きっかけ・・・ ~ソムリエ湯浅のワインが飲みたくなるコラム~
きっかけ・・・ ~ソムリエ湯浅のワインが飲みたくなるコラム~
2 0歳になってしばらく経った頃、当時勤めてたイタリア料理店で
オーナーシェフからワインを味見してみるか?と言われました。
『はい。』と返事しました。
頭が固かった当時の私は、さほどワインに対していいイメージが何故かありませんでした。
それは単に自分の経験不足や固定概念だったなと今ならすぐわかります。
恐る恐る差し出されたワインに口をつけてみました。
※画像はイメージです。
そのワインはお店で、1番リーズナブルな価格のグラスワインの白でした。
いわゆるハウスワインの様な位置づけでした。
・・・!!!
なんて、美味しいん!こんなに美味しいなら、これからもワイン飲み続けたいわ!
リーズナブルなワインでこんなに感動するなら、
他のワインの味って一体どんな感じ!?
これなら私お酒そんなに強くないけど、ずっと飲んでいきたいわ!
と、強く思った瞬間でした。
それからは、当時のオーナーシェフの後ろにピタッと張りつき、ワインの説明を一言一句メモをしました。
このワインは、こう説明してるんだな。とか、こんなワインが欲しいと言われたら、これを出してる事が多い、
このお料理の時はこれを出してる、このワインはこのお客様は必ず飲む。
そんなメモでした。
さて初めてちゃんと口にしたワインですが、
ラベルを見て読みやすいところを口に出して読んでたので
〝コルヴォ オニリス〟って言い続けてました。
年齢を重ねるとワインには呼称名があったり、それは造り手さんで、それはワイン名だなとか分かるようにはなりましたが、
当時は読める文字がワイン名!としか出来ませんでした。
そのワインを今調べてみますと
シチリア IGT コルヴォ 〝オニリス〟。2003
ワイナリーの位置は、イタリア南部の島 シチリア州のパレルモ県、カステルダッチャ。
地図を見たら北西ですね^ - ^
グーグルマップで場所を調べるのも楽しいです。
1824年創業の歴史ある大きなワイナリー “ドゥーカ ディ サラパルータ社”が手がける
コルヴォはリーズナブルなだけでなく、品質を保ち、そして日常に寄り添うワインのシリーズです。
収量も制限したりと品質を高める努力も長期にわたって継続しておられるようです。
コルヴォブランド以外にも、マルサラ酒の第一人者フローリオ社と統合し、より大きな巨大ワイングループとなりました。
その時のワインの味わいを思い出しながら、
その白ワインをジラソーレの杉原シェフのお料理と楽しむとするなら、
このムール貝とお米のサラダも良さそうですし、
お魚のフリットとも楽しめそうですね!
価格帯的にお家でデイリーに、重宝されそうなワインのシリーズだなとも思います。
話は戻りますが、〝オニリス〟はギリシャ語で〝夢〟という意味。
私は、夢という名のワインを口にした事で、やりたいことが明確になって、突き進む事になりました。
私が最初に口にしたワインはシャルドネでもなければ、ソーヴィニョンブランでもなく、リースリングでもない
“インツォリア” “グリッロ”というイタリアの土着品種でした。
ちなみに赤ワインはカベルネソ-ヴィニョンでも、ピノノワールでも、メルローでもなく“ネーロ ディ トロイア”です。
この当時は、フランスワインがワインの教本の大半を占めてるなんて知るよしもなく、
イタリアワインが世界の中心だと思い込んでいた私でした。
ソムリエ試験の存在を知って、勉強するために開いた教本でイタリアのページ数に驚きました笑
さて、ジラソーレにはこのシチリア IGT コルヴォ 〝オニリス〟。2003というワインはございませんが、(現在は取り扱いは日本ではないようです。)
同じ造り手、ドゥーカ ディ サラパルータ社のフラッグシップ的ワイン
“ドゥカ エンリコ シチリア IGT 2011”はボトルワインでございます。
こちらは赤ワインです。
(シチリア南にあるスオールマルケーサという畑で収穫された葡萄のみを使用)
こちらのワインは、初めてシチリアで“ネロ ダーヴォラ”というぶどう100%で造られたワインと言われています。
この葡萄はシチリアの土着品種、シチリア南にAvolaという場所がありますのでアヴォラのネロ(黒)、
葡萄や造られるワインが色濃い事からそういった名前が付いたとシチリアのワイン生産者さんはおっしゃってました。
このワインは、その名の通りエンリコ公爵(ドゥカ)に捧げられたワインです。
フランスボルドーで醸造技術を学び、その後もドゥカ ディ サラパルータ社に最新技術の導入やフランスから専門家を招いたりと
様々な貢献と功績を称えられ、このワインが誕生したそうです。
2011年、いい年だったとワインの生産者さん達はおっしゃってた年です。
若くして飲んでも美味しいワインを造る葡萄品種ですが、
ここまでしっかり造られたワインは10年の時を経て、どんな味わいに変化しているのかも楽しみです。
しっかりめの前菜からメインディッシュがお魚の時も、
お肉のグリルなどでも1本通して楽しんでいただけるのではないかと思います。
白ワインを飲みたい時はグラスで追加していただくという計画をおすすめします!
では、最後までお読み頂きまして
ありがとうございます。
次回は、
〝何だか懐かしいワインのお話〟です。