2018年6月
ディナーのおまかせコース変わります!(オステリアのディナー)
なんやかんや毎月追い詰められながら、何とかメニュー替えてますね。
僕、基本的に真面目ですわ笑。
ただ、毎月1日に変わるとかでもないので、自称ジラソーレの常連さんはHPチェックしてメニューが変わった事をご確認してからご予約下さいね!
2週間後とかにまた来てもメニュー変わってませんから。。。笑
トラットリア併設してますので、詰めて来られる時はトラットリアも合わせてご利用くださいませ~
はい、今月のお料理いくつかご紹介します!
まず
イントロクイズみたいですが、楽しみにしていた方多いのではないでしょうか?
ご存じない方にご説明しますと、ナポリ風のトリッパと豚足のサラダになります。
サラダと言っても葉っぱ入っていません。
トリッパと豚足がサラダなのです。
アミューズ代わりに1品目でお出しします。
急なご予約の場合、違う品になる場合がございます。ご了承下さい。
もちろんトリッパ系苦手な方も違うもん用意します。
アジのタルパッチョ 冷たい白いんげんの煮込み添え
タルパッチョは誤字ではありません。
淡路のえー感じの活けの平アジ(メチャ高いです)、イカッタ状態とトロンとした口当たりを両立させるため、アジのカルパッチョの下にアジのタルタルを仕込んでいます。
一緒に食べると活かった感じとトロっとした感じが合わさって、美味しいです!
そこに動物性脂肪を足さない白いんげんの冷たい煮込みを添えています。
これもファン多数!
今年の初物のポルチーニを穴子の出汁でスープにします。
そこにガットーディパターテというナポリの詰め物をしたジャガイモのオーヴン焼きと蒸し穴子を添えます!
ザ 鉄板です。
原点回帰中に新作!
アワビと玄米の春巻き笑
そして夏のパスタのアイドル、アユとピスタッチオのスパゲッティ
これはちょっとロングランで行きます。
じゃーん。
今月のパッケリ
小ダコでつくった溺れタコの手打ちパッケリ
写真は白いんげんですが、モロッコインゲンに変わっています。
メチャ美味しいです。
ところで、
これらはおまかせのディナーコースの内容の一部です。
トラットリアではご用意しておりませんのであしからず。
トラットリアのおすすめは
溺れダコのリングイネ!
こちらは乾麺でパシッと行きます!
トリッパのポルペッタ!
究極のワインのアテです。
詰め物をしたうずらのロースト!
大人気!
てな感じです。
コースのメインの写真は追ってアップします!
この改革はして良かったと心から思います。新パスティエーラと求人詳細(コラム)
16周年も無事に迎え、さらなる飛躍を目指し、小さな、でもドラマチックな革命をいくつか企んでいます。
料理はクラッシックでも、店の在り方はクリエイティヴでありたいと思います。
下準備はコツコツ進んでいますが、いかんせん人手が足りません。
求人!!!
自分はなんか持ってるんちゃうかと思っている若者よ!
僕は44年間そう思い続け、まだ自分はこんなもんやないと1ミリの疑いもなく勘違いしているぞ!
料理やモノづくりの仕事はキツイ面もあるけど、そんな自分の思い込みをカタチにできる、いや証明できる唯一の方法だと僕は思っています。
料理や仕事も教えますが、」何より夢の実現方法の勉強になると思います。
求人サイトに応募を掛けていますので、興味ある方は覗いてください。
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前回のコラムでご報告しましたが、6月から少しシステムを変えました。
たった2週間ですが、ずーと前からこの形で営業していたのではないかと錯覚するくらい、自然でおさまりの良いシステムになりつつあります。
料理人になって25年。
オーナーシェフになって16年経ちましたが、言うのがコッパズカシイくらい最近仕事が楽しいです。
しなければいけない事はもちろんきっちりしていますが、したい事もちゃんと出来ていると思いますし、したい事が、ちゃんとしないといけない事にかなり直結してきました。
これは仕事としては最高です。
この数年の一番の反省は、マーケットリサーチや数字を意識し過ぎたかなと思う点です。
まあまあの借金をしていますから、マーケットリサーチや数字の意識が高いのは大切な事です。
僕、こう見えて数字は嫌いじゃありません。
生まれ変わったら数学の勉強を、いまの料理の勉強してるくらいしてみたい位です。
今でも量子力学を分かりやすく説明してるものとか、読むの大好きです。どこまで理解できているかは別として。。。
前の店までは、一か月必死に働いて今月売り上げいくらだった、過去最高だった!もしくはこんなに頑張ってるのにこんだけしかなかった。
といった、いわゆる結果としての数字を意識していたのに対し、この店に移ってからはよりシビアに売り上げ予測、予算立てを意識するようになりました。
純粋に固定費が跳ね上がったからですね。
でもビジネスとはそういうものです。
それまでも数字の管理はしていたけど、売り上げを作りにいく意識は低かったと思います。
移転後は、特に前バール部分では売れそうなものとか、皆さんどんなん好きかな?という事をよく考えました。
一般的にこういうの皆さん好きやろう?
