芦屋のイタリア料理とイタリアワインのお店

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お陰様で無事に15周年を迎えました。今後もよろしくお願いいたします!

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お陰様で無事に15周年を迎えました。今後もよろしくお願いいたします!

決して順風満帆な15年ではありませんでした。

お店が火事になった事もあれば、ガス爆発したこともあります。

詐欺にあったこともあるし、裏切られたことも。

どんなに頑張っても成果が見えない時期もあったし、頑張ろうにも、本当にお客さんが来ない時期もありました。

精神的にも、金銭的にも、体力的にも何度も限界まで追い詰められました。

これらの困難に毎回全力で立ち向かい、その度に生きる知恵と、生きていく耐性がついてきました。

ウイルスや害虫と同じですね。

どんどん強くなる。

それでもいまだに、その耐性をもってしてもすべて持って行かれそうになる日もあります。

人間ですから。

 

なぜそれでも店が続くのか?

続けられるのか?

 

答えは2つのシンプルな理由です。

ひとつはどれだけ大変な思いをしても、それを0.1ポイントでも上回る感動や発見、物作りの人間としての喜び、人の繊細さや気遣いに出会えるからです。

15年のうち3年くらいは、どうにもならない年もありましたけどね。

連続三年じゃなかったから続けれました。

これは運です。

目的はどれだけ嫌な思いをしないかでなく、どれだけ自分の感情なり感覚が、魂が揺さぶられるかです。

そういう意味で、レストランのオーナーシェフほどエキサイティングな仕事はないと思います。

 

もうひとつは、こんだけ料理ばっかりしてると料理しか出来なくなりますが、料理を通じて沢山の事が出来るようになりました。

僕が料理をすることで、他業種と繋がるようになりました。

僕の専門性が、他業種の専門家に必要とされる。

これは素敵な経験です。

こういった仕事の依頼は、勤めていたら受けれません。

気が遠くなる責任を背負ってでも、責任さえ果たせば自由です。

今の過密スケジュールも僕の自由。

出来ればこの自由は手放したくないと思います。

 

このように振り返れば激動の、でもドラマチックでロマンチックな15年でした。

後ほど写真でご報告しますが、先日の2デイズ15周年イベントも華やかで、最高に楽しい会になりました。

節目の日として、本当に幸せな気持ちになりました。

15年ジラソーレを続けてさせて下さり、本当にありがとうございます。

 

が、しかーし。

早速前を向こうと思います。

まだまだピークを迎えていません。

2日で30匹近いオマール海老を料理しましたが、沢山の新たな発見がありました。

人生でオマールの理解度今が一番です。

 

料理人として。

よく「杉原さんってブレないですね~」と言われますが、実は細かくずっとブレてます。

自動車のハンドルみたいに。

行きたい場所はコロコロ変わっていませんが、日々微調節です。

 

今年の始めに、この人天才やなというフレンチを東京で食べました。

いわゆるクリエイティブ系と評されていますし、食材の組み合わせや盛り付けも確かに斬新です。

しかし凄いのが、いわゆるチャレンジ料理でないというか、ちゃんとクリエイトしきってるんですね。

凄くイカなのに、間違いなく羊なのにイカも羊も僕に見せたことない表情なんです。

でもまぎれもなく、イカであり羊であるという。。

これがポンポンできる人は凄い。

僕も年に数回、ふっと閃いて新しいお皿が浮かぶけど、そんな料理だけで僕は店を維持できません。

彼の料理を食べて、僕も自分の中の料理人としての作家性と徹底的に向き合いたくなりましたが、ふっと天から降ってくるのを待つことにしました。

やはり方向性としては、この数年取り組んでいる兵庫県や関西の地元の食材に向き合い、ナポリをはじめとする南イタリアテイストで表現する。

これが主軸になると思います。

この数年食材をゼロから理解するために、あえてイタリアやナポリを意識しないようにしました。

2002年に店をオープンしたころは、ナポリ料理を作る、イタリア料理を作る、というのが目的でしたが、今は最強の天然真鯛が目の前にある。それを美味しく食べるための手段として、方法としてのナポリ料理、イタリア料理であるべきだと思っています。

これを僕は理にかなったイタリア料理、理にかなったナポリ料理と呼んでいます。

理りを料る。

それが料理ですから。

ですので、料理の技法や加熱方法などは僕独自のものが増えました。

沢山の失敗や試作の上での答えです。

それが料理なんだと思います。

真鯛が新しい表情を僕に見せてくれたら、新しいナポリ料理が生まれます。

そう思うと、目新しい食材や目が出るほどの高級食材にそんなに興味がいきません。

アワビとあさり、イワシとフグ。

僕にとっては音符のドとかファの違い。

全部愛おしい存在で優越付けれません。

 

この様に、ここ数年食材を理解することに重きを置いてきました。

そのアンテナの高さ、食材に対する繊細さはそのままに、今後は原点に戻りイタリア感をどこまで出せるか、も意識していきます。

創作的な料理を遠慮なくするために、少し前にナポリ料理のコースを復活させましたが、今の頭の中を整理するとコースは1本化するかもしれません。

少し様子を見ます。

 

経営者として。

飲食店を営むにあたって、一番難しいのは人を雇う事です。

これは年々より難しくなってきていますし、改善されることはもうないでしょう。

雇い入れる人材自体も減少の一途ですし、雇い入れた後もなかなか続かない。

何らかの形で少人数で働く工夫は必要になってくると思いますが、それでも僕はできる限りこれからも弟子を取ろうと思います。

今回の周年パーティーに2日連続師匠の平井シェフが来てくださいました。

周年パーティー初日は、ジラソーレ出身の楠戸君が手伝ってくれたし、周年パーティーの2日目は一緒には修行してないけど、僕と同じペペ出身の西宮のリストランテ ダルーポの森シェフが手伝ってくれました。

