芦屋のイタリア料理とイタリアワインのお店

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レストランにはサービスの時代が来る。そして僕のテーマは郷土愛

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レストランにはサービスの時代が来る。そして僕のテーマは郷土愛

今日は少し湯浅の話から始めます。

当店のソムリエである湯浅もジラソーレに来てもうすぐ5年になります。

今まで如何なるスタッフが働いてくれてた時も、どうしても僕が料理の手を止めてでもフロアに出なければならないシーンがありました。

分かりやすい例は、常連さんやクレイジーなワインラヴァーがここぞというワインを選ぶ時、

ジラソーレのミスで多大なご迷惑をお掛けしたお客様がその次にご来店下さったときなど、例を挙げるとまだまだあります。

究極を言えばどんな些細な理由でも、

何なら理由なんかなくても出来るだけフロアにいた方が喜んで下さるお客さんは結構いらっしゃいます。(そうなると永久に料理出て来ませんが笑)

湯浅がジラソーレに来た当初も漏れなく出来る限りホールに出なければと思っていましたし、

本職のソムリエを雇ったにも関わらず、

しばらくはワインの仕入れ、管理、料理との相性を踏まえた提案などまあまあ僕がしてました。

ある程度時間を掛けてですが、今はワインに関わる仕事全部任せてますし、

顧客管理というと言葉悪いですがご来店頂いたお客様の全情報を把握してくれています。

(勿論データ化してですが)

一言で現すなら信頼でしょう。 湯浅はソムリエとしてのスキルも優秀だと思います。

(特にペアリングの提案はかなり良いと思ってます)


しかし僕の信頼を勝ち得た一番のポイントはソムリエである前に、サービスマンである事。

ワインが出てるテーブルと、出てないテーブルとでサービスのクオリティが変わらない事。

ワイン好きのお客さんとはワインの話になりますが、

ワインを飲まないお客さんとの距離を縮める為に、料理や素材、器の勉強もしてます。

僕が市場や競りや陶芸家さんのとこに行く時もついて来て、僕が湯浅に説明した事を

インプットするのではなく、自分自身で感じとりお客さんに伝える工夫をしてくれています。

それを経て僕が湯浅を全面的に信頼してるのをお客様も感じて下さり、

湯浅の提案に耳を傾けて下さってるのだと思います。

ちょっと考えたら分かる話ですが、 10年20年通ってるお客様に勤め始めて直ぐのスタッフが

何か提案しても、あんた誰?って話です。 厨房のスタッフが辞めたり変わっても、

僕が居れば殆どお客さんに出る料理は変わらないか、

むしろ僕一人で作る方が良い面もあるでしょう。

ちょっとお料理に時間かかるとか、選択肢が少し減るとかくらいですかね。

でもサービスのスタッフが変わるとお店全体の印象が変わります。

つまり優秀なサービスマンが長く働いてくれるというのは、

レストランにとって 物凄く大切な事なんです。

そしてそれはお客さんにとっても、居心地と直結するはずです。

湯浅がこれまで僕が抱えてた事務仕事やワインの管理の仕事をしてくれる様になり、

僕は一層料理に専念出来るようになりました。

特に考える時間が増えました。

この数年は昔からテーマであった瀬戸内の魚介が、テーマから主題に変わって来ました。

子供じみた言い方ですが、瀬戸内海が無性に好きなんです。

特に明石浦に通い出してから、産地と繋がって料理出来る幸せは料理人にとって

最上の喜びなんだと気付きました。

漁師さん、魚屋さん、農家さん、羊飼いさん、肉屋さん、ハンター、今ジラソーレに食材を

送って下さる生産者さんは、僕がどんな料理を目指してるか理解して下さってる方々ばかりです。

『ジラソーレにはこれを。』

こんな生産者さん達の思いが僕の厨房に届きます。

ですので料理の説明の時、僕の工夫より素材の話、産地の話、生産者さんの話がしたくて堪りません。

あまり説明が長いと料理冷めちゃいますし難しいところなんですが、

今のジラソーレの料理は今やチームとなった生産者さんたち抜きでは絶対成り立ちません。

もっと彼らの話しがしたい。僕はそんな気持ちで料理してます。

話し出すと2時間でも3時間でも話してしまいそうですが、

その全ての思いと情報、風景までも料理に込めています。

そして色んな生産者さん達と情熱とプロフェッショナルの交換をしているうちに、

何とも言えない仲間意識と地域愛が生まれてきました。

その関係が長くなって来た現在、僕の中にははっきりとした[郷土愛]があります。

お分かりでしょうか?

日本の極上の素材はイタリア現地の料理法に当てはめてもイタリア料理にならないと気付き、

思いっきりイタリア料理、ナポリ料理から離脱して食材と向き合った結果、

一周回ってイタリア料理の究極のテーマに戻ったんです。

そう、郷土愛です。

その思いから『瀬戸内ナポリ料理』というテーマで料理人人生突っ走る決意をしました。

こんな感じでジラソーレの料理はレシピとかテクニックとか流行りとかは重要でなく、

産地感、素材感、季節感、この3つだけを大切にしてます。

生産者さんたちも、それなりに素材の説明をしてくれますが、

それ以上に手に取った時の素材のパワーやオーラが伝わります。

同じように、僕も料理に魂を込める事が一番のお客さんに対するサービス(パフォーマンス)かなと

思いますし、そう思うと厨房から離れにくくなりますし。実際最近は中々厨房から出れてません…

かと言って生産者さん自慢をしなくなると、お客さんが料理美味しい!って褒めて下さったら全部僕の

手柄みたいになるのが嫌で、今のチーム誰か抜けても成立しない事をお伝えしたいと切に思います。

そして兵庫県にお住まいのお客さんは、兵庫県ってごっつい豊かなところやなと、

鼻が高い思いをしてくだされば最高ですし、遠方からお越しのお客さんも兵庫県やりよるなと思えば、

地元に戻られた時、地元の名産物に目を向けたり地元で頑張ってるお店を応援して下されば素敵です。

僕は兵庫県ラブですが、例えば鹿児島行ったら鹿児島も中々やりよんなぁと嬉しく思いますし、

鹿児島で地元愛の強い料理人の鹿児島愛を聞くの大好きです。

こんな感じで日本中、そして世界中が地元愛で満たされると戦争は減ると信じてます。

自分とこを愛せるからこそ、よそにもリスペクト出来るはず。

話は大きくなりますが、実は僕が料理するモチベーションの先にはこの様に世界平和があります。

ですので皆さん、こぞって食べに来てください。もしかしたら世界平和に貢献できるかも知れません。

それから、僕と湯浅の二人では

チームジラソーレの暑苦しい生産者さん達の思いが伝え切れない位大きくなってきました。

突き詰めれば世界平和。

その第一歩の為のサービススタッフを募集してます。

ジョンレノンは歌で愛と平和を伝えましたが、

ジラソーレは料理とワインで愛と平和を伝えます。

この話に共感出来る変わった方いらっしゃったらご連絡下さい。

世界平和とか言っちゃってますが、この料理は瀬戸内海の平均水深が約38メートルと聞いた時、

そんなに浅いならマグマで沸騰させれるんちゃうか?と想像したのが始まりの料理です。

生態系や生息地もイメージし、一番底にタコのラグー、その次にイカの墨煮を重ね、7.8種類の魚介で

取ったスープを注ぎ、カワハギの肝入りのベシャメルソースを乗せてグラタン仕立てにしてます。

その後炭火でサッと焼いたカワハギ、ハリイカの新子、地のエビを盛り付け完成です。

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