌とか、僕が苦手で辞めた人はそんなにいないと自負しています。
おそらく、こんなにがむしゃらにフルパワーで働き続けないと店なんか出来ない現実を見て、考えが変わった人がほとんどだと思います。
そして確かに、この店舗に移転してからの仕事量(僕の)は尋常じゃなかったと思います。
6人から8人で運営する予定の店でしたから、人手が足らない時は3人分くらい働かないと店として成立しません。
前回のコラムでテイクアウトを一旦中止にするご案内をしましたが、ポイントはここなんです。
いずれまた6人から8人で働くのが前提なら、6人から8人雇える売り上げが必要です。
住宅地で商売をしてますので、お客さんの入りは少なからず波があります。
1週間の間でも波がありますし、年間通しての波もあります。
ビッグウェーブを掴むにはスタッフがたくさん必要ですし、静かな時期でも何らかの売り上げを作るために、テイクアウトやカジュアルなパスタランチも用意しました。
しかし、実際これだけの仕事を4人、5人でやり続けるのは無理があります。
今回の改革は実際に長く働いてくれている中心メンバー4人プラスαで、どれだけステキな事が出来て、どれだけお客さんに喜んで頂けて、どれだけスタッフも幸せになれるかを考えまくります。
そして僕個人の目標は、人を育てると言った大層な事は考えず、自分がどこまで高みに登れるか挑戦します。(もうスタッフを雇わないということではありません)
それがきっと、僕にもスタッフにもお客さんとってもいい事だと思います。
そして自分が料理をする事によって、少しでも社会貢献出来ればと思います。
原発問題、環境問題、食の安全、水産資源、生産者や生産地の価値向上、これらのテーマに料理人ならではの貢献が出来るよう尽力したいと思っています。
この考えの根底に、知れば知るほど惹かれる瀬戸内海や兵庫県の豊かさ、歴史、文化を大切にしたい気持ちがあります。
皆さん、知ってますか?
・どれだけ魚が減ってるか?
・食べても絶対安心な食料を揃える難しさ。そして今後更に難しくなります。
・何故明石の鯛が美味しいか?
・何故赤穂の牡蠣が美味しいか?
・冬が旬のヒラメがごく一部の湾で真夏にめっちゃ美味しい理由。
・瀬戸内海にもスナメリ(イルカの一種)が住んでるの知ってました?
スナメリは瀬戸内海での食物連鎖の頂点です。
故に汚染物質も体内に溜め込みやすく、個体数はかなり減ってます。
(瀬戸内海の環境保全のシンボルです)
・瀬戸内海の平均水深知ってますか?(31メートル)深いとこで400メートル強。
・瀬戸内海の面積は大体四国と同じ。
・ちなみに日本海の平均水深1600メートル、最深部は3700メートル以上。
富士山がすっぽり入ります。
頭のおかしいどこぞの知事が、大阪湾に原発の処理水を流そうと発言してましたが、これを見ればそんな希釈能力がある容量でないのは歴然ですね。
汚染物質は海底に蓄積されますが(海の養分も海底に溜まります)、瀬戸内海の特徴として水深が浅く、強く複雑な海流が海底の養分を適度に巻き上げます。
これもこんな小さな内海なのに上質な魚が獲れる理由でもあります。
海の養分と一緒に放射性物質もよーくかき混ぜる事になるという事は、食物連鎖でスナメリの上をいく僕らは、超効率的に濃縮汚染物質を摂取する事になります。
そして忘れてはいけないのが、世界中の海は繋がっていること。
全世界の海洋の表層と深層の循環、ブロッカーのコンベアーベルトというそうですが、おおよそ1000年から2000年かけて世界中の海水は一巡する循環機能があるそうです。
どうですか?
僕は反対です。
これからは、これらの問題やテーマに真正面に向かいます。
美味しいのは当たり前。その先にあるもの、そしてすべての根源である自然の豊かさを表現したいと思います。