僕と森シェフは17年来くらいの親友です。

しかし仲が良いだけで簡単にコラボが出来るかといえば、そんな事ありません。

師匠が同じという事は、言語が同じという事です。

非常にコミュニケーションが取りやすい。

それと平井シェフの下では、いちいち一から十まで指示もなければ、打ち合わせも朝礼も何もありません。

見て、感じて、考える事を徹底的に身につけさせられていますから、森シェフとのコラボは無茶苦茶楽しくて、楽です。

もちろん楠戸君ともそうです。

彼がうちを退社して独立した後も、何回かイベントを手伝ってもらっていますが、今回はコラボ、つまり対等の立場で料理しました。

もう弟子扱いしてないというか、変に師匠面するのは止めていましたが、やはり色んな意味で弟子は弟子です。

楠戸君に任せきって大丈夫かな?と少し不安もありましたが、始まってみたらまあ立派なシェフになってましたよ。

自分の店も忙しいのに、うちのイベントの仕込みも完璧にやってきて、初日の超フルコース3回転、見事にやり遂げました。

自店のトラットリア はしまやを開店して8年かな?

想像を絶する修羅場を乗り越えてきたのだと思います。

彼の成長を目の当たりにできたのは、ジラソーレの15周年イベントの中で最も贅沢なことでした。

同じように2日連続お越しくださった平井シェフも、凄くうれしそうな顔をしてくださってて、昨今飲食店はブラックだとか言われますが、こんな素敵な世界もないよな。。。と本気で思いました。

師弟関係は血縁の次に濃いと思います。

 

こんな感じで明確な目標や計画ではありませんが、時間をかけてこのジラソーレというお店を作りこんでいきます。

これからもよろしくお願いいたします!

 

ここからは15周年イベントの様子をご覧ください。

初日

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まずは僕の無茶な企画も嫌な顔せずついてきてくれたスタッフに感謝!

 

 

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この日は3回転だったので、ほとんど写真撮れず。。。

 

 

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沢山の大好きなひまわりに囲まれて、華やかなスタートになりました。

 

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オマール海老割り続けて、タコができるという。。。

 

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大先輩のさくらぐみさんの35周年記念Tシャツを着て挑みました。

僕らも目指せ35周年!

 

2017615223426.jpg結局朝一から仕込みして、準備して怒涛の3回転。

休憩も賄いもままならない一日でした。

深夜3時半ごろ終わらない片づけに見切りをつけて、唯一開いてるファミレスへ。

あまりに全員疲れてて、まさかの全員食べながら寝落ち。

まず藤本が復活、完食。藤本に起こされ僕も完食。

藤本を先に帰らせ、ずーっとこの二人を起こすも、全く起きない。

もう30分は寝てたかな?最後は文字通り叩き起こしました笑い

良いか悪いか分かりませんが、青春真っ盛りです。

 

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楠戸君もほぼ寝ずの参戦。ありがとね。

うちのスタッフもこの日のために連日遅くまで仕込みしてくれました。ありがとね。

 

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前日、結構緊張と不安が高まってるときに、京都のカデルヴィアーレの渡辺シェフがわざわざ激励にお越しくださいました。フェラーリのマグナムボトルのプレゼントまで。。。シェフ、ありがとうございました!

 

 

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芦屋が誇る和食の2つ星、京料理たか木の高木シェフも激励に!

高木シェフのセンスに脱帽! 兄貴、ありがとうございました!

 

初日は、写真撮る間もなく、ずーっとバタバタしてましたが、大成功だったと思います。

6品中3品楠戸君が作ってくれたので、僕もお客さんの所に少しは出れました。

 

2日目

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この日は前日の片づけから始まりましたが、営業は夜だけだったのでまあまあ余裕あり。

記念撮影まで笑

森シェフの奥様、美保さんも手伝いに来てくれました!感謝!!!

 

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敢えて愛を込めてこのおっさんと呼びますが、こう見えて料理は繊細です。

最初はなんぼ仲良いからといっても、アウェイ感感じさせたらあかんなーと結構気を使っていましたが、森さんコーヒー飲む?って聞いたら、じゃあカンパリソーダでって。

気つこて損したわ笑。

 

 

 

 

 

 

 

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この日も緊張してましたが、相方が頼もしいとプレッシャーすら楽しめます。

仕込み中もずーっと冗談。

 

 

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この日のメニューはジラソーレから前菜の盛り合わせ(写真忘れました)

 

 

 

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ダルーポさんからウサギとズッキーニのフリット

 

 

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ジラソーレから小タコの煮込み

 

 

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ダルーポさんから今年初のポルチーニ、ジロール、サマートリュフのリゾット

 

 

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ジラソーレからオマール海老のノッケッテ

 

 

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ダルーポさんから渾身の鳩

 

 

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ジラソーレから子豚の丸焼き201761618158.JPG

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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師匠の平井シェフと

 

 

この後22時ごろから同業系の友達、先輩、後輩がたくさん来てくれまして、お開きは予想通り午前4時。

盛り上がりすぎて近隣からの苦情でお巡りさんが来ましたが、その対応もいつの間にかお客さんがしてくれてました笑。

ご近所の皆様、つぎ20周年まではこんなにバカ騒ぎしませんのでお許しを。。。

 

ほんとに料理人になって良かった。

ジラソーレして良かった。

皆さんと出会えて良かった。

 

心からそう思った夜でした。

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