ランチのシステムが変わりました
ランチのシステムが変わりました
年始から予告しておりました通り、ランチのシステムを変えました。
僕的には、かなりしたかった事に近づけたんじゃないかと思っています。
2年前にランチのコンセプトを、トラットリアとしました。
かなり、漠然としたこのコンセプトをどう具体化して行くべきか?
正直未だ手探りの状態です。
日本におけるトラットリアのイメージは残念ながら歪んで来ています。
トラットリアと言うと、リーズナブルでお客さん本位に気軽に食べれるイタリア料理店というイメージが強いですが、
本来イタリア料理のカテゴリーでは、一番ディープで奥が深い、時にマニアックなカテゴリーであるはずなんです。
リストランテとレストランは言葉が似ているから同じ意味で、トラットリアはそれよりお手頃なカテゴリーと勘違いされてるかも知れませんが、
トラットリアに当たる適切な日本語が無いだけで、トラットリアも立派なレストランです。
逆にイタリアでリストランテと付く店に入っても、99%は泡アワな料理やごく少量で何品も出てくるという事はありません。
僕が思うにリストランテとトラットリアの一番の違いは、働いている人が制服を着てるかどーか、ナイフフォークの持つとこが、プラスチックか金属かですかね?
まあ、はっきり言って、僕にとってはあんまり大事ではありません。
昔は躍起になってガイドブック見ながら
点数や評価の高いレストランばかり食べに行っていました。
今もたまには行きますけど、あまり心躍る事は少ないかなー?
一方トラットリア、オステリアと呼ばれるカテゴリーは、実は時々目が出るほど高級店な事もありますが、基本的に地元のイタリア人がガイドブックなんぞ見ずに行きます。
残念ながら、古き良きイタリアでは、初めて入った地元のトラットリアで最高の食事ができる確率はあまり高くないです。
イタリアにはラッコマンダツィオーネというシステムがあります。
簡単に説明すると、イタリア人は基本的に、家族、親戚、親友、友達、知り合い、近所の人、知らない人、嫌いな人の順でどんな所でも区別します。
評判のレストランに行きたいけど、その店に知り合いが全くいない。このまま行ってもごく平均的なもてなししか受けられません。
そこでラッコマンダツィオーネの登場です。たまたま友人がそのレストランのオーナーの友達だとすると、その友人に予約を頼んだり、そこまでしなくても店に着いてすぐオーナーの所に挨拶に行って、自分は貴方の友達の誰々と仲良くて彼に勧められてきましたと挨拶します。
ホンマにゴッドファーザーの世界です。この一言で肉の硬い部分が出てくる事はありません。
就職なんか殆どコネと縁故で決まりますからね。
もし、全くコネが無く、でも地元民が集まるトラットリアで少しでも良い扱いを受けるにはどうするか?
まずケチらない。
嫌いな食材じゃない限りお薦めに従う。
料理、サーヴィスを褒めちぎる。
変わったとこでしょ?
理解できない方も多いと思います。
イタリアはお客さんも強いですが、基本、店はもっと強いです。
でも、僕も含めイタリアに心を奪われている人たちは、このハードルを越えた人たちです。
気が付けば、その店のシェフの家に夕食に招待されている。
そんな国なんです。
これを的確に表す格言が、tratta bene chi non paga
お金払わない人を一番もてなすように。
ジラソーレにお越し頂くのに、ラッコマンダツィオーネは全く必要ありません。普通にご予約頂ければ十分です。
その際、食べれない物や、苦手な食材、逆にお料理のリクエストなんかもあれば是非、ご予約時にお申し付けください。
皆様昔からのお客様だと思い、出来る限りの事を致します。(当日のお電話ですと、仕入れ、仕込みが終わっておりますので、ご要望が複雑な場合は前日までにご相談下さい。)
新しいランチの目玉は3800円のコースです。
3800円でイタリアにお連れいたします。をテーマにちょっとした食の旅のご提案です。
僕に店舗展開する甲斐性はありませんが、これで昼と夜2軒の店ができる気分です。
様子を見ながら更にエンジンの回転数を上げていきます。
よろしくお願いしますね!