芦屋のイタリア料理とイタリアワインのお店

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んー!たまらん!!

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んー!たまらん!!

人間、好きな物に携わっている時は時間を忘れます。
そして我を忘れ、周りの事も気にならなくなります。
 
休息も大事ですが、好きな事に夢中になる。素敵な事です。
 
ただ、本人にとって素敵でも、周りにしてみればそうでも無いかもしれないので注意が必要です。
 
例えば、
・女性のショッピング。 ≪最初から最後まで、何の疑問、不満、不安を抱かない男性は悟りを開いてらっしゃる!≫
・僕のほぼ全ての飲み友達にとっての酒。 ≪そろそろ帰ろうか?という所からやたら長い≫
(特に、ルーポの森さん、イタショクの直さん、チーロの小谷さん。この3人には、帰巣本能が無い。あ、カサレッチョのファブリッツィオも負けてないなー)
・釣り ≪家族に白い目で見られています≫
・料理 ≪気が付くと18時間位働いている事が多い。≫
 
全て当事者以外、周りは大変ですね。
僕の場合、料理は職業ですので本人は良いんでしょうが、スタッフは堪らないかもしれません。
実際、続く人少ないですし。。。
 
でも逆に、仕事やと思うからしんどいんですね。遊びやと思えば、今日も18時間も料理して遊んだ、今日も18時間釣りして遊んだ、18時間ショッピングしたというと悲壮感はありません。
 
まあ、こうなるのが理想ですが、それでも12時間もすれば十分なのかも知れません。
 
前回は、僕のナポリ馬鹿っぷりを少し書きましたが(連載ものになります。食材や料理のネタに困れば続きを書きます。) 
それ以前に料理馬鹿です。
深夜2時頃帰宅して、リゾットが食べたくなったら、そっから家で出汁取るとこからリゾットだって作ります。
休みの日も外食か、僕が家で料理作ります。
趣味は釣りとBBQ.
トイレの中まで料理の本だらけ。
 
でも、自分でそんなに料理馬鹿という自覚があった訳ではありません。周りに言われて、あーそうなんやと思った次第なんですが、
それでも、自分で気付く時もあります。あー、なんて料理って楽しいんやろう!!!って。
 
よく、料理人の幸せはお客様に喜んで頂く事、といいます。
もちろん凄まじく大きな喜びかつ、やりがいです。
 
僕には、同じくらい大きな喜びがあります。
それは、これっ!!!という食材を触っている時です。
今は、パセリ一つ、セロリ一つまで、これっ!っていうのを使えるようになりました。
ホンマに幸せな事です。
逆に、これっ!ていうトマト、これっ!ていうセロリが無かったら無理に使わなくなりました。
 
常に良い食材で囲まれている毎日ですが、そこからさらにテンションを上げてくれる食材。
決して、フォアグラやトリュフみたいな高級食材ではありません。
一見身近な食材でも、触っててぞわっとするのがあります。
 
このぞわってするのがたまりません。
まだ、お客さんが来ていない仕込みの段階でこんなに充実しているんですから。
 
では、最近僕を興奮させたエキサイティングな食材をご紹介しましょう!
 
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ミミイカ。
イワシにしろ、ミミイカにしても市場評価が低すぎる。
安いのはありがたいですけど。。
 
日本の魚介類は、刺身にして旨いかどうかで価値が決まっている様な気がします。
 
料理しない方にとって、なんて事の無いこの写真。むしろ美しくは無いかもしれません。
が、しかーし!
 
