MELANZANE AL CIOCCOLATO
MELANZANE AL CIOCCOLATO
毎年、お盆の頃にお出しするデザート、MELANZANE AL CIOCCOLATO(ナスのチョコレート風味)。
織田祐二の映画(アマルフィー)の近くのミノ―リという小さな町が、本家みたいです。
毎年8月には、SAGRA DI MELANZANE AL CIOCCOLATO(ナスのチョコレート風味祭り)があります。
ナスにチョコレート?と奇抜な組み合わせの様ですが、実際に食べるとものすごく王道な美味しさです。
粉や卵で作るスポンジの代わりに、茄子を使ってチョコレートケーキを作ってるようなもんです。
意外や意外、すごくエレガントで、茄子と言われなかったら分からないくらい。
では、茄子を使う意味が無いのでは?
そう考えるのも当然です。
でもこれは、奇抜なアイデアからナスで、デザート作ったろーとなったのではなく、夏のナスが旬の時期、恐ろしい量のナスが取れ、なんとか飽きずにナスを食べるための工夫なんです。
ですから、ナスは感じない方がいい。多分、前菜でも、プリモでも使っていたでしょから。
お客さんによく、あまりにも自然な感じで、茄子を殆ど感じないけど特殊なナス?と聞かれます。
いえ、茄子らしくなくて良いので、出来るだけ普通のナス、そこらのナスを使います。
以前の僕なら、灰汁の無い水ナスとか試してみる所ですが、前号の続きになりますが、必然性とはこんなもんです。
より美味しい、個性のあるナスは、その個性を楽しめばいい。
前回は、文章ばっかりだったので、後は写真をお楽しみください。
地方料理には、クチーナ ポーヴェラ(貧しい料理)と呼ばれるジャンルがあります。
貧しいと呼ばれますが、実はこれこそイタリア料理の神髄が詰まった、心が豊かになる料理です。
これはクチーナポーヴェラの傑作、じゃがいもとミックスパスタの煮込み(pasta e patate)
しかし、美味しく作るのは結構難しいです。
以前、イタリアワインの巨匠、アンジェロ ガヤと食事をした事があります。(自慢です)
ものすごく気さくで、色んな話をして下さいましたし、色んな質問をされました。
その中で印象的だったのが、アンジェロ ガヤはこのナポリのパスタ エ パターテがえらくお気に入りの様で、パスタ エ パターテを連呼してました。
おそらく、世界中のトップレストランで豪華な食事をした事があるでしょうに、こんな庶民的なモン食べるやと意外でした。
そして、その時出てきていた料理のサマートリュフを全部よけて残していました。
多分、安い、高いでなくホンマモンが好きなんでしょう。
涼しくなったら、ランチでします。
これは、上のカボチャヴァージョン。
こういう料理を、ナポリではミネストラといいます。スープのカテゴリーです。
でも、実際はスープっ気がそんなにある訳でなく、パスタで作ったリゾットみたいな感じです。
イモ、カボチャの他、白インゲン豆、レンズ豆、エンドウ豆、そら豆、ヒヨコ豆、カリフラワー等など。
非常によく食べます。
蛇足ですが、イタリアでは、パスタ、リゾットは、深みのあるスープ皿には盛りません。平たい皿です。
そして、平たい皿の時は、スプーンを使いません。
逆に、深い皿で出てきたら、あまり汁気が無く見えてもスプーンで食べます。
こちらは、汁気はそんなにありませんが、深皿に盛ります。
ですので、スプーンで食べます。
面白い事に、色んなパスタが混ざっています。
これは、ちょっと余ったスパゲッティ、ちょっと余ったマカロニ。。。というようになんでも良いんです。
少々のゆで時間の違いも気にしません。混ぜて使います。
でも、そうする事によって、ちょっと柔らかくなってスープをよく吸ったものや、しっかりアルデンテなものが入り混じり、食べ飽きません。
素晴らしい工夫です。
こちらも、茄子料理の名品。パルミジャーナ ディ メランザーネ。南イタリアでは、パルミジャーナと言う料理名で、色んなヴァージョンがあります。
ナス、ズッキーニ、アーティチョーク。。。
ナスは、味がニュートラルかつ、旨味があるのでかなりの料理のヴァリエーションがあります。
しかも収穫量がえげつない。
ですから、意外にナス料理は、ナス単体の物が多い気がします。
こちらは、オーヴン料理ですが、まず出来たての熱々を食べることはありません。常温です。
昔のイタリア料理の本は、食べる温度の指定が、細かく書かれていました。
イタリア人は、あまり熱々の物を食べません。
誤解を招く表現ですが、あったかい位で食べます。
味も一番よく分かる温度ですし、何よりイタリアで料理をすすって食べるのは、かなりのNG.
熱いと、食べれないんです。