2013年10月
よっしゃー!これでどうでしょう??
今年の夏は暑かったですね!
この台風フィーバーもそのせいらしいですね。
漁師さんは勿論、農家もえらいダメージ受けてます。
暑さのダメージは野菜だけじゃなさそう。
八月下旬から9月上旬に屠畜された去勢牛が、中々いつものレベルに達しない。
先月号のあまから手帳のビステッカ特集で大きく紹介して頂いたのに、9月中はあまりお出しできませんでした。
でも、また勉強になりました。来年からは夏の間、北の産地の肉を探そう。
実際8月中下旬に来た牛肉は、北海道産でこの時期では群を抜いて良かった。
もうそろそろ抜群の肉が来るはず。
あまから手帳さんのおかげで、沢山のお問い合わせを頂きながらビステッカをご用意出来ませんでしたが、納得できない質の物を、期待してお越しになられる方に出さない勇気を持てた事も良かったと思います。
最近、立ち止まる大切さに気付きました。
突っ走る性格ゆえ、色んな事を見失いがちなのかもしれません。
突っ走るのを止める訳ではありません。
ただ、時々立ち止まって、向かっている方向が正しいか確認しないと。
今の政治みたいになってしまう。
ずっと、より良い店作り、より良い料理を目指して来ましたが、どんなにお客様の為という大名義でも突き詰めすぎるとヒステリックになります。
何十年も続く名店は、生き残ったタフさと時代に合わせるあそび(柔軟性)、そしてその店独特の緩さみたいなんが、ある気がします。
その店のペースと言っても良いかも知れません。
ここで、これからも突っ走る宣言をいたしますが、これからはあくまで自分のペースで突っ走ろうと思います。
現代の世の動きや、流行すたれの速さ。
もうこれには、ついて行くの無理でしょ。
今までもそんなに気にしすぎて生きて来た訳ではありませんが、今後全く気にしません。
この速さを心地よく思っている人類なんて、居るはずありませんから。
人間としても、料理人としても、店づくりも自然体でいたい。
僕はガツガツした人間ですし、ギラギラしていたいし、もっと料理も上手くなりたい。その努力は惜しみません。
でも、全てのニーズに応えるとか、時代を先読みするとかはもういい。
どんどん自分らしくなくなります。
価格.コムや食べログみたいに常に比べたり、比べられるのに慣れると、どうしても平均化しがちです。
良く個性を伸ばすだとか、個性を生かすと言いますが、僕は疑問に思っています。
個性ってどんな環境下でも、どんなに抑制されても滲み、溢れ出てくる物ですよ。
そろそろ本気で殻を破ります。きつくて仕方ない。
この殻はきっと、世の中から身を守る為に自分で作った殻なんです。
でも、もう要らない。
例えば、一昨年あたり狂ったようにジビエをしてました。
今思えば、ジビエで武装してたようなものです。
ナポリはそんなにジビエ食べません。
イノシシ位かな。良く食べるの。
でもジビエの時期にジビエしてなかったら、なんかイケてない店に思われるかな?とか料理人としても、このままあまりジビエを調理せず人生過ぎて行くのも抵抗がありました。
結論的には色々やってみて良かった。
すごく楽しかったし、すごく勉強になったし、すごくジビエが好きになりました。
で、コンプレックスも無くなると無理に絶対しなければならない物では無くなりました。
今年もしますよ。
でも、ジビエ料理すんのと、イワシ料理するのに差がなくなりました。
どっちも楽しいし、難しいし、やりがいがあります。
世の中のジビエに対する価値観を押し付けられる強迫観念からの脱出。
僕自身もトリュフ好きだけど、トリュフ無くても全然困らない事に気づいてからのトリュフの使い方。
うん、自然体です。
塊肉を焼くマイブームも決して終わっていませんが、お一人様には無縁な料理で、またお一人様の常連さんどんだけいるねん??と立ち止まったらこんな塊ばっかりのメニューはダメだと、痛く反省しました。
でも何とか、お一人様にも塊的なお肉を食べて貰いたい。。。
でも、そもそもその方は塊肉に興味あるのか?