こんな旨いもんありません。
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ミミイカクローズアップ!
頭の先から足の先まで精々3-5cm。
目とくちばし取って、あとは切らずに丸ごと使います。
 
茹でても良いけど、やっぱりフリット。
 
どうせならこれ食って太りたい食材リストの常に上位です。
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ミミイカのお父さん。
嘘です。
 
針イカです。
頭の先っちょに確かにそんなに鋭くありませんが、針状の突起物があります。
 
甲イカ系で一番高級なのは、アオリイカです。まさに刺身視点。
 
イタリア料理でいうと、甲イカ系は針イカがいい。
火を入れても硬くならない、出汁が良く出る、墨がたっぷり取れる等など。
 
アオリは火を入れると、硬くなる、出汁があまり出ない、生はねっとりして美味しい。
しかし、イタリア料理はオリーヴオイルでなんでもねっとりさせますので、そんなにねっとりしてくれなくていい。
ちょっと炙る事が多いですかね、アオリは。
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これこれ!!!
 
スルメイカの小さいの。
アホほど仰山来ましたが、喜々として自ら一箱掃除しました。
 
シェフになると、下ごしらえの下ごしらえは、したくなかったら誰かに押しつける事も出来ます。
でも、料理の精度を上げるには自ら下ごしらえするのが一番。
 
切りものなんかもそうです。
もちろん見習いの方たちに、先ずは教えて行く所ですが、切りもの、つまりはカッティングとは加熱の一工程だと思っています。
 
超低温から超高温まで、当店の厨房で実現可能な温度帯の中で、どんな食材をどう加熱するか。
 
このイカの柔らかさは尋常ではありません。これを狙いどうりのカッティングと加熱で美味しいイカのシコッとした食感の後、口の中で溶けるという食感が実現できます。
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結構小さいですよ。胴のとこで6-7cmくらい。

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イカをケースで買うと必ず小魚が混ざっています。
今回はキス。
 
こいつらは食べません。何故なら一度イカに食われているからです。
 
時々、イカの中に小魚が原型で入っています。
 
そのまま揚げたらどうなるんかなーと思いつつ、未だ試した事ありません。
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演歌のCDのジャケットではありません。
 
ホタルイカです。
生で食べる時は、必ず内臓を抜くようにとの注意書き。
 
しかし、生食文化ですね。
 
当店では生食ではお出ししてません。
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写真では見えませんが、一匹ずつ小部屋の様に分かれた容器に入っていて、しかもドリップが溜まらないように穴が開いています。
 
可愛いですが、何となく軍隊を思い起こさせる整然ぶりです。
 
只今、ホタルイカでスパゲッティをしています。
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全国的に有名になった瀬戸内の赤ウニ。旬は夏です。高いです。
でも本当に美味しいです。
 
こちらは黒ウニ。
同じくミョウバンを使っていないナチュラルでクリアな美味しさ。
こちらは潮の香りのパッケリにどさっと入れています。
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たかがアサリ、されどアサリ。

旬のアサリって何でこんなに旨いんでしょ。
身がぱっつんぱっつん。

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そしてこのムール貝。
この春最大のテンションアップアイテム。
 
普通、僕は国産のムール貝は殆ど使いません。臭いので。
 
ヨーロッパ産の活けのムール貝しか使わなかったんですが、これは凄い。
 
ポイントはというと、ムール貝って汚い海でも良く育ちます。
もっというと、ムール貝をバケツに入れ、濁った海水を入れとくと、一晩で水が綺麗になっています。
 
ムール貝は、海の水を綺麗にします。
 
で、その濁ってた濁りは?
ムール貝の中です。
 
国産の殻の大きいムール貝は、大体美味しくない事が多いような気がします。
 
このムール貝は牡蠣の養殖筏に着いたムール貝です。牡蠣の名産地の。
牡蠣の養殖業者さん的には、養殖筏に付くムール貝は、敵というか迷惑らしいのですが、
僕とすれば、牡蠣が終わったらムールが始まるって感じで、二毛作みたいなんは無理なんでしょうか?
 
まー、美味しい。
もう、ムールはこれ以外使いたくなくなりました。
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はー、これで白ワイン飲みたい。
この貝の汁とパン。絶句。
 
アサリも色んな可能性を秘めた食材です。
しかし、ナポリ風アサリのソテー。
これより純粋にアサリが美味しく食べれる料理は無いと断言しちゃいます。

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