とか、
こういう風に出した方が食べやすいだろうとか、分かりやすいだろうとホント色々考えました。
でもそんな感じで商品化したもので、人気が出たものは一つもありません。
売れるだろうと思って作ってるものが売れない。
不思議でした。
かなりの努力、工夫をしたけど大した結果が出ませんでした。
悔しかったと言えば悔しかったのですが、いま思い起こしてもそれがどんなものだったか思い出せません。
つまりその程度の物だったという事で、そしてそれをお客さんに見抜かれていたのでしょう。
もちろん失礼な事をしたつもりはありませんし、その時は必至で取り組んでいましたが、まあ僕らしくなかったという事でしょう。
分かりやすい例えをすると、コンビニで売っているワイン。
一昔前は安かろう不味かろうでしたが、最近コンビニで売られているワインはそこそこ美味しいです。
コスパが良いというのですかね。
このお値段でこの味だったらいいじゃん!と大多数の方が納得する味わいのワインを上手にセレクトしてらっしゃると思います。
これはまさにマーケットリサーチです。
でも世の中はもう一歩先に進んでいます。
ワインを作る側が、マーケットリサーチをしたうえでワインを作るのです。
決して世界中のワイナリーがクオリティーに対し、全力投球をした結果ではありません。
これくらいの価格で、このブドウ品種でこんな味わいだと売れるはずという統計学的な見地からワインの味わいを決め、そこに落とし込んでいくというマーケットリサーチが産み落としたワインも沢山あります。
ワイン造りをビジネスと捉えると決して間違った発想ではありませんし、実際コンビニで売られている1000円前後のワインのクオリティは凄く向上しました。
何の文句もございません。
ただ、それらコンビ二のワインを僕が愛飲してるかと言えばしてませんし、いくらコスパが素晴らしいといえどジラソーレでそれらのワインを扱うかと言えば扱いません。
僕は生産者の思いやメッセージ、生産地の風土や歴史なんかが反映してるワインが飲みたいし、ジラソーレのお客様にもそんな作り手の顔が見えるようなワインをご提案したいと思います。
…あれ?
基本的にこんな考えなのに、なんでバールの商品を考えるとき’’売れるものはどんなんか?’’て考えたんでしょう。。。
多分、ホントに僕が作りたいものが余りにも`’インスタ映え’’しないのが分かっていたからでしょうね。
間口を広げ、新規のお客さんを呼び込もうと思っていましたが、あまりにも漠然と間口を広げようとしてたのでしょう。
誰にも届かない、非常に中途半端なメッセージになってしまっていたと思います。
(僕的にはシズル感満載の、なかなかのフォトジェニックな料理だと思うのですが。。。茶色すぎますか?笑)
(次のメニューの試作、タコのパッケリ)
そこで原点回帰です。
原点回帰がキーワードですが、これはレシピに限った事でなく、お店の在り方、料理人としての在り方もです。
なんか変な感覚ですが、1軒目の小さなジラソーレを始めたときのテンションに近づいています。
16年前、小さなナポリ料理の店を開けたら、それはそれは色々言われました。
まず
なんでピザ無いの?
何でコースなん?
なんで北イタリアちゃうん?
なんでナポリなん?
ナポリ料理ってなんなん?