何を求め来て下さるのだろう。
またある人は、何を求め、期待して2週間も3週間も前から予約して下さるのだろう。
そして何故料理もおまかせにして頂けるのだろう。
と思えば、どんなスイッチが入って今から10分後いけますか?と電話を下さるのだろう。
非常に高い位置で、平均化と言いますか皆様に同じ物(同じ質の物)をお出ししようと頑張っていますが、かなりの無理が生じます。
でも解決方法が見つかりました。同じ物が無理でも同じレベルの物はお出し出来るはず。
21年イタリア料理してますのでレベル21としますと、前もってご注文頂いた特別料理もレベル21なら、アリオ、オリオ、ペペロンチーノやカルボナーラもレベル21です。
むしろ何千回と作ってきたベーシックな物で、衝撃を与える自信がある。
それが21年間、体調悪い日も、失恋した日も、交通事故で救急車で運ばれた日でさえも、休まず働いてきた僕の財産じゃないかと思います。
急なご予約、ご来店も大歓迎。
HPに乗ってるメニューはもしかしたら売り切れてるかもしてません。
でも代わりに、カルボナーラや、ペペロンチーノ、ポモドーロなど等、なんか作ります。
21年毎日現場で最前線にいる僕のポモドーロ、そして僕のジビエなりそれなりに仕入れから苦労してる特選食材を朝から、下手したら前日、前々日から仕込に掛かってる料理。
どっちも僕の料理で、嘘偽りのない僕の履歴書です。
常に気軽に来たい方、常にお気軽にお越しください。
常に前もって予約し、多大な期待を抱く方、これからも前もって予約頂いて、多大に期待してお越しください。
常にオーバーアチーブ目指します。
今後の展望として、アラカルトをもう少し充実させます。
レストランの基本、食べたい物を食べたいだけどうぞ。
そしてコースはよりコースとしての完成度と楽しさをアップさせます。(予約制になります。)
ざっくりとふたつのテーマをご用意します。
1、南イタリアの地方料理のコース (実際イタリアに行かないと中々食べれない物多数。)
2、ジラソーレ流、特選食材を駆使した南イタリア料理 (世界中ジラソーレでしか食べれません)
ご予約の時にお好みやリクエスト(例えば、ディープな南イタリアの地方料理が食べたいとか、お祝いの席なのでちょっと華やかな料理がいいわね等)、勿論食材のリクエストもお応えできるだけお応えしながら、内容はおまかせ頂こうかと思っています。
これが一番自然体で全力疾走できるんじゃないかなー??と思います。
ジラソーレと言えばパッケリ。パッケリと言えばジラソーレ。
パッケリ王子と呼ばれてるかどうかは知りませんが、潮の香りのパッケリ。レジェンドです。
ジラソーレコースで。
最後まで読んで下さったら、結構いらっしゃると思います。どっちものコースからも食べたいもんあるわ。
それが狙いです。一回の来店で、一軒のレストラン制覇するのは無理です。
また来てください。
もしくはアラカルトで気が済むまで注文してください。
死ぬほど色んな角度から、お店の利益、お客様の利益、従業員の負担、料理待たせすぎないか等ホント考えまくりました。
取りあえず現時点で、これがベストな気がします。
このシステムに近いうちに代わります。
地方料理のコースは、5800円、6800円です。品数がお値段で変わります。5800円は食の細い方ようにご用意いたしました。
ジラソーレコースは、6800円、7800円です。 品数が変わります。6800円は食の細い方ようにご用意しました。
イタリア好き
不満量一定の法則というものがあるそうです。
人間、個人個人でその不満量というものは違うらしいのですが、必ず一定の不満を抱えたがるという説です。
なんか不満があってストレスを感じたり、友達や家族に愚痴ったり、悲劇のヒーロー、ヒロインになった気になったりしてるうちに、その問題、不満が何らかの形で解消されてしまうと、今まで気にもしてなかった事に不満を感じたり、気になって仕方なくなるそうです。
つまり、新しい不満を探してまで抱え込もうとするそうです。
これを読んだとき、あー、ホンマや。と思いました。
自称、能天気王子、ポジティヴ星人、アスタマニャーナですが、同時にいい歳して、急に尾崎豊並みに世の中に苛立ちを覚える15の夜な僕。バイクは盗みませんが。。
自営業をしていると不満量一定の法則もですが、不安量も一定、または右肩上がりの法則を示しますね。
この説に同意する方もいれば、否定する方もいるでしょう。
僕は、中々言いえて妙だと思います。
まあ、ある意味人間の本質だったり、ポジティヴに見ればリスクマネージメントと言いますか、危機管理能力といいますか、安泰を良しとしない本能の表れなんでしょう。
もし、嫌でも不満量が減らないのが性なら、でもそれに支配されず楽しい事、ワクワクする事も一定量以上持ち続ければ人生±多分プラスやなと気づいた39歳の秋。
で、僕は何が好きなんや?と自問自答。
料理と女性。
で、気づきました。だから上手い事行かないんやと。
勿論料理止める訳でもなければ、男色に走る訳じゃーありません。
ただ、どちらもひじょーに難しい。
もっと、考えただけで1秒でワクワクして楽しい気分になれるものは???
あ、!イタリアやーん。
もっと言うたらナポリやーん!!
と気づいた次第です。
いやいや、まだまだ料理を通じてイタリア、ナポリの楽しさ、素晴らしさを紹介、表現できるはず。
2,3年前からジビエを良くメニューに載せるようになりました。
何でか?
リクエストが多いから。
ライチョウ、山鳩、ヤマウズラ...まあ南イタリアではなじみがありません。
それでも料理人として期待されたからには応えたいし、僕自身も多大に興味がありました。
勿論、僕なりの南イタリアらしい仕立てを考え、完成度も良いと思います。
今年もボチボチ始めます。
でも、初めてジラソーレ来たら、タコやイカ食ってください。
ナスや、ズッキーニ、豆各種食べてください。
カリフラワー、ブロッコリー、アサリ、ムール貝食べてください。
小魚、チーズ、トマト食べて下さい。
毎日焼いてるパン食べてみてください。勿論、バターも何も付けず。
パスタ、絶対食べて下さい。
余裕があればリゾットも。
これからの時期、ポレンタ食べて下さい。
得意です。南も食べますよ。
仔羊食べてみて下さい。
皮付きの子豚食べた事あります??
普通の鳥も、ウサギも良くメニューに載ってます。
馬肉もあるし、自家製ソーセージもモッツァレラチーズ入れたりもしますし。。
内臓料理も冬場は大活躍。
イノシシ、シカは兵庫県有名です!
この上、ライチョウとかってやっぱり不満量一定の法則の先にたどり着いたのかなー?
いや、常にオーバーアチーブを目指してた結果だと胸を張りましょう。
しかーし、食わず嫌われ者の豆やウサギの素晴らしさを僕はどんだけ伝えれただろう。
僕もイタリア行くまでは、豆もウサギも美味しいものだとは思っていなかった。
もっと言えば、ポルペッタ(ミートボール)やナスのパルミジャーナ(ナスとトマトとモッツァレラチーズの重ね焼き)の信じられない美味しさを、どこまで広めたかな?
塊肉に凝ったのも、イタリアは塊で肉も魚も料理して、大勢で食べる。その美味しさと楽しさに心奪われたから。
今でもその美味しさは自分の店で再現できてるけど、楽しさまではどうでしょ?
んーーーー!
なんか見えてきました。
僕の心を奪ったイタリア。
この素晴らしさをきちんと伝えられたら、皆さんだって心奪われるはず。
うん。イタリア好き。これは揺るがないな。
皆さん、イタリア好きという雑誌があるのご存じですか?
信じられないクオリティーなのにフリーペーパーなんです。
当店にも置いてますので、是非お取りください。
雑誌は写真と文章でイタリアの良さを伝えます。
イタリアの豊かさ、かっこよさをもっとも上手に表現してる雑誌のひとつです。
目下、この雑誌が僕のライバル。
この雑誌、食と人でイタリアを伝えるのが手法です。
美味しそうな家庭料理、地方料理が満載。
ホントに食べたくなる。
うちは実際にレストラン。香りもあればホントに味わえる。
こりゃー負けてられない。