最初は鼻の穴膨らませて熱心に答えていましたが、そのうちお客さんはそれぞれ一回づつしか聞いてないのでしょうけど、僕としてはそんな同じ質問毎日されて100回も答えているうちに、ほっとってチョーだいと思いましたよ。
ナポリ料理に絞ってお店をしている事を応援して下さる方が1割。
ナポリ料理ってよう分からんけど、杉原が作る料理を気に入って下さったかた3,4割。
イタリア料理を食べに来たのに、自分が思っているような料理やなくて戸惑う方3,4割。
それを不快に思う方1割。
最初の5年位はずーっとナポリ料理の説明を、まるで言い訳のようにせざるを得ない日が多かった思い出があります。
生きていくため
食べていくため
店を潰さないため
同じ材料がないため
色んな理由がありましたが、純粋なナポリ料理じゃない物も沢山作ってきました。
でもあるとき気付きました。
全くナポリ料理の要素のないイタリア料理が作れるのか?
そう思ってからはホントに自由に料理を考えました。
沢山のアイディアが生まれました。
今でもふっと新しい料理のアイディアが浮かびます。
必ず作ってみますが、審査をより厳しくしています。
以前は伝統的なナポリ料理の韻を踏んでいるか等が大事なポイントでもありましたが、今はそこに感動があるのか、またこれが食べたいとリピートしてもらえるかが一番のポイントです。
そしてナポリの伝統料理を作るときも、以前より審査を厳しくしています。
ナポリ人に100点貰っても安心しない。
ナポリ人にも日本のお客様にも感動して貰えるクオリティを模索します。
これはマーケットリサーチの対極かもし知れません。
車でいうとフェラーリ。
車好きだろうが、車に興味なかろうが、免許持ってなかろうが、フェラーリになんも感じない人は多分あまりいないと思います。
何故かと言えば、ただの高級車でなく工芸品で美術品でもあるからです。
(僕は決してフェラーリが欲しくてたまらないタイプではありませんが)
フェラーリみたいな料理をしようというと、高級路線に走るの?と思われるかも知れませんが、そうじゃないです。
自分が良いと思うものを作りこんで、作りきって、また工夫して、作りこんで、作りきる。
これを後何年出来るかが、お店が長く続く(続けさせて頂く)贅沢な部分だと思います。
という訳で、今日の原点回帰シリーズ
新生パスティエーラ。
僕はストラパスティエーラ(超パスティエーラ)と呼んでいます。
パスティエーラはご存知ですね?
え、知らない?
3大ナポリ菓子に入る偉大なタルトです。
復活祭に必ず食べるお菓子で、茹でた麦とリコッタとオレンジピール、あとオレンジフラワーウォーターが詰め物の焼き込み系タルトです。
瀬戸内のイカナゴのように、復活祭の時は家庭でも必ずパスティエーラ作りますので、釘煮の交換よろしくパスティエーラもあげたり貰ったりと、しばらくパスティエーラ漬けになる感じです。
今まで数々のナポリ人がジラソーレのパスティエーラを絶賛してくれています。
しかし、日本のお客さんの手が伸びません。
麦が入ってるとか、多分意味が分からないからでしょう。
僕もなんで入ってるかは知りません笑。
中々選んでいただけない以上、間違って選んで頂いた方にはもれなく悶絶していただきたい。
これもずーっと考えていました。
なんかソース付けるとか、フルーツ載せたら見た目良くなるのでしょうが、パスティエーラの味が変わります。
味わいは唯一無二な味です。
この味に変にチョコレートやイチゴなんざ乗せれません。
んー。
あ、そうか。
昔は鳩とか鴨に果物のソースやそれこそチョコレートを使ったソースというのが、古典料理では盛んでしたが、今は鴨には鴨のジュと呼ばれる鴨を液体表現したものといえる、ソースというが焼き汁というか出汁というか。。みたいなソースが主流です。
簡単に言えば鴨ソテーの鴨ソース、鳩炭火焼きの鳩ソースって感じです。
抜群の焼き加減の鴨に」丁度良い塩加減。
本来それだけで十分美味しいです。
そこに鴨の香りと旨みが凝縮した鴨のジュを添えれば、そりゃ絶対更に美味しいです。
パスティエーラもそれでいこう。
パスティエーラ パスティエーラのソース
と閃き、丁寧に焼いたパスティエーラを程よく熟成させ(これが大事)、パスティエーラの半液体表現的なソースを作ってみたらこれまた凄い事になりました。
このストラパスティエーラ、芦屋発で逆輸入されると思います。
是非お試しください。
こんな感じで今年は今まで作りこんできたものを、ことごとく破壊再生させています。
お楽しみに。
続く